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ママの会社から、ブランドへ

外資系投資銀行をやめて私が入った「ママの会社」はA.Y.Judie(エイワイジュディ)。母が2006年3月に創業し、今年3月で15年目に入る。

A.Y.Judieを立ち上げる前は、20年以上、雑貨店のバイヤーとして働いていた母。
日々出会う小物は、かわいらしい色や柄の女性向けのものか、機能に特化した男性向けのものが多く、働く女性がワークシーンで持てるものがない、と感じていた。

そんな中で「働く自分が持ちたいもの」を作りたいと感じるようになり、小売業から一転、製造業へ転身した。
経験もなく、知識もないなかでのものづくりは苦労も多く、立ち上げ当初は、作りたいものを作るというよりも、買ってもらえるものを作ることの方が多かったのではないかと思う。

実際、立ち上げ当初の商品はマイ箸ケース、かんざし、ティッシュボックスカバーなど、ワークシーンからはほど遠い商品ばかり。
それでも、器用な母が考える便利アイテムは、箸メーカーや雑貨屋さんに好評で大口の注文が来ていたので、当時カナダの大学に留学していた私も、夏休みに帰国する度に朝から晩まで手伝ったのを覚えている。

苦労する母をみながら、大学生活を送っていた私は2009年夏、のちに就職する外資系投資銀行で、インターンをすることになった。

東京の一等地。都心の風景が見渡せる高層ビルのオフィスに、新しく揃えたパンツスーツとハイヒールで出社。映画の主人公になった気分だった。

初日に渡されたセキュリティカードは、私もこのオフィスの一員なんだ、という大切な証明書のように感じたけれど、味気ないビニールケースに入っていた。
「もっとかわいいケースが欲しいな」とつぶやいた私に、早速母は花柄のカードケースを作ってくれた。

母からもらったケースにセキュリティカードを入れて首から下げたら、たったそれだけで、少し気分があがった。

A.Y.Judieのものづくりの根底には、働く女性としての母と私の体験と想いがある。

アートボード 1


■「ママの会社」に入るまでの経緯はこちら。


■ A.Y.Judieについて
働く女性のライフスタイルを「より便利に」、「よりオシャレに」。
ビジネスシーンを中心に、機能性に長けた小物を提案しています。


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