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好きってこういうこと?

今回は連続ドラマ『未来への10カウント』のこと。

がんばらない、無理しないが主流の今、必死に練習して勝ちを掴み取る青春ボクシングドラマには驚いた。

このドラマで、辞めようと思えばすぐにでも辞められるけど、人に頭を下げてでも「続けたい」ものがある素晴らしさを久しぶりに感じた。


ストーリー
生きる希望を失っていた元ボクサーが、高校のボクシング部のコーチをすることになった。やる気のない部員、ボクシングに興味のない顧問の高校教師、コーチはお飾りだと本気になれない。進学校のボクシング部は必要ないと言われ、問題児の暴行事件、他の仕事の依頼。様々な壁を乗り越えて、1年後のインターハイ出場を目指して切磋琢磨する。


がんばらない、無理しない、が主流の今は、続けていくことがとっても貴重だと感じている。

情報が溢れて、便利なサービスが身近にあり、5年前には無かった仕事がたくさんある。その中で、興味があり縁があって始めたことも、数か月で飽きて別のことを始めることが珍しくない。

そして、次から次へと新しいことをしている人を、好奇心旺盛で、興味があることに正直に行動して、勘のいいチャレンジャーのようなかっこよささえ感じてしまう。人生、謳歌してるなぁって。


”新しいこと”を身に付けていくことがかっこいいなら、”続けていくこと”が少し価値が下がる気がする。だって続けていくのは、新しいことを始めてみるより簡単じゃないから。

続けることの最大の難関は、自分に負けてしまうこと。自分で決めたことを、続けられない事情や他の情報に心が奪われて、続けない選択をしてしまう。”それでも続けよう”って選択するためには、強い気持ちが必要。


もし、続けたいと思ったとき、どうしたらいいのだろうか。『未来への10カウント』で、そのヒントがあった。

これでもかー!っていうくらい、続けられない事情や問題が常に起きているのを見て「ボクシングを続けるのか?辞めるのか?って試されてるみたいだな」って思っていた。


ボクシング部の女子生徒は、離婚したお父さんが暴れに家に来る。たいした会話もせず、怒鳴って殴ってストレスのはけ口だった。翌日「私に人を倒すボクシングを教えてください」とコーチにお願いした。

今夜もお父さんが現れてお母さんと自分が殴られるんじゃないかと思うと、お父さんを動けなくさせるほどのパンチを、今すぐにでも習得したい。でも、人を倒すのがボクシングではない。

それを聞くと「辞める」と部室を出て行った。誰も救ってくれない、せっかくボクシングを習っているのに倒したい相手を倒せない。そんなんじゃ、鍛えてボクシングをやってる意味が無いと、自暴自棄になってしまった。

どうにかしようと思ったコーチと顧問は、女子生徒の家庭の事情を調べて、現れたお父さんと直接話し合った。ひとりでお父さんと戦おうと思ってたけど、コーチが仲裁してくれたことで大きな問題が解決した。


先生や仲間って冷静に自分を見てくれる存在。問題を明確にしてくれたり、やりたいことができるようにアイディアを出してくれたり、悩みまくってる本人には思いつかないことをアドバイスしてくれる。

いつも一緒にいる先生や仲間は、女子生徒が毎日一生懸命に練習していることを知っている。だから、”そんなこと”でボクシングを辞めてほしくない。コツコツと積み重ねて強くなってきたんだから。

そうして日々を重ねていくうちに「負けたくない」という気持ちが芽生える。あれだけ練習したんだから、みんなに助けてもらってここまできたんだからと、ボクシングが簡単に手放せないほど自分の中で大きなものになる。


積み重ねたものを簡単に崩せないのが人間。私も、ずっと練習してきたダンス、毎日投稿したSNS、毎日掃除してる部屋。簡単にやめられないし、やめた後の自分を想像できない。

”続ける”ためには、毎日の積み重ねや1日30分でも集中した時間が必要。だから、”負けたくない”や”好き”という気持ちを味方につけて、胸を張れるくらいのレベルに達せるのではないだろうか。

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