現代版桃太郎 生誕編 第八話
計画当日(土曜日)
朝8時、桃太郎と賢太が電話しているのをよそにクシナダは家から出た。クシナダはてっきり隆也と遊ぶ事を利用していると考えていたものの、計画が大きく変更されていた。
実は隆也が前日に体調不良を訴え、遊びについては辞退していた。これに激怒した桃太郎はついに裕人の時と同じように明と大吾の家族抹殺に出る。
クシナダが家を出て、すぐの公園でひとりの男の子が泣いていた。
『どうしたの?』
クシナダが声をかけでも、何も答えない。さらに逃げていこうとしたのだ。しかしクシナダは腕を掴んで男の子を引き止めた。すると
『あなたの手、どこかで触ったことある気がします』
小学生くらいの体にしては、深い声でこう答えた。
『あれ?私もみたことが、、あ、隆也くん!!』
隆也『あ、恵さんだ!久しぶりです!』
クシナダ『え、、みないうちにおおきくなっねるw』
隆也『160はありますよ 声もなぜか変わりました、、小一なのに、、』
クシナダ『それはそうと、なんで泣いていたの?』
『僕の友達が殺されるんです。家族ごと』
クシナダ『まさか明と大吾のことだよね?』
隆也は頷いた。ここでクシナダは計画が変更された事を知り、号泣する隆也をだきしめた。
クシナダ『必ず助ける、、だから信じて』
明の家
ピーンポーン
いつものように、過ごしていると訪問販売らしい二人の男性がいた。明の母は無視していた。
明の母『明、こうやって知らない人はでちゃダメだよ、留守番しているときは、』
しかし、何度も音は鳴り止まない。家の外には車も置いてある。まぁ、そうゆう事であろう。
一時間経っても、一向に音は鳴り止まない。粘り負けした母が出てしまった。一本の電話がなった。
出先は公衆電話。対応したのは明だった。
『もしもし!明!!』
『え?隆也じゃん!!てかさ、何なのあれ?おれらを誘き寄せるってどう言う事?』
『いや!それについてだよ!!俺がゆっくり話すから、落ち着いて聞いてくれ!!』
『俺、あの計画を聞かされた時、熱があるって言って学校休んだんだ。でも嘘。俺が行かない事で計画を壊したかったんだ』
『それでね、計画についてなんだけど、僕を使って誘き寄せる計画からね、家族ごと拉致する計画に変わったの!それで裕人と同じような殺し方で、、明も死ぬ』
『てか11時からピンポンなってるよね?あれは俺が予め車はを用意したんだ。今は12時じゃん?あいつらは15分後に来る。』
『だから予め明、大吾の家族を乗せて別の場所に移動しようってわけ、ちなみに、恵さんもいる。あの先生!』
『今白のベンツが外に止まっているよね?見える?窓から』
明『見えるけど』
隆也『今すぐ来て!そこに!早くしないとあいつらは来るから!あ、今明のかーちゃんに変わるね』
隆也は母に変わった後、母からすぐに車に乗るように言われ、急いで車に乗った。家を出た曲がり角で怪しげな二台の車が通りかかった。間一髪だった。
その二台の車は明の家の前で開け、ピンポンを鳴らす。当然出てくるはずもない
『チッ、、多分居留守してるんだな、、』
桃太郎『明はたしか、シングルマザーとか言ってたな。ついこの前父と離婚して。車がないのもわかるよ。さぁ、、やろっか』
大吾の当日
大吾は、家にはいなかった。母は家にいたが、小学校の違う友達と遊んでいた。隆也が泣いていた公園で
すると、一台の怪しげな車が通り過ぎた。
賢太『止まってください!砂場で遊んでいる子ども、あれです!しかもうちの生徒もいます。』
『しかもラッキーですね、家に着く前に大吾がいるとは』
『やっちゃえばいいんだねー、、』
『いきますかー』
一台の車から、男が四人降りた。しかし公園には目を瞑った女の子がただ1人、実は大吾が片思いしている女の子だ。
『ねぇ君?この公園のどこかに大吾って子ども見なかった?池田大吾って言うんだけど』
女子『いや、、わからないです』
『いや、わからないはずがないと思うんだ、一緒に遊んでいたから』
女子『いや、本当にわからないです。』
というと、男性2人が女の子を車の中に連れ込んだ。
大吾は女の子の一瞬の叫び声に反応したが、もう車は公園にいなかった。大吾は事態に気づいて仲間を呼んだ。他の仲間も女の子が拉致される事に気付いていたが、自分も道連れに会うのが怖く、助けに行く勇気が出なかったそうだ。
全てを察した4人は、交番に直行した。
大吾は、女の子が攫われているのを報告した瞬間だった
火災発生!火災発生!岐阜県○○、火災発生
大吾の家に向かっている、明の家族、クシナダ、隆也の車。中では少し匂いがした。近づくにつれて、だんだん強くなっていく、、
大吾の家が燃えていた。
クシナダ『これって、、』
隆也『そんな、、』
中から女性の声が聞こえる
隆也『大吾のかーさんだ!!』
クシナダ『私が行く!!』
隆也『やめて!!』
隆也と、明の母が炎の海に飛び込もうとするクシナダを力強く抑えた。だが、守るべき人の母。実の母に近いような人を、このまま放って置けるわけにも行かなかった。クシナダは2人を倒し、火の中に身を投げ込んだ。
すぐに消防が来た。
隆也『女性が2人いるんです!!』
火の海。誰も見えない。そんな中、愛する人の母、最低な岐阜県知事の元嫁を助けるため、黒いものをかき分けて進む。すると丸い何かから声が聞こえた。
クシナダ『まだ動いている』
そう確信したクシナダは、丸い何かを抱えながら、
脱出した。クシナダも美しい顔に煤ができるほど、火の勢いは増していた。
この炎は、隣家に燃えうつり、大火災となった。
クシナダの怒りのように
続く
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