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vol.16 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2』

「新しい言葉は常に生まれ続けるからね」(p.53)


それな。


若者言葉についていけない今日この頃。


言葉の意味ってどうやって生まれているのか、改めて思い出した。



人間の言葉の特徴として、言葉は恣意的だと言われている。


言葉(ものの名前)と意味には、関係がないということ。

人が📕を見て、「ホン」と呼ぶのは、人間がそう呼ぶと決めたから。



また、言葉の定義は言葉でしかできない。


だからこそ、言葉には色々な解釈が生まれるのだ。


私が、ブレイディみかこ氏の『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2』を読んで考えた、言葉の意味を整理する。


①多様性

「誰かのことをよく考えるっていうのは、その人をリスペクトしてるってことだもんね」(p.31)


リスペクト」って素敵な言葉だなと。


多様性とは、考えが増えるということ。


たくさんの考えを理解できるって、私にとって、人間としての理想。



私が言葉に興味を持つきっかけも、世界には沢山の人がいて言葉通じれば交流することができるんだ、と気づいたから。



だから、自分と違う意見を否定したり、耳を傾けないのはすごく切ない。それは相手を傷つけるだけでなく、自分にもいつかその痛みが返ってくる。


誰のやっていることが正しいとか、誰の活動のほうが重要というわけでもない。互いを少し批判したり、疑問視したりしながらでも、それぞれの持ち場でやっていく。これもまた多様性なのだろう。いろいろと違う考え方を持ち、いろいろ違う活動をしている先生たちがいるからこそ、それぞれ違う個性や問題を抱えた子どもたちに対応できる。多様性のある場所は揉めるし、分断も起こるが、それがある現場には補強し合って回っていく強さがある。(p.57)


「多様性」とは相手をリスペクトすること。


簡単じゃないけど、人間にならできるはず。


②ノンバイナリー


本著で初めてこの言葉に出会った。

「ノンバイナリー」とは、男女とはっきりと区別することにこだわらない考え方。


性別とか肩書きって便宜上いいこともあるけど、それに縛られた行動や考え方になるのはもったいない。


「(中略)お前が言ってた、ノンバイナリー。俺はだいたいアイルランドに住んだこともないんだから、アイルランド人でも英国人でもないし、信仰熱心じゃないから、カトリックでもプロテスタントでもない。どっちにも属さない。別にジェンダーの話だけじゃないんじゃないの?」(p.60)


著者の旦那さんの台詞。


所属しているという安心感と所属に縛られない安心感。どっちもあると思う。


時代は土の時代から風の時代に移ったと言われている。

目に見えるものではなく、目に見えないものに価値のある時代になった。


多様性と重なるけど、AでもないBでもない、それってつまりCがあっても良いよね、っていうところに落ち着くのもアリなのかもと思う。


言葉は言葉でしか定義できない。


だから自分の意図したいことを言葉にするって意外と難しい



英語の代名詞についてのエピソードも然り。

「でも、『he』とか『she』とかで呼ばなきゃいけない場合はどうするんだ?」
「いや、ノンバイナリーの先生たちは『they』って呼ばれたいんだって。最初の授業でそう言ったよ。」
(中略)
「だろ?俺は『they』はおかしいと思う。1人しかいないときは1人だろ、やっぱり」
「うーん。理想的には、『he』でも『she』でもない呼び名があったらいいんだけどね。」
「ああ、米国ではすでにあるらしいよ。『ze』とか『ve』とか。前にテレビでやってた。」
(中略)
「けどさ、それぞれが勝手に自分の代名詞を決めるってのもなんか面白そうだよね。」(pp.53-54)


"he"とか"she"とかでは表しきれない「個」がある。

言葉は互いに意味を理解して初めて成立する。


だから伝わらないこともあるし、伝わるということは感動に値するのだ。


日本語は主語がなくても会話が成立する分、ノンバイナリーに柔軟に対応できると思った。


③リーダー


リーダーという言葉を聞いて、思い浮かべる人は何だろうか。



小学校で、元気いっぱいで目立ちたがり屋の子がやる班長か。


就職活動のグループディスカッションで、テキパキとグループを管理する6大学の学生か。


はたまたミッキーマウスか。




著者の息子さんが語ったリーダーについて、とても共感できた。

「リーダーの資質」について、息子は「LEAD BY EXAMPLE」という言葉を挙げ、「言葉だけで指示するのではなく、自分がまずやって見せることが大事」と書いている。(中略)「導く(LEAD)ということは、前から引っ張るということだけではなく、ときには一番後ろに立ち、後部が離れてしまわないように押し上げる(PUSH UP)こと」(p.77)


この部分を読んで私が思い浮かべたリーダー像は、ジャニーズグループのリーダーたちである。


嵐の大野くんを始め、ジャニーズグループのリーダーは、1番後ろから優しく笑っている印象だ。

かと思えば、パフォーマンスでグループを引っ張っている。


無言実行、だけど柔らかく温かさのある人。



太陽のエネルギーを情熱にも暖かさにも変えられりような人がリーダーになる時代なのかな。





最初の方と通して読むと、「他人の靴を履いてみる」という著者のメッセージがより落ちるかと。


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#多様性 #ノンバイナリー #リーダー #多文化共生

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