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「チームがうまくいくために必要な4つのP」-出口治明さんに、茨木駅のホームで1分間。

一緒に3歩あるけば、人類3万年分の歴史が流れ出る。同時代最高峰の知識人、ライフネット生命の創設者でいまAPU立命館アジア太平洋大学学長の出口治明さんのことを、私は勝手に、『歩く人類の叡智』と呼んでいます。

先日、立命館大学大阪いばらきキャンパスでインタビューさせていただいた後、茨木駅で新大阪へいく快速電車を待つホームで伺ったお話を、共有しますね。たぶん、人類共有財産にした方が良いから。


▶1つめの"P"=Purpose

「チームがうまくいくために必要な第1のPはね、『目的』です」

つまり、いわゆる「ビジョン」なのだと思います。私たちの組織は、何のために存在するのか。どこの誰を、どのように幸せにして、どのような世界を実現していくのか。そんな目的。

いやいや、目的ない組織なんてないでしょ? と、起業界隈しか知らない私は思っていたのですが、あるんですね。目的がない組織が。正確に言うと、ビジョンがない、あるいは、あってもメンバーに共有されていない組織が。しかも、わりとあちこちに。

世界をもっと幸福にする! というビジョンがない組織は、目的が「組織の存続」だけになります。そういう「目が外に向いていない組織」では、メンバーも、自分の仕事を、社会に価値を生むためではなく、組織内で評価されるためにするようになりがち。そういう内向きの閉じた組織って、すぐに腐るよね~。

チームがうまくいくためには、何よりも、外に開かれた「目的」(ビジョン)が必要。たぶん、そういうことかと。


▶2つめの”P”=Peer

「第2のPは、『仲間』

チームだもの、仲間が必要。当たり前……みたいだけど、実はけっこう大変なことだと、「自律分散型社会のチームビルディング」を実験的に続けて7年目の私は、現場の肌感覚として思っています。

いっこ掘り下げると、もっとも重要なのは、「当事者だけが仲間であること」、つまり「チームの全員が当事者としてコミットしていること」。

みんなが自分事として「よっしゃあ、やろか!」と盛り上がっているときに、もしもうっかり「お奉行様」とか「お客様」とか「お手伝いさん」とかが紛れ込んでいると、「わしはそんなの聞いとらんおじさん」「ちゃんと説明されてないんですけどおばさん」「どうしたらいいんですか若者」とかがワラワラ出現してプロジェクトの進行を止めます。

当事者意識をもつひとだけがメンバー(仲間)であることは、チームがうまくいくために、ものすごく大事。

※ちなみに私は、たくさんの失敗から、「弱みが最強のチームをつくる」と考え、実践しています。TEDxの動画もありますので、もしお暇でしたらどぞ~
https://youtu.be/IBrUxfKQdEA

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▶3つめの"P”=Passion

「それからパッション、情熱ですね」

さあ、内面出てきたぞ。「情熱」って、「情熱もやしていけよ、ウルァ!」と言われたって、出せませんよね。では、チームメンバー全員が情熱をもってコミットできるようになるには、どうしたらいいか。

それぞれのひとにとって、情熱をもやせること、つまりそれぞれのやりたいことと重なり合うことが、そのチームでの仕事になっている、という設計をすることなのだと思います。

(手前みそになるけど、ウソがないので許してね) だからリベルタ学舎で企画運営をする個人のチーム「未来なりわいカンパニー」では、まず、そのひとのビジョンとミッションをきき、リベルタ学舎のビジョンとミッションを重ね合わせ、「んでは、ひとまずこれだけの期間、このプロジェクトに関して、これだけコミットしましょか」という約束(アライアンス)をします。内容は、短ければ毎月、変えていきます。

それぞれが「そのチームにいると、自分がやってみたいことが、よりできるようになる!」と思えるくらいじゃないと、情熱なんてもてないもの。メンバーに何かを「やらせる」チームで、情熱もってやれなんて、ムリ、ムリ。


▶4つめの”P”=?

「そして4つめのP、なんだかわかります?」

ここでまさかのクイズ! 私は答えられなかったのですが、想像つきますか? 

……答えは、「Play=遊び」でした。

出口さんと何度も話しているのですが、近代になって工場ができて、「質の良いものを、大量に生産して、売る」という工場モデルが主流になった。その場合に生産性を上げることは、効率を上げること、無駄を極限までなくすこと。

機械は24時間動くので、それにあわせて人間も8時間勤務の3交代制。機械にあわせて決められた仕事を黙々とこなして、家に帰って「メシ、フロ、ネル」の最低限チャージで自分の労働力を再生産して工場へ。文句言わず従順にトータル24時間戦えるジャパニーズ労働者が、近代工場時代の世界経済でジャパン・アズ・ナンバーワンになりました。Yeah!!

しかし1995年にコンピュータにより第3次産業革命が起こり、2011年にはIoTやAIで第4次産業革命が起こります。近代には土地・生産設備・労働力が三大資本とされていたけれど、モノを再生産するための限界費用は0に近づく。かわりに、アイディアやクリエイティビティが価値となる。それが現代です。


ではどうやったら、現代における価値の泉源である、「アイディア」が生まれるか? おそらく「ふと、思いつく」ためには、ゆったりとした気分で、何か余計なことをしていたりする方がいい。「1時間でこの2000ピースパズルを完了させよ」という時間内にアイディアは出て来なくても、「1時間まちをブラブラする」あいだならアイディアは出てくるかもしれない。

Play=遊びというのは、たぶんそういうこと。近代までのチームには不必要(つか、邪魔)だったけど、現代でチームがうまくいくためには、きっと必要になってくる。

ビジョンをもち、それに向かって情熱的に、遊ぶようにワクワクしながら生きる。そして、同じような仲間がいる。……チームって、最高じゃん!(本来)


で、ね、すごいでしょ? 出口さん。これ、茨木駅のホームの3分間での話なのだから(いや、1分くらいかも)。以前のインタビュー記事もあるので、ご興味あったらどぞです!(※2年前のイベントの告知入ってるけど無視してね)
http://nariwai-kobe.com/?p=1780

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