見出し画像

香港 / #4 マッサージ屋の選び方

次の日は遅めに起きて友達のポップアップに顔を出し、ラジオ収録があるという彼らに挨拶を済ませてから数年前に家族で香港に引っ越した友達とランチへ。

もうすっかり「香港の人」になっている彼から香港ベースであることの魅力を聞きながらやっとありつけた飲茶を頬張る。

自分のステイしているエリアよりも随分と大人びた雰囲気の中環にはメゾン系のハイブラント高級デパートが軒を連ねていた。

香港も東京と似て、エリアによって表情が全く違うのが面白い。

香港はそのテンポがもっと早いというか、高級デパートから10分歩いたら路地で野菜や果物を売る市場なんかがあったりする。

少し年上の彼からビジネスのことや家族のことを聞き、最近 友達と話す内容が変わってきたことに自分のステージの変化を感じた。

日本という自分にとっての日常から離れることで、タスクやコンフォートゾーンから解放され、視界がクリアになる高揚感は旅に出る醍醐味の一つ。

例えば移動なんかは日本だと何も考えなくても目的地にたどり着けるけど、海外では目の前にあることに集中する必要があって、タクシーの乗り方や地下鉄の切符の買い方など、コンスタンスに新しいことを学ぶ。

感覚が冴える気がするのはきっと無意識でいる時間が減るからなんだと思う。

少し周りを案内してもらい仕事に戻るという彼と別れて1人で散策。
昨日のショートブーツで学んだから今日はスニーカー1択だったけど、スケーター系のクッション性ゼロのスニーカーを1日中 履いて、やっぱり今日もふくらはぎが爆破しそうだった。

夕方にはもっと脚に優しいスニーカーを買うことにした。
店内で靴を履き替え、自分のスニーカーを袋に入れてUberでSOHOのエリアに向かう。

ホテルに帰って昼寝でもしたいところだったけど、なぜか部屋の鍵を友達にもらい忘れた私は、ファブリックマーケットに行った2人が帰ってくるまで外にいるしかなかった。

大好きなフライドポテトを片手に目的のものを探す。

マッサージ屋さんだ。
昨日の夜から今日は絶対に、絶対に、フットマッサージを受けるって決めていた。今夜も大きなグループディナーに参加する予定だったのでその前に1度リセットしたい。

しばらく歩くとバーの2階にマッサージのサイン。なんだか良さそうな気がする。

入り口にはメニューには50分で190香港ドル、日本円にして2700円。
外国人の集まるエリアだからもっと安いところはあるかもしれないけど、いいディールなのでドアベルを鳴らした。

中に入るとマンションの一室で、誰かの家のリビングでマッサージを受けるみたいな図になってたけど、経験から言うと外観や内装が仰々しいところよりもこういう一見「大丈夫かな?」ってところの方が安くて上手い。

ソファーに座って待ってると釣り人のようなベストを着た40代後半のニコニコした男性がやってきた。

それは間違いなく人生で一番のフットマッサージだった。

続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?