自分の住む街を案内できますか?

今日は友人がわたしの地元へやってきた。
「おいでよ、」と言って、こんな交通の便のイマイチな山奥の街までわざわざ来てくれる人はそうそういない。かなり珍しいタイプの人だと思う。お人好しすぎて頭が下がる。

今回、地元へと呼び寄せた目的は別にあるのだけれど、ひとまず頭を悩ませたのは、「どこへ連れて行けばいいだろう……?」ということ。
目的以外の余った時間、せっかく初めて来てもらう場所だし、彼らの人生において2度目が来るかわからない場所。もてなしたい。せっかくだからもてなしたい。

自分の故郷、地元を案外知らないわたしたち

わたしの地元を案内をしたいと思って色々と考えたけれど、「温泉」以外に提案できる場所が思い当たらなかった。

東京に住んでいたわたしからしてみれば、東京はコンテンツモンスターだ。あれが基準になってしまうと、なかなか案内するに値する場所を選出することが難しい。

何を観光資源と捉えるかにもよるけれど、世の中の多くの地域は観光資源が無い。
有名な寺や庭園、ランドマークになる場所や名跡などの観光資源が無いのに、だいたい田舎の方は寺とか武家屋敷や古民家に意味を持たせようとしすぎてい気がする。

大した意味のないものをこちらの価値観で意味を持たせすぎて提案してしまう、「だから?」みたいな自称名所みたいなものが量産されすぎている、と思う。そういうものは興味のある人だけに伝わればいい。(正直わたしは城跡にはあまりテンションが上がらないけれど、歴史好きにはとっても面白いものなのかもしれない、みたいな話)

それより何より、地元の人たちにとっての日常でありきたりな風景に感動を覚える人だっている。「自分たちの日常が相手にとって非日常かどうか」この視点が案外大事で、お連れする相手の視点を持つことができれば、青々と茂った稲が光る田んぼですら案内に値するかもしれないし、波のない穏やかな凪の風景が美しい海(瀬戸内海のことね)だけでも貴重な景色に思ってもらえるかもしれない。

地元が案内できるか、悩んだけれど、受け取る側の視点をもう少し持って街を再定義してみると、面白いなぁと思った。

そして、最後は個人的な文句なんですが、観光をアピールする単位が小さいことが昔から気になっている。ガイド本にしても、Webであっても観光情報は自治体ごとに情報が分断されすぎているものが多い。

わたしの地元は兵庫県と鳥取県に隣接している隅っこの地域で、正直車でしか移動ができない地域だから、半径40kmくらいは余裕の移動範囲。
そうなると、兵庫県と鳥取県も足を伸ばせる範囲なのに、「岡山県」や「○○市」の範囲でしか掲載されなかったり、検索項目としても横断しておらず、カテゴライズもされていない。
ボーダーを設けなければいけないとは思うんだけど、その線引きの仕方をもう少し見直して見ても面白いのでは、と思った次第。

わたしも久しぶりに地元に戻って、青い空と、川の流れる音、虫や鳥の声しか聞こえない時間を過ごしてなんだか気分もスッキリした。
友人を連れて回る役目はうまく果たせたかわからないけれど、自分が楽しめたのでよかったです。(自己満足w)

#毎日更新倶楽部 #旅

\ありがとうございます!/ いただいたご厚意は、新しいチャレンジに役立てます!