見出し画像

〖短編小説〗1月4日は「石の日」

この短編は626文字、約1分30秒で読めます。あなたの1分半を頂ければ幸いです。

***

頭がどうにも重いと思ったら、石になっていた。

あまりの重さに、首が痛くなり、きちんとした姿勢が保てなくて大変困った状態だ。寝ている状態から両手でなんとか頭を押さえて座った状態へと移行できるはできるが、立つのが一苦労だ。立ったら前後左右にフラフラとふらついてとても安定しない。

人の頭は重いといわれている。確かボーリングの玉と同じくらいだと聞いたことがある。今ではボーリングの玉より数倍重いだろう。昔ボーリングをしたときに持った玉は相当に重かった印象がある。それ以上かと思うと、気持ちが滅入ることもたまにはある。

ところで石頭(いしあたま)という言葉をご存知だろうか?本来の意味は『ものの考え方が固定していて融通がきかないこと』を言う。私の場合は正真正銘、頭が石になっているのだから、この石頭がピッタリと合う世界に一人の人間だ。まさに私のためだけにある言葉だ。

なぜ石になったのかと疑問に思う人も多いはずだ。あなたみたいに私は頭は石にはなりたくないと思う人もきっといる。まぁ、この大変さはなってみないと分からないから、なんとも説明しがたいが、もしあなたの頭が石になってしまっても、悲観することはないと思う。頭が石になれば良いこともあれば、悪いこともある。それは人生なんでもそうである。石頭になる人生もあれば、ならない人生もあるということだ。

まぁ、もし石頭になってしまったらアドバイスは少しはできると思うので、連絡をいただけたらお返事いたします。

1月4日「石の日」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?