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誹謗中傷を考える。

なんていうか、結構話題になっているのでご存知の方も多いのではないかと思いますが、この2つの記事を読んで思わず書かずにいられなくなったので、考えたことをつらつらと書いていきたいと思います。


▼人に対して「◯ね」と軽々しく言えてしまう不思議

まず、1つ目の件に関して軽く説明します。

芸人のやすこさんが投稿したリプ「生きてるだけで偉いのでみんな優勝です」に対して、問題のタレントさんが「お前は偉くないので、◯んでくださーい 予選敗退です」と引用リツイートしたと。

…もともと私、彼女のことはあまり好きではなかったので、番組とかは一切観てないんですけど、このツイートが流れてきたときは、「ああー」と思いました。

別垢を持っていて、その別垢でつぶやいたつもりが公式のアカウントの方だったんじゃないか、なんて言われていますが、後ほど所属事務所から「別アカウントはありません」という発表もされていたみたいですね。
(もしかしたら別垢は持っていたけど消したのかもしれませんが)

なんにせよ、人に対して使う言葉ではないですよね。

別垢に投稿するつもりのものを誤爆したのではないのだとしたら、もしかしたら本人としては、冗談のつもり、お笑いの延長線と捉えて投稿したのかな、とも思います。
たまにいますよね、冗談と明らかにそうでないものを履き違えている人。

また、個人的にかなり気になっているのが、彼女の遅刻癖やいろんな場面でのルーズさから、「発達障害なのではないか」とか、「発達障害の人はこういう暴言をする人だ」というような意見がTwitterなどで散見されていることです。

そもそも診断されているわけではないのだろうし、医者でもないのになぜそう言えるのかと思います。

そして、一緒にしないでほしい。
仮にそうだったにせよ、発達障害を抱えながらでも、努力しておられる方はたくさんいらっしゃいます。
もしも、もしも彼女が発達障害だったとしても、これは本人の性格や育ちの問題だと思うんですよね。

いくらなんでも、人に向かって「◯ね」なんて言いませんし、目上の方にタメ口をきいたり、遅刻してヘラヘラしているって、ちょっと…。
個性を履き違えているのでは?と思います。

他者に対して、前述したような暴言を吐くのは誹謗中傷であり、犯罪です。
言われた側のやすこさんは大変傷ついたと思いますし、謝ったから許されるわけではないレベルのものです。

▼頑張った選手にかける言葉じゃないよなあ

そして、ふたつめ。

私、恥ずかしながらあんまりバレーには詳しくなくて、オリンピックのときにバレーの試合を見るくらいなんですが、今回の試合は凄かったなあと思ったんです。

世界ランキング2位のイタリア相手に最後まで喰らいついて接戦を繰り広げて、すごいなあ、たくさん悔しい思いをして、たくさん練習を重ねてきたんだなあと思いました。

これは他の競技にも言えることですが、オリンピックに出る。
そのことだけで十分すごいと思いますし、あんな大舞台で本来の力を発揮するって、並大抵の精神力じゃできないと思うんです。
そして、これまで積んできた努力も。

結局、誹謗中傷する人はそういう想像力がないだけ。
激しい言い方になりますが、「じゃあ自分がやってみろよ」と思います。
人間だから、ミスをしてしまったり、万全の状態でないときでも戦わないといけなかったりすると思うんです。

その中で、あれだけの試合をするって本当にすごいことだと思います。
私はそう思っています。

▼個人の尊重=私も大事にされる


ここまでつらつらと書いてきましたが、インターネットが私たちの生活の一部となり、情報の発信と共有が瞬時に行える時代となりました。

しかし、匿名性が高いが故に、誹謗中傷や悪意のあるコメントが広がりやすくなっているのも事実です。
ここで軽く、誹謗中傷について書いておきますね。

誹謗中傷…「誹謗」と「中傷」に分けられる。
誹謗とは他人への悪口や罵りを意味する言葉で、中傷は根拠のないデタラメという意味。


ここからは、なぜ誹謗中傷をしてはいけないのかを考えたいと思います。

1. 人権の尊重

人は誰しも、尊重されるべき存在です。

それに対して、誹謗中傷は他人の人権を侵害する行為で、言葉の暴力は物理的な暴力と同様に深い傷を残します。

軽い気持ちで放った言葉が、人を精神的に追い込み、最悪の場合、自死に至るケースもあります。
他人を傷つける行為は、決して正当化されるべきではありません。

2. 法律による保護

誹謗中傷は法律で厳しく取り締まられています。
つまり、誹謗中傷は歴とした犯罪なのです。

名誉毀損
名誉毀損とは、特定の相手に対して社会的評価を低下させる情報を公の場で発信する行為のこと。
この場合、発信した情報が事実だろうが虚偽だろうが関係はない。
名誉毀損罪は親告罪のため、被害者が被害を訴えて初めて罪となる。

侮辱罪
侮辱罪とは、相手に対して公の場で侮辱的な発言をする行為のこと。
名誉毀損との違いは、社会的評価に関わるような内容でなくとも罪になるという点。
具体的には、身体的特徴を馬鹿にする発言などが該当する。

脅迫罪
脅迫罪は、前述の「◯ね」のように、相手の命や健康を脅かすような発言が該当する。
インターネット上で殺害やケガを負わせるとほのめかす言葉を使うと、脅迫罪となる。
脅迫罪は、他人の目が届かないメールやチャットなど1対1のやりとりも対象になるため、LINEやSNSのダイレクトメールでも脅迫罪は成立する。

脅迫罪は、名誉毀損や侮辱罪と違い、被害者による訴えがなくても罪となる。


日本では、名誉毀損罪や侮辱罪が適用されることがあり、違反した場合には罰金や懲役刑が科せられることがあります。

3. 精神的な健康への影響

前述したように、誹謗中傷の被害を受けた人は、精神的な苦痛を感じ、時には深刻なうつ状態や自殺に追い込まれることもあります。

相手の立場に立ち、その影響を考えることが重要です。
SNSの場合は、気軽に投稿できるツールであるが故に、自分が言われたらどう思うか、人がこの投稿を見たらどう思うかを考えて投稿するべきでしょうね。

言葉は時に鋭い刃となり得ることを忘れてはいけません。

4. 社会の健全な発展

誹謗中傷が横行する社会は、不信感や敵対心が蔓延し、健全なコミュニケーションが難しくなります。

顔をつきあわせたやりとりであれば、相手の表情が見えますね。
相手の反応次第では、大体の人はそれ以上の攻撃を控えるでしょう。

しかし、SNSでは匿名ということもあり、抑制が利きにくくなります。
故に激化するわけですが、死を選ぶほど人を追い詰めることが横行する現状は、社会病理と言えるでしょう。

5. 自己成長の機会を奪う

また、誹謗中傷を行うことは、自分自身の成長の機会をも奪うことと感じます。

誹謗中傷に夢中になるということは、他人を傷つける言葉を発することにエネルギーを費やす代わりに、自己研鑽に励んだり、日々の楽しみに目を向ける機会がおそらく減るでしょう。

しかめっつらをして、誰かに嫌な言葉を書いている時の自分の顔を想像してみてください。
きっと、とても、醜い顔をしています。

そしてその積み重ねが、年齢を重ねたとき、顔や態度に必ず表れます。
すごく勿体無いと思いませんか。

そんなことをしている暇があるなら、ポジティブな行動や言葉を選び、自分自身の成長に繋げたり、楽しいと思えることに時間を使ったほうが、うんといいと思います。

▼まとめ

インターネットの普及により、誰もが情報発信者となれる時代ですが、その自由には責任が伴います。

誹謗中傷は他人を傷つけるだけでなく、社会全体に悪影響を及ぼす行為です。
私たち一人ひとりが他人を尊重し、健全なコミュニケーションを心がけることで、より良い社会や世界になると思います。

そして、ほどほどに他人に無関心でいましょう。
誰かの行為に一喜一憂して誹謗中傷をするよりは、いい意味で自分のことに熱心でいる方が健全じゃないかな、と思います。

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