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「徹子の和室」かな? テロワール・クレイジー龍力蔵元&日本食文化クレイジーな大学の先生は「自分の味覚を信じろ」と言った…ような気がする(飲み会だから覚えてない)

まじめに「参加者がいちばん主体的に学べる場」を考え抜いたら、「宴会」になりました。いやほんと。
突き抜けた「自由人」と酒を飲みながら語り合う月例会。初回となる6月、テーマは「酒を楽しむって、これでいいのだ」

<そんな企画時の思惑を大きく超えていく…>

ゲストは、土壌標本を見ながら酒を飲めるスペースを本社につくってしまったテロワール・クレイジー蔵元『龍力』代表・本田龍祐さん。そして、地域に根ざす食と酒の文化承継を追求したら管理栄養士から大学の先生になってしまった日本食文化クレイジー神戸大学大学院農学研究科准教授・山下陽子さん。聞き手は私。


■ 「徹子の和室」的な。

「偉い先生の話を一方的に聞く」というのは、いわゆる「銀行型教育」として、ブラジルの教育思想家フレイレ先生が「んなもんで社会が変わるかい!」と怒ったやつなんですね。私たちも、そういうスタイル飽きちゃってて。

で、どうやったらよりこの会が盛り上がるか……と考えて、神戸の旧居留地レトロビル6階にあるオフィスから、DIYで大学生とつくった六角形ちゃぶ台2台を持ち出し、行列が絶えない洋菓子TOOTH TOOTHの横を抜け、(かつて神戸出身の藤原紀香も結婚式を挙げた)生田神社につづく「生田ロード」を、私たちは会場の居酒屋まで運んでいったのでした。

<生田ロードのシンボル鳥居、右手がTOOTH TOOTH。ランドセルの50歳が私>


というわけで、当日はこのセッティングでスタート。なんか、徹子の和室的な佇まい。ともかくあとは私が徹子的に、クレイジーな二人のトークをさばくだけです。

<「宴会でトーク? 最高ですね!」と話に乗ってくれたゲスト。…だいじょぶですか?>


■ もっと自分の好き嫌いを信じる。

『龍力』5代目の本田龍祐さんは、「同じ米で同じ作り方をしたら同じ味の酒になる」という定説に違和感があったそう。いや、だってね? 酒造りしてたら、絶対に味はちゃうんです。どやったら、信じてくれるん? あ。つくってまえばええんか。そう思ったんで、つくったわけですよ。

<本田さん。話が面白すぎて、座布団に座ってる姿がどんどん落語家に見えてきた>

そこで本田さんは、狭いエリアで隣接する「社(やしろ)」と「東条」と「吉川(よかわ)」の3つの「山田錦特A地区」で、それぞれお酒を造ってしまったのでした。

<ラベルはモノリス(土壌の断面標本)。石の多さや色がぜんぜん違う>

本日の乾杯は、3種の飲み比べから。うーむ、ひとつは酸味強め、次のはバランスがとれている、おっこれは雑味が少ない。みなさん、どれがいちばん好きでした? 手を挙げてもらうと、それぞれ好きなタイプがぜんぜん異なるのがわかった。

本田さん曰く、それでOKとのこと。以前実験したら、魚料理店と、肉料理店、そして両方を扱う料理店で、好みがはっきり分かれたそう。つまりは、その日の料理に合わせて、そして自分の好みに合わせて、飲みたいの飲んだらええんやて。

<ぜんいん、せいかーい!>

驚いたのはこの3種、酸度とか甘辛度とか、「お酒の成分表示」としては、なんと同じ数値が出てくるそう。でもね、本当に、まーったく味が違うのだよ! そうなのかーーー。私たちはもっと、外的な指標よりも、自分の味覚や好き嫌いを信じていいのかもしれない。ついラベルの数値で判断しがちだけど、それは参考情報なんだねぇ。たしかに、身長も体重も体脂肪率も同じひとがいても、まったく違う人間だ!

ちなみに、3日3晩かけて話を聞きたい本田師匠(途中から落語家の師匠にしか見えなくなってきた)によると、「シンポジウム」という言葉、語源をたどるとギリシャ語の「一緒に楽しく酒を飲む」らしい。つまり、私たちは今日、めちゃくちゃシンポジウムやってるのだ。わーい!! 

<というわけで、この日のシンポジウム出席者のみなさま。ナイス・シンポ!>


■ 私たちはそうやって、生きてきた。

お酒だけじゃないよー。この日の一品目の肴は、「姫路ひねぽん」。播州の地酒・龍力にあわせて、お店が姫路の郷土料理を選んでくれました。知っとう? ひねくれたポン助…とかじゃなくて、ひね鶏(親鶏)を焼いてスライスしたのにポン酢をかけた料理。日本酒にとても合うの。
壇上とはいえ飲み会だし、まぁまぁ飲んでいるので、添えてある大根おろしとネギをまぜまぜして食べながら、栄養の科学に詳しい山下先生に、「日本酒に飲まれない飲み方」を聞いてみる。

<ポリフェノールと健康の研究で、たくさん受賞もしている大学の先生>

「えっと、そう聞いていただいたのに大変申し訳ないのですが、私も、お酒に飲まれるときは飲まれます。ごめんなさい(笑)」 って、まさかの謝罪スタート。「ただ、楽しく飲む工夫はあります」 

いわゆる「お酒に強い/弱い」は、酒を飲んだときに発生する有害物質を分解する酵素を生まれつきもっているか否かなので、頑張ってどうにかできるわけではない。でも、分解を促す工夫はできる。お酒と同時に「やわらぎ水」を飲む、分解を助けてくれる食べ物と食べる、腸の細菌を元気にしてくれる食べ物と食べる。今日のヒネポンに添えられている「大根おろし」も「ネギ」など、ピリリとするやつは、分解を助けてくれるのが多いらしい。

<以前、こんな記事に協力いただいたことも!>


というわけで2品目も、噂の「ウコン」をお酒と同時に摂って分解を促す実験で、この日だけのスペシャルメニューをお店が用意してくれました。(神戸といえば)ケンミン食品「カレービーフン」。これできっと誰も酒に飲まれなかった……はず!

<お店から料理の説明。絵面は、完全にただの飲み会>


山下先生が日本食クレイジーなのは、「ちゃんと、うまくできている」から。”日本の土壌の微生物とそこで育った人の腸内微生物”という切り口から考えると、土地の旬のものを食べ、ネギや大根おろしを添えるというような工夫もちゃんと受け継ぐと、まぁまぁうまくいくようになっているから。

たしかに、無理してわざわざ外国の菌を口に入れて、生きたまま腸まで届かせなくてもいいような気もする。「私たちはそうやって、生きてきた」から始まるのは、なんだか気が楽だ。

<…みたいなことを言った気もするけど、なんせ飲んでるからあまり覚えてない>



■ 後半はディナーショー形式で。

会の後半はディナーショー形式で、ゲストが参加者のテーブルをまわります。これは、主催する私たちが「セミナーとかって、実際はその後の飲み会の方が印象残ってたりするよね…」という、まぁ教育者としての敗北宣言みたいなものにまじめに向き合った結果、採用した形式です。
だって、その方がうれしない?

<テロワール・クレイジーの熱き語りを同じテーブルで!>
<「そういえばさっき聞きたかったこと」も、この機会に!>

そうやって、「2時間じゃ足りなーい」と言われながら、第1回自由人大宴会は終わったのでした。あー、飲んだし食べた! 何話したか忘れたけど、楽しかった!!

ちなみに今年の自由人大宴会は、私たちリベルタ学舎と、この「ひょうご五国ワールド」などを運営する株式会社ワールド・ワンとの共催。なんでかというと、「私たちも『郷土』をとても大事にしています。なので今回、みなさんの……というテーマに共感し……」 担当の沼能さんがめちゃくちゃ素敵に説明してくれたのだけど、えっと、酔ってたので覚えてません。ごめんね。

<入社三年目という沼能さん。メニュー考案までぜんぶ彼女のグッド・ジョブ!>


■次回は、大学学長の僧侶(釈徹宗さん)×イラク人質から10代支援(D×P今井紀明さん)が、飲み会に!!


第1回目をやってみて、わかったこと。

☑ 基本的にトークつき飲み会です。
☑ 後半は、ディナーショー感あります。
畳の座敷なので、0歳児や2歳児同伴、まったく問題なしです。
掘りごたつ式なので、腰が痛い人でも大丈夫です。
ソフトドリンクからも選べるので、飲めないひとも大丈夫です。
☑ 酒が入るので、ものすごく大事な少しのことだけ覚えて帰るかんじです。
☑ 土曜午後2時-4時なので、まるで白昼夢みたいな時間です。

というかんじです。もしご興味あれば、第2回目にどぞ!
7月15日(土)14時。もちろん兵庫県の地酒で乾杯から、スタートしまーっす。

<学生割引半額で決定したよ!>

【詳細・お申込】 https://lgaku.com/2023/05/27/2023jiyuujindaienkai/

ひとは「悩み」から自由になれるのか? 宗教は悩める人のためかと思っていたけど、2600年前に生まれた釈迦も、2000年前のキリストも、850年前の親鸞も悩んでいた。では21世紀にNHKなどでお悩み相談を受ける僧侶にとって「悩む」とは? あるいは、イラク人質として日本中からバッシングを受け、その経験から孤立する10代の声を伝え続ける今井さんにとって「悩む」とは? 当事者であり支援者でもあるふたりと、じつはクヨクヨしがちなホスト・湯川と、昼から飲みながら語りましょー。

〇 釈徹宗さん(僧侶/宗教学者/相愛大学学長)
大阪府池田市で360年続く如来寺住職として、地域の檀家ネットワークハブとしての寺を運営。古民家グループホーム「むつみ庵」や、その地域リハビリ実践を社会還元するNPO法人リライフ代表もつとめる。NHK『ニュース シブ5時』レギュラー等、テレビやラジオ出演は多すぎて不明。親鸞や法然等をはじめとする著作も多すぎて不明。『落語に花咲く仏教』で河合隼雄学芸賞受賞。2022年より相愛大学学長。

〇 今井紀明さん(認定NPO法人D×P(ディーピー)理事長)
札幌生まれ。高校時代にイラクの子どもへの医療支援NGOを設立するも、現地に渡航した際に武装勢力に人質として拘束されたことで大きなバッシングを受け、対人恐怖症になる。その経験から、APU立命館アジア太平洋大学進学後に、経済困窮や家庭事情等で孤立しやすい10代を支援するNPO法人D×Pを設立。登録者10,000名超のLINE相談「ユキサキチャット」等を運営。神戸在住、ステップファザーの顔も持つ。

▶【詳細・お申込】 https://lgaku.com/2023/05/27/2023jiyuujindaienkai/


(ちなみに第3回も申込受付中でーす)

<堀口さんはオンラインで熱く参加です。詳細は、同じページ




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