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【吉田拓郎】どうしてこんなに悲しいんだろう

吉田拓郎という人は、結構個人的に大事な人だったりするのですが、今回はそれは置いといて、「どうしてこんなに悲しいんだろう」です。
名曲!!!
名曲という言葉の上があるんだったらそれ!!

『悲しいだろう みんな同じさ
 同じ夜をむかえてる』

まずこの出だし。
悲しい、けれどそれは皆同じである。
同じ夜を迎え、同じ悲しみを味わっている。
"僕"は、それを分かってるんですね。でも、例え皆が同じ悲しみを持っているとしても、 "僕"はやっぱり悲しいのに違いはないわけで。

『このむなしさは誰かに逢えば しずまるかい
 こうして空を見あげていると
 生きていることさえ むなしいョ

 これが自由というものかしら
 自由になると 淋しいのかい』

次にここ。
悲しくて、むなしくて、淋しくて、なぜか涙が出る。
……分かるだけにこちらまで泣きたくなります……うぅ……

問いかけておきながら、やっぱりむなしさも、他人に逢ってもしずまらないと分かっている"僕"。
空を見上げていると、生きていることにさえ意味が見出だせなくなってくる、そして、生きていることで何かあるんだろうかというむなしさ。
そのむなしさも『自由』というものが生み出すものだと、"僕"は気づきます。
あんなに熱望し、掴むのに必死になった『自由』なのに、それが手に入った今、こんなにむなしい。

けれど、"僕"は思います。

『やっぱり僕は人にもまれて
 皆の中で生きるのサ

 人の心は暖かいのサ
 明日はもう一度ふれたいな』

やっぱり自分は、人と生きていく、生きていきたいんだと。
そんな決意表明。
人の心の暖かさを"僕"はちゃんと知っていますし、これからもそれを確かめ続けていくのだということが伝わってきます。

しかし、ここまで言っていて、やっぱり"僕"は人に対して心を閉ざしている部分もあるんですね。

『一人ごとです 気にとめないで
 ときにはこんなに思うけど
 明日になるといつもの様に
 心を閉ざしている僕サ』

弱味を見せたくない、心を閉ざす"僕"。
一人ごとだから気にしないでほしい、ときには弱気なことも思うけど、本音を他人に見せたくない"僕"。
これはきっと、吉田拓郎だけじゃない、私だけじゃない、きっときっと、多くの人の姿だと思うんです。

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