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週一回は出したいシリーズ:「聖王 終わりの移民」 2-1

【前書き】

皆様、お疲れ様です。
カナモノさんです。

連載漫画に考えていた企画を、今「小説家になろう」の掲載中です。
面白いと思っていただけたら、そちらも読んで頂けると嬉しいです。
https://ncode.syosetu.com/n2644iw/

少しの間でも、お楽しみ頂けていることを願います。


【聖王 終わりの移民】2-1
「ゲームスタート①」

作:カナモノユウキ


《登場人物》
・高瀬タケル(20)大学に通うヤマトの親友、自分勝手なところもある。
・大継ヤマト(20)タケルの親友、大学では友達も多い。タケルとは真逆な性格。
・町村ツカサ(32)聖王のプレイヤー、クリア回数5回。
・岩滑ソウ(17)聖王のプレイヤー、クリア回数10回。

聖王 終わりの移民

《~ゲームスタート①~》

ツカサさんから教わった情報は基本の戦闘技術、それと…〝斎〟と呼ばれる運営サイドの存在。
このゲームにも、一応【サイドミッション】が存在する。それには全て、〝斎〟が関わっている。

サイドミッションA:〝斎〟の特定。《得点:【アラヤの所持数増加】》

サイドミッションB:〝斎〟への協力。《得点:【鍵】》

サイドミッションC:〝斎〟をリタイアさせる。《得点:【選択肢】》

Aは凄く分かりやすいけど、問題はBとCだ。【鍵】って何のことなのか、【選択肢】って何の選択なのか…。
この2つは、その〝斎〟を見つけ出して聞き出すしかないんだろうな。
僕の最初の目標は、ツカサさんと協力して〝斎〟を見つけ出すこと。そしてツカサさんのリタイアに協力する。
その後、僕は勝ち残るが最終目標…って言葉では分かっているんだけど。
初見でそこまで出来るのか…正直不安だ、でも…負けたら死ぬんだよな。
やらないと終わるんだ、僕の全ても。

『 ゲーム開始マデ … 3・2・1 … スタート 』

目の前が急にゲームのような画面が広がった、右下には半径3メートルの地図、右上に三本戦。
それぞれヒットポイント、マジックポイント、スタミナか。ツカサさんが教えてくれた通りだ。
左上には使い魔の表記…僕にはいないから関係ないけど、左下にはウェポンメニュー。
僕の装備はナイフと錆びた剣…ここはナイフだな、錆びた剣で戦いに勝てる気がしないしな。
とりあえす…探索か、身をひそめるか。

「なんだ…地図に青い点、こっちに近づいてきている。」

僕が居るのは、サッポロファクトリーのフロンティア館と1条館の丁度真ん中、駐輪場の近くだ。
その駐輪場の奥、1条館の真下の方から…な何かが近づいてくる。

「はぁ~、腹減った…腹減ったよぉ~。」

僕の画面、つまり【造化の面】の内部ディスプレイに…〝危険〟と表示されている。
…今近づいているのは、プレイヤーの中でも危ない奴?
ツカサさんが僕の【アラヤ】を伝えたときに教えてくれた。

【サバイバー】能力:『生死に関わる危機に本領を発揮する』能力。

その本質は所持する者によって異なるが、〝勝てる〟か〝負ける〟かの線引きも教えてくれるって。
つまり…今僕が戦っても、勝てる見込みのない相手!

「おい~、居るんだろう…分かってるんだよ~。腹減ったからさぁ~…食べさせてくれよぉ。」

何を言っているんだ?食べさせてくれって言ったか?
いつの間にか緊張と恐怖で、足が動かない…。

――「いいかタケル、言いたかないがさ。俺は人殺しなんだ。21人、この手で殺めた。」
「…それは、知らず知らずにゲームで。」
「知らなかったとしても、事実は変わらない。人を造るために、人を殺した。そして親友を殺された。タケル、俺はもう嫌だ。自ら選んだのは俺だ、でもな…選んだからといって続けられるほど俺は強くない。」

13、ゲーム中に〝斎〟へリタイアを申し出て、受理されればゲームに関わる全ての記憶と引き換えに離脱出来る。

「俺は今回、このルールに全てを掛けている。こんなゲームから、早くおさらばしたいからな。」
「でもすべての記憶ってことは、その親友の記憶も…。」
「全て抱えて生きては居られないからな、アイツには悪いが…忘れたいのが今の俺なんだよ。」
「…〝斎〟を、見つけましょう。」
「その前に、肝に銘じて置けよ。このゲームを一度でもクリアしたプレイヤーは、漏れなく人殺しだ。一度殺めた奴らは、どんな奴であっても…強いぞ。」――

間違いない…気配とか口ぶりとか、それ以上にこの【サバイバー】という能力が。
今近づいているヤツを〝クリア経験者〟と教えてくれている!
開けた場所…逃げ道は、フロンティア館か1条館。どっちに行けばいい。考えろ、考えるんだ僕!

「太ももから食べようか、二の腕から食べようか…脇腹から臓物を引き釣り出して食べるのは…メインだからなぁ。」

ヤバいヤバいヤバい!絶対にヤバい!言っていることがもうヤバい!
もう影が見えて来た、声もどんどん近づいている!
…そうだ、フロンティア館のスーパー!あそこならきっと少しでも時間が稼げる!

「居るんだろう~、お前の美味しいお肉をよこせよぉ~!!…なんだよ、居たと思ったのに…あ~腹減ったよぉ~。
あ、ここの上にバーガーショップあるじゃん。とりあえずそこで腹ごなしかな…あぁ、早くトモダチ食いたい。」

――危ない、もう色々危ないよ。なんだよ、トモダチ食べたい!?
言っている意味からして狂っている、良かった…自動ドアの開閉音で行き先がバレかねないから。
柱の死角隠れてやり過ごせた…きっと腹が減ってその辺の洞察力も鈍くなっているだろうから…助かっ

「なぁ、お前何処から食べられたい?お前が腐っちゃう前に、決めてくれよ、オレ優しいからぁ。」

柱の陰から、ひび割れた髑髏のような頭と、むき出しの歯茎で形成されたヘルメットの男が…僕を覗いた。



続く


【あとがき】

最後まで読んでくださった方々、
誠にありがとうございます。

元々は漫画のネタなので、何だか説明が足りないなと感じつつも。
荒っぽくても楽しんでもらえるようにと。

頭を雑巾のごとく振り絞って書いてますm(__)m

完走まで頑張るので、応援して下さると嬉しいですm(__)m
何卒、宜しくお願い致します。

※面白いと思っていただけたら、こちらから続きが読めます。
https://ncode.syosetu.com/n2644iw/

では次の作品も楽しんで頂けることを、祈ります。
お疲れ様でした。

カナモノユウキ


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