見出し画像

2021年の仕事と創作を振り返る

あっという間に師走で、なのに仕事は全然終わっていなくて、心がすさんでいる日々です。1つの原稿に取り組んでいるときはそのことばかり考えているけれど、終わったら、全部頭から振り払わないと、次の原稿に取り掛かれない。だから、いつも手ぶらで、身一つでいる。気を抜くと虚無感のようなものに襲われてしまう。

過去に書いたものも、いったい誰が書いたのだろうと不思議に感じる。でも、スケジュール帳や写真を見て振り返れば、確かにそれを自分がやったという記憶の痕跡がわたしの中に残っていて、わたしは自分を取り戻す。

というわけで、自分のために2021年にやった仕事をまとめます。そしてときどき眺めて自分を励ましたい。すごい長いので、わたししか楽しくない日記。初めて目次機能を使ってみたよ!興味のあるとこだけどうぞ。


書籍


◆『ぼくらの感染症サバイバル 病に立ち向かった日本人の奮闘記


12/1発売。10代の子をターゲットにした学習漫画の漫画原作と中身の執筆をライターとして担当しました。古代から現代までの感染症サバイバルの歴史と、さまざまな感染症の症状や性質を、図書館で借りた本を積み上げ、論文とかも読みつつ、そして漫画のネームも書きつつ、奮闘しました。4月~9月までほぼかかりっきりだった。しんどかった!でも楽しかった!

今年は書籍はこれ1つ。小説で出せなかったけど漫画原作できたからいいかなー。1年に1冊くらいがちょうどいいのかも。


連載


月刊モーニングツー連載漫画『天地創造デザイン部』の生物コラム執筆

「天デ部」のコラムの仕事は2019年の9月からなので2年目。ネームもらって最初の読者になれる、楽しいお仕事。おかげで生物のうんちくにずいぶん詳しくなってきました。原作者のネタ出し担当の蛇蔵さんは最新論文も分厚い本も読み込み、どこから見つけてくるんですか…!みたいな面白エピソード(でも現実に存在している)を毎回出してくる。すごいんです。読んでみてください。


月刊アフタヌーン連載漫画『Q、恋ってなんですか?』の生物監修

新連載の「Q恋」にも関わらせていただくことに。地球の生物の求愛を観察しながら、宇宙人との恋の展開が気になる不思議なマンガです。絵が本当にきれい。生物うんちくに詳しくなれます。

日本リフレクソロジスト認定機構JREC会報誌「Holos」短編小説の連載

年に3回発行されるJRECさんの会報誌「Holos」に3500字くらいの読み切り短編小説「ちょうどよいふたり」を連載しています。毎回読み切りで完結しつつ、ゆるりと続いていきます。2013年からずっと連載させてもらっている。登場人物は現実の時間と同じように歳を取っていく設定にしたので、もう8年。まさに育っていく物語。この形式じゃないと生まれなかった。転載OKしてくれたので、わたしのnoteで全文読めます。1話だけでもぜひ。

雑誌


『別冊Newton近畿大学大解剖vol.2』研究者インタビュー担当(5本)

近畿大学の理系の研究室にスポットをあてた特集。実学を目指す近畿大学の研究はどれも刺激的でした。しかし5本書くのしんどかった・・・!理系ライターとしては、Newtonでお仕事できて嬉しかったです。

研究機関広報誌(紙とウェブ)


◆「京都大学iPS細胞研究所(CiRA)ニュースレター」vol.45,46,47

2021年のCiRA広報誌に携わりました。研究者対談・インタビュー記事担当。ディレクションをチーム・パスカル森旭彦さんが担当。デザインは長谷川弘佳さん。iPS細胞研究が今どうなっているのか。その最前線を知れてわくわくしました。ウェブでも全文読めます。vol.45,46,47。vol.48は制作中。

大型放射光施設SPring-8広報誌『SPring-8 NEWS』No.103,104,106

世界トップレベルの施設。飛行機から見てもわかるような巨大なリングで電子をビュンビュン回して磁力でギュギュギュっと電子を曲げると、電子から、エネルギーがパアアって飛び出てくる。それが放射光。この放射光はエネルギーが大きくて好きな波長の長さを取り出せるので、物質の原子や電子のレベルのものを高速で測定できる。
これを使っていろんなことができますよと伝えるために、SPring-8を使った研究例を高校生にでもわかるように紹介する広報誌。いやほんと無茶を言いなさんな…という感じでまだまだ高校生には分かるように書けていませんが、自分が理解できるようにはなりました。No.107は取材を終えて原稿は今抱え中です。年内になんとかせねば。

ウェブサイト


国立大学附置研究所 研究者インタビュー vol.88,89,92,98

全国にある国立大学に附置された研究所を紹介するシリーズ。付属ではなく附置というところがポイント。それぞれが独自の研究をバリバリやっています。チーム・パスカルで分担して全国へ取材にいきますが、今年はわたしは臨床心理学、細菌毒素、iPS細胞、構造解析。4本も書いていた。まだ公開されていないけれど、さらに1本書き終わり編集中。そして、もう1本は取材済みで年明けか年内には何とか書かねば・・・。研究内容だけじゃなく、研究者たちの人柄が出るような記事になっています。

稲盛財団3S研究者探訪 研究者インタビュー #01,#06

稲盛財団は京セラ名誉会長の稲盛和夫氏によって設立された公益財団法人で、研究助成や社会啓発などを行っています。これまでにもたくさんの研究者が助成を受け、数々の成果が生み出されてきました。そんな稲盛研究助成を受けた研究者から構成される「盛和スカラーズソサエティ(Seiwa Scholars Society)」。略して3S。そんな3S研究者の活躍を紹介するのが新連載「3S研究者探訪」です。新しい試みということで、チーム・パスカルのメンバーと稲盛財団担当の方と一緒に試行錯誤しながら作り上げていきました。
わたしが担当した先生の専門は、金属磁性音楽学。どちらもたまたま女性の先生でインタビューしながらいろいろ勇気づけられました。わたしもがんばろ!

NewsPicks 「ディープな科学」記事執筆

ビジネスパーソン向けの経済ソーシャルメディア。経済に疎いわたしでもわかりやすいビジュアルとトーク番組と匿名ではないコメント欄でいろんな意見が飛び交っているのが楽しくて見ていたのだけど、縁あって執筆させてもらいました。科学の面白さをビジュアルでわかりやすくキュートに伝えられて、楽しかった。また書かせてもらう予定です。
【最前線】「アイドリング中」の脳は何をしているのか
1か月おためしで無料会員で全記事読めます。

◆Yahoo!オリジナル記事 執筆

これも今年初挑戦の仕事ですがチーム・パスカル近藤雄生さんと編集者でノンフィクションライターの神田憲行さんと一緒に、未受精卵の卵子凍結の現状について複数人に取材しました。不妊治療のつらさも、子どもが欲しくてもままならない事情も、あまり大きな声で語られることがない。コメント欄を見ながら、そういう人たちの生きづらさをひしひしと実感しました。卵子凍結に賛成でも反対でもいいから、選択肢があるうちに正しい知識を知って自分がどうしたいのかを考えることが大事だと取材を通じて感じました。
「数年の猶予が得られても、妊娠の期限は確実に迫る──1回あたり最大100万円が目安、サービス提供側の思い #卵子凍結のゆくえ」

記名ではない書き仕事


◆研究機関の英文プレスリリースから日本語リサーチハイライト作成
◆化学メーカーのウェブページのライティング
◆商社のリクルートページ用の社員インタビュー
◆ライフサイエンス系オウンドメディアのコンテンツ作成
◆ライフサイエンス系ウェブサイトの英文翻訳
◆化粧品メーカーのウェブページのライティング
◆精密機器メーカーのウェブコンテンツ作成

2021年にがんばったけどまだ完了していない仕事

◆研究者の著書を小説化。9割書けたので、あとはエピローグのみ・・・!

講師の仕事

◆OBPアカデミア「依頼が途切れないインタビューライターになる講座」
◆宣伝会議「編集・ライター養成講座」大阪教室
◆社会人のための公開講座 藝術学舎「自分を主人公にした物語を書く」
◆京都芸術大学通信教育部 スクーリング授業担当「エッセイ」「京都の文学」/文芸コースの卒業制作担当
◆予備校講師 小論文担当
◆中学校で授業

依頼仕事ではない創作活動

◆同人誌「関西魂10号」に書き下ろし短編寄稿。

文庫サイズの可愛い同人誌です。大阪文学フリマで販売しました(わたしは仕事で行けなかったのですが)。通販もしています。他の書き手の短編も面白いです。800円です。欲しい人は、公式問い合わせcom.novel.kansai★gmail.com(@→★)までお願いします。わたしに直接言ってもらってもOK。9号にはどこにも行き場がなかった過去作の改訂版を載せています。5号にも書いてるけどこちら在庫僅少。HPのほうに詳しく説明するブログ記事、近いうちに書きます!
依頼仕事ではないからこそ挑戦できるジャンルもあるし。こういう活動もどんどんしていきたい。

◆ブンゲイファイトクラブ3にジャッジとして参戦

原稿用紙6枚の中でブンゲイ的にファイトする企画。小説家・翻訳家・作曲家の西崎憲さんが主宰されており、文芸をこよなく愛する人たちが集まった何とも素敵な場に、すぽーんとと飛び込み、ファイター部門では予選落ちしましたがジャッジ部門で残ったので、ジャッジ参加しました。1回戦で落ちました(笑)ジャッジもジャッジされて落とされるのです。
ものすごくいろいろなことを考えるきっかけになった。読むとは何か。届けるとは何か。文学とは何か。何より文芸好きがこんなにいたんだということが嬉しくて、この場とここで関われたみなさんと出会えて幸せ。がんばろ。
しかし、どの作品も本当に面白くてすごくて、井の中の蛙というのはこういうことかー!と思い知らされました。粛々とがんばります。
しかしどこへリンクを貼ったらいいやら。説明ページが最新結果に上書き更新されているので、初見だとわかりづらいですが、熱気は感じられるかな。こちら
わたしの浮足立ったジャッジは恥ずかしい。けど、恥ずかしい想いはこれからもどんどんしていきたい。

2021年の振り返りまとめ

2021年もよく働いた。やっぱり書籍が時間を取られる。半年くらいがっつりかかったかも。予備校の授業が週2で入るなか、残りの日で書籍をやりつつ、ライター仕事をがんばりつつ。でも、小説も書いた。未完了だけど。

2021年よかったこと
・子ども向けの仕事で漫画原作をできて楽しかった!
・新しい媒体でライターの仕事ができた!
・TLじゃない別ジャンルの長編小説(未完了)を書けてよかった!
・予備校仕事をやめる決心がついてやめられてよかった!
・「宣伝会議」で講師できて嬉しかった!
・今年もまた魅力的な人たちにたくさん出会えてつながった!
・去年から知っていた人ともっと仲良くなれた!
・宝塚歌劇の初観劇やら、広島・福岡・長野・東京・北海道出張やら意外にアクティブに動いていた。
・メダカを飼い始めた。
・素敵なポートレート写真撮ってもらった。

ああ、振り返ると濃かった。よかった。がんばった。思い残すことなく2021年を終われそうです。ていうか、終わりたいなあ。でもまだ締切が・・・。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?