現代版桃太郎 生誕編 第六話

高橋家の秘密

愛知県、南山大学小学校。明、大吾とは別に石川隆也は受験で合格していた。隆也は明、大吾とは別に友達がいる。入学式以前から。

『俺、高橋周平っていうんだ!』
『石川隆也です!よろしくね!』

他にも四人。友達ができた。

『岐阜からきてるんだよね?珍しくない?』
『そうだよね!』

周平『岐阜???、、もういなくなったけど、同い年のいとこがいてね、、』

隆也『高橋裕人、あってる?』

周平『え??なんで知ってるの?』
隆也『同じ幼稚園だったんだ!運動神経抜群で、みんなのお気にだった!俺はそいつふくんでね、四人でいたんだけど、、』

周平『後でちょっと来て』

放課後、裏で呼び出された隆也は、裕人の死のについて何かと聞かされた。隆也の手は震えていた。

同じように、明、大吾も、高橋賢太先生から裕人について聞かされる。

『実は、裕人は甥なんだ。あそこは家族で亡くなったってのは知っているだろ?死んだ父親は俺の弟。弟は県知事の秘書。将来は県知事の後を継ぎ政治家になるはず、、だったんだが』

裕人の話になり、大吾は興奮する。

大吾『えー、裕人の事知ってるんじゃん!』
明『そうじゃなくて、、何か知ってるの?裕人が亡くなったわけ』

賢太は下を向いて

賢太『言えない』

どうやら賢太は何か秘密を握っているようだ。

大吾『大人の事情ってこと?』
明『いや、なんで言えないの?甥だよ!知ってるんだったら言ってよ』

賢太『君たち、大吾君が言ってた大人の事情ってことがあるんだよ、親から教わったでしょ、今日はもう遅いから、早く帰えりなさい。。また明日ね』

夕日に照らされた作り笑いを後ろに、二人は教室を後にした。一人になった部屋。賢太は弟の写真を見た。

賢太『ひろ、、いい友達だね、、なぜ弟が』

『でも俺は長男だ。後2年の我慢だ。3年前に邪魔はいなくなっている。』




夕暮れ時、明と大吾は二人が思っている事を確かめた。なぜだろう。帰り道は宿題のこと、ゲームのことを考えるのに、なぜか裕人の事で頭がいっぱいだ。

名古屋駅の改札。小さい体は、大きい魂の抜けた動いている何かをかき分けている。ただ人でだ。周平は先の電車で帰ったらしい。隆也は快速電車に乗り、景色を見ながら、裕人のことを思い出す。だが隆也は少し笑みをこぼしていた。悲しい顔は一歳せず、短い回想を終え、勉強に入った。

『多分、、当たり前だったのかもしれない』

そう、隆也は秘密を知っている。幼稚園で仲が良かった人が殺された訳を。ただ考え方は同じ幼稚園で共に過ごした大吾、明とは正反対のものだった。

翌朝


明『高橋賢太先生、、最初はびっくりしたけど!めっちゃいい先生じゃん!』
大吾『宿題少ないし、他のクラスのみんな羨ましがってるって!!』

その会話を、遠くで聞いていた、ひとりの美少女が

『高橋賢太、、なんで大吾の担任に??、、』

『大吾を守りたい、、あの日のように、、』

クシナダの声だった

                  続く

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