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5月22日は「サイクリングの日」

無駄にギアがたくさんついた、なぜか東京のど真ん中を日常的に走るのに買ってもらった自転車は「マウンテンバイク」だった。大人になれば分かるが、都会ではマウンテンほど高低差はなく、そこまでたくさんのギアは必要ない。それなのに友達のお兄ちゃんは左に三つと右に六つという、富士山でもそのマウンテンバイクで登るんですかと思うほど、たくさんギアが付いていた。男子の間ではいかにギアがたくさん付いているかがステータスだった。

そんな自転車に乗り、冒険をよくした。冒険といっても自転車で友達と自分たちの住んでいる町を少しだけ出るというかわいいもので、ルールは簡単。帰り道が分からなくなるのでひたすら決めた道をまっすぐに進むこと。子供のころは生活範囲が狭い。学校、家、公園を往復するだけの生活から、自転車を手に入れてから一気に生活範囲が広がった。自分が住む町から少し出ただけで、見たことがない風景が広がり。どこまででも自転車で行けそうな気がした。事実、友達は自転車で北海道まで行ったと言っていた。そいつは嘘つきで有名だったが。

そんな昔のことを思い出しながら、今自転車を漕ぐ僕は、あのころの冒険心もなく、このレンタサイクルでどこまでも行けるなどとは思わない。けれども久しぶりに自転車に乗り、普段は感じない風を感じると、あと少しだけ漕いでみてもいいかなと思う。

5月22日は「サイクリングの日」


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