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必ず行き過ぎる人間に寄り添う釈徹宗さん(僧侶)と、イラク人質経験から10代に寄り添う今井紀明さん(D×P代表)に、話を聞きたい。

一面に並べられたネタから「もしこの一口を最後に死んでも悔いはない!」と思えるほどの手巻きずしの具材を選ぶとき…以上に悩んで決めてます。イベントゲストのブッキング。

飲んで聞いて喋りながら、自分の生き方をリデザインする、要は飲み会。しかも、徹子ばりに人の話を聞かない(※いや徹子さんはそんなことない)私がファシるので、失礼極まりない扱いもする。それでも来てくださる稀有なゲスト。しかも、その回のテーマに「この人じゃないといけない」と思ったひと。

ということで、今回のテーマ『悩む、って、これでいいのだ。』のゲストにお願いした理由を、ぼくちん開陳いたします。

 

▶必ず行き過ぎてしまう人間に寄り添う

釈徹宗さん(僧侶/宗教学者/相愛大学学長)

乙女座なのですごくいい人です。

NHKの夕方の番組「ニュースシブ5時」の”悩み相談渋護寺”で視聴者のお悩み相談を受けていた、釈徹宗老師。なにがすごいって、大阪市池田市の如来寺の住職でありつつ、さまざまな宗教を比較して研究する学者でもあり、たくさんの本を出版する作家であり(河合隼雄学芸賞も受賞してる)、さらに大学の学長でもある。ちなみにこれは私が好きな本↓

<読んでみて、全員革命家なんだと思った。>

何年かいろいろとご一緒させていただいている。講師で来ていただいた小学生向け夏の講座「お坊さんに、生きているってどういうことか聞いてみよう!」はすごかった。「寝るのと死ぬのってどう違うの?」という小学校低学年の問いに「なるほど!」と真剣に考え込んだり、あるいは10数名の小学生と一緒に部屋の中をぐるぐる念仏を唱えながら歩いたり。釈先生はずっとこどもたちと対等に、ニコニコしながら、寄り添って考え続けてくれた。

10年前に私が起業するときにも、その翌年に経営破綻したときにも、釈先生は見守ってくれていて、ずーっと励ましてくれた。印象に残っている言葉がある。私は、組織運営について、こんなことを相談した。あのね釈先生、何か問題が生じたときに、バランスを取ろうとして反対側に動くでしょ。ほら、「厳しすぎたかな」と優しくしたり、「優しすぎたかな」と厳しくしたり。それでうまくいったかなーと思ったら、また同じことが、逆側で起こるんですよ。で、ハッとしてまた逆に戻るでしょ。で、うまくいったかなーと思ったら、また問題が出てくる……。どうしたらいいんでしょ?

すると、釈先生は、神々しい(あ、仏々しい、か)笑みをたたえて言ったのだ。「人間、行き過ぎるものですから」

OH! バンザーイ!!
私は、これ以上、人間理解が深い方を知りません。

<ほんま素敵なイケオジ>

■ 釈徹宗(僧侶/宗教学者/相愛大学学長)
大阪府池田市で360年続く如来寺住職として、地域の檀家ネットワークハブとしての寺を運営。古民家グループホーム「むつみ庵」や、その地域リハビリ実践を社会還元するNPO法人リライフ代表もつとめる。NHK『ニュース シブ5時』レギュラー等、テレビやラジオ出演は多すぎて不明。親鸞や法然等をはじめとする著作も多すぎて不明。『落語に花咲く仏教』で河合隼雄学芸賞受賞。2022年より相愛大学学長。


▶いや、人質になったときのバッシングに比べたら…

今井紀明さん(認定NPO法人D×P理事長)

地元神戸で、もともと奥様とご縁があったんです。
噂にはいっぱい聞いていた。イラク人質事件で人質になって日本中からえげつないバッシングを受けて、そのあと10代支援をやっている今井さんが、神戸に住んでるんだって。

日本人がイラクで人質になったという事件が起こったのは2004年で、私はスペインに住んで5年目だった。「在外邦人」である私たちは、その報道を、他人事じゃなく見守っていた。そして、絶望に近い感情を抱いていた。そっか、日本人は、日本に住んでいる日本人以外は大事にしないんだ。何かあったら「自己責任」と言って切り捨てるん。私がもしいま、スペインで何かに巻き込まれても、日本中から自己責任と言われて叩かれるのだろう、と。

そういう思いがあって、その後書く本の副題が『「他力資本主義」宣言: 「脱・自己責任」と「連帯」でこれからを生きていく』になっている。

でも今井さんは「もし」とかじゃなくて、その当事者だったんだ。「絶望に近い」とかじゃなくて、「絶望」そのものの中にいただろう。高校生で、イラクのこどもたちの医療支援をしたいと現地にわたり、そこで外国で武装勢力の人質になるきもちって、わかる? 絶対にわからない。絶望でなかったらなんなんだろう。しかも母国から、顔も知らない縁もゆかりもないひとたちから、「迷惑かけるな」とか総バッシング受けるんだよ。もう意味がわからない。絶望以外に、どんな可能性があるんだろう?

その後、今井さんは、自らの経験をもとに、孤立する10代の支援を始める。……って一行で書いたけど、それってどういうことなんやろう。さっぱりわからない。今井さん、あなたは何を感じて、何を支えに、生きてきたのですか?

打ち合わせを兼ねて、先週、三宮で初めて会って話しました。現在はステップファミリーとして、3人のお父さんでもある今井さん。その苦労の話だったかな。あるいは、何か関係ないニュースに絡んで「あいつも怪しい」とか勝手に騒ぎ立てられて事実無根の7000RTくらったことの話だったかな。あるいはテレビに出ただけで「目つきが悪い」とか「顔が気に入らない」とか叩かれたことの話だったかな。

「大変っすね」と言ったら、「まー、でも、イラクで人質だったときのに比べたら」と、本当にサラッと返事が。きっとそうなんだろう。

今井さん、ごめん、あなたが見てきた地獄を、あなたがいま見ている希望を、ぜひ聞かせてください。


<よく食べ、よく走るひと>

■今井紀明さん(認定NPO法人D×P(ディーピー)理事長)
札幌生まれ。高校時代にイラクの子どもへの医療支援NGOを設立するも、現地に渡航した際に武装勢力に人質として拘束されたことで大きなバッシングを受け、対人恐怖症になる。その経験から、APU立命館アジア太平洋大学進学後に、経済困窮や家庭事情等で孤立しやすい10代を支援するNPO法人D×Pを設立。登録者10,000名超のLINE相談「ユキサキチャット」等を運営。神戸在住、ステップファザーの顔も持つ。


▶ちなみに乾杯は菊正宗、そして肴はたくあんスモーク…って和尚つながり!?

<今回もちゃぶ台で話すよ!>

<開催日時>
・2023年7月15日(土) 14:00-16:00

<開催場所>
ひょうご五国ワールド
〒650-0012 神戸市中央区北長狭通2-1-6 三宮三陽ビル2階
三宮各駅(JR、阪急、阪神、地下鉄、ポートライナー)より徒歩約3分

<参加費>
5,500円(税込・2ドリンク(兵庫を中心とした地酒 or ビール or ソフトドリンク)+テーマにちなんだ酒の肴つき)
※お子様連れOK!(託児はありません)
※小学生まで参加費無料(別途ドリンクなど注文の際は実費必要)
※今回は10代の参加希望者も多かったので学生は半額!(2,750円税込)

<お申込み>
https://forms.gle/qWxh82qK44T6fX5G8


(参考)前回の様子です↓

<ちゃぶ台トークですねん>

https://note.com/kanayukawa/n/nb984c9ff5009


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