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不動産投資のお話 -人口減少

タイタンキャピタルの金澤幸雄です。

実は、政治は不動産の需要と大きく関係しています。
日本の総人口は2008年にピークを迎えましたが、その後現在に至るまで減少傾向にあります。

国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2010年には約1億2800万人だった日本の人口は、2030年には1億1600万人あまりに減少するのではないかと予想されています。
しかもこの人口減少は、日本のどの地域でも等しく起こるわけではありません。

都市部には依然として人口が集中する一方で、地方の人口が大きく減少する人口の二極化が進むと言われているのです。
それに加えて、今も深刻な社会問題となっている少子高齢化や未婚化・晩婚化は今後ますます加速することが予想され、全国的に世帯数が減少します。

人口減少に伴う人口の二極化と全国的な少子高齢化などの影響を受け、地方の空室や空き家が増加する一方で、都市部の新築や中古物件の需要は横ばいか、ややもすると現在のような高水準を保っていくのではないでしょうか。

少子高齢化、未婚化・晩婚化の対策として、政府が出生率を改善させる政策を講じることも不可能ではないのですが、今まで出されてきた様々な少子化対策を見る限り、大きな効果を生んだものがあるとは言い難く、基本的には難しい課題となってしまっているのが現状だと思います。

人口減少が深刻化しつつある今、政治が早急に取り組むべき政策が「移民」です。

移民を受け入れれば、単純に人(労働者)が増えるのですから、賃貸需要が増えます。国内では充分な人材の確保ができないとされる建設業、造船・舶用工業、自動車整備業、航空業、宿泊業、介護、ビルクリーニング、農業、漁業、建設、飲食料品製造業、外食業、素形材産業、産業機械製造業、電気電子情報産業の14分野の需要がある地域では、ある一定の不動産需要がありますから、マンションやアパートなどの空室率の改善や賃料の下げ止まりなどが期待できるでしょう。
また、人手不足に悩んでいる建築業界にも外国人労働者が増えることで建築単価も値下がりする可能性があります。

忘れてはならないのは、移民を受け入れるというのは、日本人に都合よく使える労働者を外国から受け入れることでは決してないということです。

日本国籍を持つ人と同じように、社会保障制度や健康保険などの生きるために必要な保障を約束したうえで外国人を受け入れるということです。

現在、日本が本当の意味での「移民受け入れ」を考えるべき局面に来ていることは間違いありません。それによって不動産の中長期的な価格にも少なからず影響があり、まさに「政治問題」と「不動産」はこうして関連づいていくと言えるでしょう。

金澤幸雄

Photo by Cory Schadt on Unsplash

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