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【夏の連続厚顔無恥小説】最終回「どんな人にも幸せを」

前回のおはなし


「7時になりました。ニュースをお伝えします」

「まずは、昨日から続いている、名古屋城の金のしゃちほこの飛び降り騒動ですが、警察と名古屋市の関係者がしゃちほこと直接話し合いを行い、なんとか飛び降りは回避されました。今後はしゃちほこの向きを変える、定期的に地上に降ろして、リフレッシュする等ストレス緩和策が必要との専門家の指摘もありました。
しゃちほこは『みなさんにご心配をおかけしてすみませんでした』とはなしているそうです」

「次のニュースです。秋田県のなまはげ村で数十年ぶりに新たな、なまはげが誕生しました。秋田県では厳格な、なまはげの管理体制をとっており、新しいななまはげが誕生することは大変珍しいことだそうです。さらにその新しいなまはげは、なんと東京出身の20代の若者だそうです。
なまはげ村の長は『数百年に一度の素晴らしい人材が現れた。これからの活動に期待したい』とコメントしています」

「ではここでいったんCMです」

♪ズンズンチャ〜

男が歩いてくる、軽快な音楽に乗って軽快なリズムに乗って近づいてくる。

その手には何かが握られている。赤い……赤いそれはなんだろう?

近づくにつれて、その顔はアップになり、赤い袋から何かをつまみ、口に含む。

「変わらないこの味を、変わりづづけるこの時代に」

美味しそうによっちゃんイカを食べる男。

みんなで食べようよ! よっちゃんイカ

「では、最後のニュースをお伝えします」

「長らく血液の病気を患い、都内の病院に入院していた10代の男の子に合う血液が奇跡的に献血により一定量得ることができ、その非常に珍しい血液を輸血することで男の子の病状は回復に向かっているという事です。
なおその非常に珍しい血液は五千万人に一人の割合で、日本人ではほぼいないと言われていました。
男の子の回復を病院関係者は喜んでいるそうです」

「これで本日のニュースを終わります」

8月30日は「ハッピーサンシャインデー」

「夏の連続厚顔無恥小説」は今回で最終話です。お読みいただいた皆様、ありがとうございました。

おわり

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