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#草花日記 03|アマリリスとストレリチア

今日は立春大吉。立春にまつわる話を・・・と思ったけれど、特に思いつかなかったので、いつも通り草花のことを。

今年にはいって、3回お稽古(いけばな)に行ったんですが、どの花材も持ちがよく、花が部屋に溢れています。その中でもひときわ目立つ「ストレリチア」と「アマリリス」。

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豪華絢爛とはこのこと。花の大きさもさることながら、とにかく派手な色、細部に至るまで輪郭や線がしっかりとしていてとにかく強そうで、存在感の塊。

造形がとてもアート的なので、ただのガラスの花瓶にざっくり入れているだけでも部屋にオブジェを置いているような、そんな風にも見えるこの2つのお花。今回は花の雑学については全く調べていないので、ただただ枯れゆく様子を写真でレポートします。


枯れゆく姿をじっくり観察する

花の頭が大きく、重さでうなだれるほど頭でっかちなアマリリス。

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また、オレンジと紫っぽいブルーが一つの花に共存するという不思議な花を咲かせるストレリチア。
ストレリチアは鳥が飛んでいる姿にも似ていることと色味から極楽鳥花とも言われ、冠婚葬祭、お正月などのめでたい席、テレビ番組のセットや旅館の装花などにもよく使われています。

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あまりに見事な咲き姿から一転、枯れ行く様は、盛者必衰をそのまま表したようでした。

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いけばなを習い始めた20代の頃は、枯れはじめて見た目が良くないなと気づくと、割と早い段階で枝葉を整理したり、捨ててしまっていて、その時のことを思い返すと、どこがどんな風に朽ちていったのかなんて気にも留めていませんでした。
今回改めて朽ちた姿を目にしたとき、「こんなところから枯れていくのか」とふと気づきます。

今までの自分は「枯れる」「朽ちる」に対して解像度が低い状態で、瑞々しい美にしか目を向けてこなかったように思います。それはまるで自分自身が年老いていくことに対する姿勢とも重なる部分があった。

いま、わたしは30代も半ばに差し掛かって、シワやシミがでてきていても、自然な老いをダメなものと決めつけなくなってきました。老いにプレッシャーを感じなくなったせいか、気持ちが少し軽くなっていて、枯れることに目が向いたのかもしれません。
「枯れたらどこがどう変化していくのか?」をしっかり見届けることにしました。


咲いたばかりのアマリリス。花びらの質感が織の細かな布のように光沢があり、まるで造花のよう。

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花粉がしっかりとついていて、雄しべ、雌しべの形状がユリのようでした。(実際、アマリリスは植物の系統としてユリなどと同じ部類なので、当然なのですが。)


しばらくすると、花びらの先から水分がなくなり、乾燥して枯れ始めます。

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花から色が抜け、おしべの花粉が取れてゆきます。

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先端に3つに反り返っている白い虫みたいなものがめしべ。わたしは正直、気色悪いなと思いましたが、近づいてよくよく見てみると潤い感ある光沢に卑猥さすら感じるフォルム・・・。アマリリス、ごめん。

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最後は、バサっと音がしたと思ったら、花の頭の重みに茎が耐えられず、パックリ折れていました。茎の中はフキのように空洞。なぜか中が赤かった。



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ストレリチアは色から容易に想像ができる、アフリカ原産の花。造形がアート的でおもしろい花だなと思いながら、いけばなで出会うまでずっと名前を知りませんでした。

咲き始めは背筋の伸びたパリコレモデルのような、スタイリッシュな感じ。(以下写真は、いけばなのお稽古の時の作例。もちろん、先生が手直し済みのものです笑)

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瑞々しく透き通っていたオレンジ色の花びらは、カラカラに乾燥してしまいましたが、色はあせず。全体的に茎や額部分はしっかりと水分があり、こちらはまだまだ丈夫そう。

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花びらが鮮やかなだけでなく、茎や花を覆う首根の部分もコーラルピンクっぽい独特な色。細部を観察すると気に留めていなかった姿が見えてきて面白いなと思いました。


花の美しさは、愛らしさや清々しさ、楚々とした姿だけではなくて、力強さや、禍々しさとか、醜さをも美しいというんだなと教えられた気がします。


ストレリチアはまだ少し元気そうなので、引き続きどうなっていくのか観察していきたいと思います。




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