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6月15日は「オウムとインコの日」
「えーこちらは現場の山本です。こちらのお宅で飼われていたオウムのオサム君が逃げてから1週間が経過しました。依然として発見には至っていません」
「山本さん、逃げたオウムのオサム君ですが大人しい性格だったとの情報が入っていますが、もし見つけたりした場合はどうしたらよいでしょうか?」
「はい、万が一オサム君を発見した場合は、無理に捕まえようとはせず、警察に連絡してほしいとのことです。また、先ほど飼い主の方にインタビューしたところ、オサム君は大変に言葉をしゃべるのが上手だという情報も入っています。現場からは以上です」
「てゆうか、オウムってどうやって探せばいいんですかね?」と若い警察官が言った。
「そうだなぁ、まぁすぐに人に危害を加えることはないだろうから、その点は安心だけど、確かにどこを探したらいいか分からんな」と先輩の警察官は言った。
「はぁ、てかこれは我々の仕事なんですかね……。もうよく分からないです」付近の空を見ながら、若い警察官は愚痴をこぼした。
「やめちゃえ、やめちゃえ、いやならやめちゃえ! じんせいはいちどきり。すきなことをやろうやろう」
「え、先輩どうしちゃったんですか? そんな大きい声で言ったら集まっているマスコミに聞かれちゃいますよ」と慌てる若い警察官。
「もうねむいねむい、はーだるいだるい。そろそろごはんのじかん? ごはんのじかん?」
「先輩やばいっすよ!」と慌てて口をおさえようとするも、先輩は
「何言ってんださっきから。真面目に探せ」と怒る先輩。
そんな二人の近く、木にとまっていたオウムは飛び立っていきました。
「いつになったらしゃべるかな?」
「うーん、毎日言葉を言っていればそのうち覚えるかも」
「ささき先生は、ハゲ!」
「こら、やめなよ。怒られるよ」
「ささき先生は、かつら!」
「ねぇ、やめなってば」
なんて会話をしているのは、近くの小学校のあるクラス。先週からクラスでインコを飼い始めた。名前はオサム君。
「よし、ホームルームはじめるぞ」と担任のささき先生が教室に入ってきた。
「はい、号令!」
「おさむくん、おもうの。ささきせんせいは、はげ!」
「……」
「おさむくんすごくおもうの。ささきせんせいは、はげ!」
どこからともなくそんな声が聞こえ、クラスの子たちは一瞬固まったが、そのうち色々なところで笑い声が聞こえた。
「こら! 誰だ、朝から先生に変なことを言うやつは」とささき先生は、怒るにも怒れないなんともいえない感じで言った。
「やばいよ、オサム君がさっきの言葉を覚えちゃったんだよ」
「おさむくんはとてもしんぱい、ささきせんせいのあたまはつるつる。あたまつるつる」
またどこからともなく声がし、みんな大爆笑だった。
笑い声のするクラスのベランダにとまっていた、オウムは飛び立っていきました。
6月15日は「オウムとインコの日」
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