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笑うときみは

笑うときみは


笑わないきみの笑顔を見たことはもうない

きみはいつも何気なく僕の影をついてきて

光に当たることなく道を歩いてきた

どんな方向からもさす光にきみは

泣いていた

初めての友達は僕の友達で

間接的にいつも話していた

笑顔で話すきみの姿は程遠くて

影のような姿が脳裏に浮かぶ

10の年が明ける頃

ぼくたちも2回目の卒業を果たした

みんな泣いて別れる姿に

つられて僕も、きみも、

その涙は本物なのか偽物なのか

ぼくにはわかっていた

初めて会った日からいくつ経った日だろうか

初めての給料で親孝行ができた

きみもなにかを訴えるかのような目で見てくるから

僕は君に指輪を買ったんだ

きみは笑ったんだ

その時ぼくはあらためて理解する

卒業式のあの日のきみは

血を流して泣いていたんだ

なんで笑わないのか

なんで指輪をつけてくれないのか

きみはぼくの手でもつこの世にはいないからだ

そしてぼくはきみの笑顔に誘われて

光にさされ

やみにさされ

泣いていくんだ

この世に光なんて存在しない

光は闇で、闇は漆黒だ

ぼくはずっと、きみの影を歩いていたのかもしれない