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リスペクトと信用

私は、マーダーミステリーでもなんでもないものを「マーダーミステリー」と呼称する人は居なくなって欲しい過激派ですが(コンテンツを否定するものではなくジャンル付けのみの話)、そういうスタンスを「原理主義」と表現し「原理主義は衰退を招く」といった言説を見かけてしまったので、本当にそうだろうか?という話をつらつら書いて行こうかなと。

本当に面白ければ何でもいいのか?

個人的に、それがどういうコンテンツやジャンルのものか分からずに享受する分には「面白ければ何でもいい」と考えると思います。

ただ、たとえば「感動的な映画です」と宣伝された映画を見に行って、一切感動のないコメディ映画が流されたら、それがたとえ面白かったとしても、その面白さは半減ですし、面白いかどうか以前にモヤモヤしたり、酷ければ怒りを覚えるかもしれません。

これって異端な考え方でしょうか?

もちろん、自分の抱く感情がマジョリティであるかは分かりませんが、そこまで奇異なものでもないのではないか?とも思います。

例えば、実例で言えば、カントクさんがやられている「口縄の社」とかメチャメチャ面白かったんですよね。それがどんなコンテンツか分からずに行ったから尚更。「面白ければいい」ってのはこういうことなんだなと。

でもそれを「マーダーミステリーです」って言われてその場に行っていたとしたら、きっと「面白かった」と素直に受け取れないと思います。メチャクチャもやもやしちゃう。(もちろん、カントクさんは「マーダーミステリー」とは謳っていません。念のため)

制作側はまず、「そういう層が一定以上居る」ということは念頭に置かなければダメじゃないでしょうか?そして、それは確実に満足度を下げる行いであることを理解できないのはやっぱりダメなんじゃないでしょうか?

正直、迷惑

私がこういう物言いをするのは、ハッキリ言って「迷惑」だと感じているからです。「マーダーミステリー」を遊ぼうと思って店舗に行った人が、マー―ダ―ミステリーでも何でもないもの(マーダーミステリーと認識するのが難しいもの)をプレイさせられる。しかもそこそこ長時間、そして、4000円前後する値段を払って。

ただでさえ、マーダーミステリーはネタバレの観点から情報は出にくいですし、否定的なことを言うと叩かれる風潮も相まって「マーダーミステリーではないね」みたいな批評は出にくいです。満足したかどうかもわからない。

そういった「出たとこ勝負」的なコンテンツにも関わらず、イメージとの齟齬を体験してしまったら、そもそも店舗公演自体から足が遠のくかもしれません。高いお金払う気失せちゃいますよね。迷惑。

また、マーダーミステリーと言えるか怪しいものしか遊んだことのない人は、ちゃんと作られたマーダーミステリーを遊んだとき、そこにやはりイメージの齟齬が生まれます。

どっちが良いかは分かりませんが、従来型のマーダーミステリーを遊んで、サブミッションの駆け引きや犯人捜しといった基本的な部分が「新鮮で楽しい」という感想や、あるいは、推理があまり重要視されていない作品しか遊んでいないようで「難しい」という感想が多い気がしています。(あくまでご案内した際の肌感です)

こっちのパターンでも、プレイヤーイメージとの齟齬が生まれているので、楽しさを一部欠損している可能性は否めません。

プレイヤーファーストではない

なんにせよ、イメージとの齟齬はプレイヤーの満足度を下げる可能性があるため、これを是として問題視しないのは、ハッキリ言って他ならぬプレイヤー(お客様)を軽視していると思います。

「面白ければいいだろ」は提供者側の押し付けです。

まずはプレイヤーのイメージするモノを提供する。工夫や変化球を加えるなら、その範囲内でやる。ピッチャーマウンドから出て球を投げたら、それは変化球でもなんでもないクソボールなわけです。

他の人がどう考えるかは分かりませんが、クソボールが許される野球は私は見たくありませんし、そんな「ストライクとれればなんでもアリ」みたいなやり方で三振を取ることに何の意味があるのか?理解できないというのが正直なところです。全く新しい土俵を作って、全く新しいジャンルとして、それを楽しめる人を集めてやればいいのでは?と思います。

生きている限り、人は何かしらの制約の檻で過ごします。自分で檻を作ることもあれば、他人あるいは「社会」が作る檻もあるでしょう。私たちはその檻の中で最大限のパフォーマンスを出せるかどうか?常に問われているのではないでしょうか。故に、制約の中で良いパフォーマンスが出せたとき、そこに素晴らしさがあり、美しさがあるのだと思います。

既に叩かれそうですが(汗)
以下、メッチャ叩かれそうな内容なので、マガジン限定にしますね。

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読みたい方に届いて欲しい。そんな内容をつらつらと書いて行きます。

マーダーミステリーについて私(かわぐち)の考えや、ちょっとした情報などを書いて行こうかと思います。

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