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神様に会いにいく Vol.3アマテラス (朝日神明宮)

日本神話で一番愛らしい神と言えば、太陽神アマテラスオオミカミ(天照大御神)だと思う。神様のくせに天岩戸に隠れてしまう無責任なメンタルがたまらない。そして、外のにぎやかな宴会が気になって戸を開けてしまい、まんまと外に引っ張り出されてしまうエピソードは、抱きしめたいくらい可愛らしい。

まるで、わたしみたいだ。

弟であるスサノオが絡むと、アマテラスの可愛さはさらに倍増する。

姉に会いに来たスサノオを「わたしの国を奪いに来た」と勘違いして男の格好で武装して出迎え、誤解が解けて自分の国にスサノオを迎え入れたら、田んぼを荒らされるわ、神殿にうんちされるわ、死者も出るわの大騒ぎになり、あまりのショックにアマテラスは天岩戸に閉じこもったのでした。

アマテラスが天岩戸に閉じこもった話は知っていたけれど、その原因が姉弟ケンカだったとは……。スサノオの強大な力を押さえられるのは、お姉さましかいないのでは……? 閉じこもってる場合か? とか思うのだけど。スサノオも悪気がないところがまたなんとも……。

スサノオもスサノオだけども、アマテラスもアマテラスですよ。どうして古代の人は、こんな人間くさい神様の物語を作ったのだろう。だけど、アマテラスの情緒不安定さや気まぐれさこそが、古代の人々にとっての太陽のイメージだったのかもしれない。強大な力をもっているけれども気まぐれで、恵みをもたらすこともあれば、害になることもある。太陽というのはそういうものだと受け入れていたからこそ、この愛らしい完璧とは言い難い神様像ができあがったのかもしれない。

さあ、アマテラス様に会いに行くぞ!と、いさんで調べたら、最初に衝撃の事実に突き当たる。

アマテラスを祀っている神社の総本社は伊勢神宮なんだそうです。知ってました? わたしは、何と、知らなかったのです。ああ、二度も行ったのに。わたしは何を見ていたのだ。

アマテラスを祀っている神社は神明神社というそうで、全国にはもちろん、京都にもたくさんある。その中の家から徒歩で行ける距離にあった「朝日神明宮」に行ってみました。

車が一方通行でびゅんびゅん走り、マンションや駐車場やお店に囲まれた中にある小さな門。これが朝日神明宮の入り口です。今はこんなに小さいけれども、かつては大きな敷地を持っていて、一説によると、日本七神明のひとつという由緒ある神社なのだそうです。

奥の鳥居は、神明鳥居と呼ばれる鳥居。貫(二番目の横棒)が突き抜けてなくて、笠木(一番上の横棒)も貫も円柱で柱が垂直のシンプルな形。

鳥居をくぐると、すぐに本殿があります。

金色の御弊の向こうにアマテラス様がいらっしゃるわけです。

拝所の横に小さな道があり、奥に進んでいくと、

空き地があり、手前左はお地蔵さま? 奥が猿田彦社。

この神様については、またどこかで登場すると思うので、今度話題にします。

奥には石が祀られていた。

社務所もない無人の神社だけども、きちんと米と塩と水が供えられている。お祭りもあるらしい。話を聞けなかったので想像するしかないのだけども、ここの町内の人たちがやっているんじゃないだろうか。

……というのも、実はわたしが住んでいる町にも小さな無人の神社があって、毎日順番でお供え物をささげ、お祭りも自分たちで行っているからだ。町といっても徒歩5分くらいで全部回れるような小さな単位で、町内全員顔見知り。当番が回ってきたら、朝、米と塩と水をセットして神社にお供えして、夕方にさげて、隣の家のチャイムを鳴らしてお供えセットをバトンタッチする。一か月半くらいで順番が回ってくる。引っ越してきたときはびっくりしたけれど、今では慣れてしまった。みんながやってるから、そういうものなのだと思ってやっている。信仰とか、どんな神様だとか、あまり考えたことはない(これからはちゃんと考えます)。

この神社もうちの町にある神社と似ている。由緒正しい神社なのだけども観光地にはなっていないし、ご利益も大っぴらにうたっていない。新しく建ったマンションに越してきた住人たちは、近くを通りかかっても見向きもしないかもしれない。でも誰かが、毎日、お供えをして、さげて、そういうものだと思って、神社を守り続けている。

10歩も歩かないうちに大きな五条通に出る。

かつてここまでこの神社の社域で、幸神の森と呼ばれる森が広がっていたらしい。全然想像できない。けれど、車が走り、ビルが建つ現代の街にも神様がちゃんといることは、神社を守る人たちがいる限り、何だか信じられそうだ。

(初出 2016.9.15)

**朝日神明宮 **
京都府京都市下京区下鱗形町
(麩屋町五条上る鱗形町)

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京都在住の小説家です。医学(博士)です。理系ライターもやっています。
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