見出し画像

料理に対する二面性

カレーが好きだ。
スパイス料理が好きだ。

南インドカレーに魅せられてからというもの、カレーを毎日食べてる本物のカレークラスターの方々には及ばないが、専門店や気になるお店には、行ける範囲で少しずつ食べ歩いてきた。

私が好きな南インドカレーは、小麦粉を使わないサラサラのやつだ。
具材もリッチな豚やマトンよりも、
チキンと玉ねぎとトマトで作るシンプルなものや、
豆と野菜のカレーや、
挽肉を使ったキーマカレーが好きだ。
ライスに染み込んでスープみたいにサラサラ食べるやつがいい。

南インド料理をベースにしたカレー屋さんの多くは、カレーとライス以外にも、副菜が添えられていることが多い。

サラダだったり、ポリヤルやサブジと呼ばれる野菜のスパイス炒めだったり、アチャールやウールガイと呼ばれるスパイスオイルとビネガーで漬けたピクルスだったり。

ひとつのプレートの中で味付けやスパイス遣いのバランスを考えて並べられた料理たちは、色彩豊かで目にも楽しく、食べれば様々な組み合わせで味が変化して奥深く、食後は胸焼けしたりする事なく、程よい満腹感はあるが、身体がポカポカして消化に良い感覚。

スパイスには一つ一つ効能があり、素材の味や特性を引き出す効果もあり、より一層美味しく、栄養素もしっかり摂取することができる。

カレーは素晴らしい健康食だなと感じる。

そう、私はどちらかと言うと、ちょっと消化が大変な胃もたれするカレーよりも、
素材の味を活かすように最小限のスパイスと塩で味付けされた、お母さんのお粥のようなカレーが好きだ。

毎日食べたい優しいカレーが好きだ。

そんなわけで、フードでカレー出店する時も、その時の気候や季節やイベントの内容や客層に合わせて、お越しになる皆さんはこの日にどんなカレーが食べたいだろうか?ということを想像しながら献立を考えている。

家で研究や興味のために作るカレーも、そうでありたいと思っているし、自分の健康を考えて、ダールを煮たり野菜を煮たりすることもある。

基本的にはそういうカレーが好きだ。


しかし、私には料理に対する二面性がある。

どういうことかというと、
とてもじゃないが毎日そういうカレーを丁寧に作るほど、
毎日に余裕があるわけではないので、
毎日健康食を食べてるわけではないということだ。

LIVEやスタジオの予定が続けば、
スーパーやコンビニの惣菜も食べるし、
冷凍食品で済ませることもある。

LIVE帰りはラーメンが食べたくなり、
このご時世深夜にラーメン屋は開いていないので、
カップ麺やコンビニのチルド麺を食べる時もある。

仕事で疲れた平日は、
気分転換に簡単なつまみと一緒に飲む時もある。

冷蔵庫に残っていた野菜を適当に切って、
スパイスで炒めただけの簡単なものを食べることも。

邪道だと分かっていながらも、
その中に安売りのベーコンや、
魚肉ソーセージを放り込むこともある。

手っ取り早く酒のアテにするには、
そういう簡単なものの手軽さに助けられる。

忙しい時や、疲れてる時にちょっと飲みたいなんてのは、手間がかからないに越したことはないのだ。

飲んだ後にはインスタントの袋麺を茹でてラーメンだって食べる。

冷凍うどんを茹でて、生卵と醤油をかけただけのなんちゃって釜玉うどんを食べる時もある。


ヘルシーなスパイスカレーを作ったり、
好んで食べている私も私だし、

加工食品や冷凍食品で、
手早く簡単に済ませている私も私だ。


毎日丁寧な暮らしをすることは、
バンドも仕事も何足も草鞋を履いている私には到底無理なことだし、

毎日コンビニ弁当を食べて暮らすことも私にはできそうにない。


カレー好きで毎日美味しそうなものを食べていて、
豊かな食生活を送っているように見える私かもしれないが、
実態はそんな絶妙なバランスで保たれている。


ベースを深夜に練習する時はマクドナルドのハンバーガーが食べたくなるし、
ライブの打ち上げで飲みすぎて二日酔いになった日は、サンラサーの優しいダールマが食べたくなる。


食べたい時に食べたいものを食べるということは、
その時その時の自分の身体と会話ができているということだと思う。

身体が欲しているという信号は正直であり、
その時自分が必要としているものなのだ。

それは健康であるための栄養素かもしれないし、
シチュエーションかもしれないし、
あえての油や脂質かもしれない。

自分の心身の状態によって、
その時自分が必要としているものは決まる。

自分の身体と会話して生きるということ、
それが心も体も健康でいるための、
ちょっとしたコツだと思う。


私の料理には二面性がある。


健康でいたい、皆に健康でいてほしい、
丈夫な身体で元気で過ごしたいという自分。


簡単なもので済ませて、
時間を節約したり気分を優先したい自分。


その二面性とはバランスだ。
これからも身体の声に耳を傾けて、
うまく付き合っていきたいと思う。

画像1


ここまで読んでいただきありがとうございます。スキやシェアとっても嬉しいです!サポートしていただいた場合は、音楽やカレーケータリングの活動や、学びのための読書などに使わせていただき、また活動の中で感じたことをnoteで言葉にして、お返ししていきます。