どんな準備をしたら、願いがかなうのか。
願いを叶えるために、準備は必要不可欠。せいぜい1か月~3ヶ月くらいならギリギリ集中力をたやさずにいられるかな。計画を立てて、実行するための準備をする。
だけど、18年もの時間をかけて準備した人がいた。じわじわ相手を追い詰め、復讐をやり遂げようと。
”残酷ないじめをしてきたヤツラに復讐をする”とドラマの内容を読んで、残酷ないじめを知らなくちゃいけないと思うと、やるせないだろうから、見たいような見たくないような複雑な気持ちになった。
このドラマが、ネットフィリックスのランキングがいつも1位なのを見て、たくさんの人が同じ葛藤を勝ち抜いて観ているんだと感じて、私もって気持ちが強くなり、次の瞬間に『ザ・グローリー~輝かしき復讐』の”▶再生”を押していた。
いじめが趣味みたいな加害者たちに、おもちゃのように扱われていた高校生のときの主人公のドンウン(ソン・ヘギョ)。
体にも心にも傷を負っているのにもかかわらず誰も助けてくれない。高校を退学を決意したときも。自分に不利になると思った大人たちが、すべてドンウンのせいにして責任を押し付け合っていた。
一番傷ついているドンウンなのに。ケアすることもなく、面倒くさそうな顔を向けて、高校の青春も住む家も、なにもかも奪っていった。
このドラマで、残酷ないじめを何度も10秒とばしをしたけど、高校生の回想シーンが少ない。大人になってじわじわ復讐していくところに焦点が置かれているので、応援したくなる。
ドンウンが次にしたことは、工場でのバイト。生活が大変そうって思ってた私の心配は空気中に薄まって無くなった。そう思ったのは、ドンウンは事務所のPCで高校卒業認定試験を調べていたから。もう次の行動に出ている。
バイトで終わるつもりはないんだと強い決意が胸に刺さる。そして、大学生になって時給の良い家庭教師のバイトに変わった。
どうして学校へ行く必要があるのか、いじめの加害者のひとりの夢が「見栄えが良くて楽な仕事について、条件のいい男とキレイなときに結婚」することだから。
その子供の小学校の担任になり、子供を人質のようにしようと考えた。学校の先生って信頼があついし、水面下で取引しやすい。復讐するのにうってつけの職業だから、このために学校を出た。
18年もひとつのことに集中して準備するって気の遠くなる。ただ自分の心身と人生をめちゃくちゃにした加害者への復讐の準備をするって、すごい執念。
しかし、ドンウンだって人間だから、あきらめそうにもなるし、そこまですることかと思うときだってある。「笑っていると復讐を忘れそうなんです」
そんな話をするドンウンは、不運にも加害者から選ばれて、辛い目に合ってしまったが、本当はどこにでもいるような、カフェのドリンクの写真をSNSにのせて「テスト面倒だね」なんてボヤいている女子高生だったんだ。
自分の幸せと引き換えに、笑わず、お腹を満たすためだけのコンビニおにぎりを食べ、贅沢も楽しみも目もくれずに生きてきた。気を抜いてはいけない。復讐をやりとげられないから。
私の人生で、ここまでひとつのことに集中して、やりとげたことがない。短大生のとき、友達とプールに行く約束をしたから、3日間なにも食べないでマイナス3キロのダイエットに成功して、ビキニを着れたくらい。
何者かになろうと、習い事をしたり、セミナーや朝活に行ってみたけど、「あ~楽しかった」で終わり。極めようと思わなければ、続けようとも思わなかった。
ドンウンは、自分を律して、たんたんと復讐のための準備をしている様子をみて、やりたいことがある人の心は、決めたことを成し遂げるところにあると思った。
私がふわふわしているのは、あれもいいかも、これもステキ、ってコロコロ変わってしまうから。飛びつく割には続かない。これが通常の状態になってしまった。
皮肉だけど、ドンウンは忘れたくても忘れられない記憶と体の傷がある。そのたびに心を引き締めているんだろう。絶対やってやるって。
絶対やってやるって思うこと、絶対叶えたいことは、いつも目にして忘れないように、そして、シンプルに考えて、時間をかけて準備する。
そして、相手より上手になるように目標設定をして、無理なく確実に。
これを思い知ったドラマだった。
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