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【夏の連続厚顔無恥小説】第8回「道で声をかけられるのは不良か渥美清かそれとも……」

前回のおはなし


なんとか不良グループに奪われることなく、まだ僕の手にはよっちゃんイカがあった。せっかくなので、次に不良グループに会う前に食べてしまうことにした。

公園のベンチに腰掛け、よっちゃんイカをパクリと食べた。今日は色々なことがあったなと思い出しては、次々とよっちゃんイカを口に入れた。

やっぱりおいしいよっちゃんイカである。

すると、スーツ姿の男性が一人、まっすぐこちらに向かってくる。そしてピタリと僕の座るベンチの前で止まった。

驚く僕、しかしよっちゃんイカは食べ続ける。パクパク。

「急に失礼いたします。あの、私こういう者です」と名刺を差し出してきた。まさか、ついに僕もモデルデビューかと思い、よっちゃんイカを食べるのはやめないで、名刺を読んだ。

そこには『よっちゃん食品工業株式会社 広報担当』と書かれていた。

そしてその広報担当の方はこう言ったのだった!

「あなたに新しいよっちゃんイカのCMに出ていただきたいのです! あなたのように美味しそうによっちゃんイカを食べる人をはじめて見ました。どうかお願いします」

こうして、僕のCMデビューが決まった。パクパク。

8月28日は「テレビCMの日」

次のおはなし

「太陽のような明るい笑顔が素敵です」
【夏の連続厚顔無恥小説】最終回「どんな人にも幸せを」8/30をお楽しみに



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