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長良川鉄道にまたまた乗つてきたヨ 前編

 いつもお読みいただき、ありがたうございます。玉川可奈子です。

 「私の人生にも、一度くらゐ幸せなことがあつてもよいでせう」といふ言葉、思ひがけぬ良いことがあり、あまりにも嬉しくて親しい仲間に言ひました。しばらく、楽しい夢を見ます。
 奇しくも、某革命戦士と同じ台詞でした。

 さて、今年四度目の長良川鉄道越美南線に乗りに行きました。

 好きだからこそ、何度でも乗るのです。そして、何度も乗ることで新しい発見もあり、さらに好きになります。玉川、「好き」とはさういふことだと思ふのです。

 どうか、最後までお付き合ひください。

23:00。バスタ新宿へやつてきました。行き先の案内はいつ見てもトキメキますね。さて、私が乗るのはどれでせう。
答へはパピヨン号です。今宵は小田急バスの車両でした。
座席は最後方の真ん中でした。後ろを気にせずリクライニングを下すとかなり深めです。日頃の疲れから、すぐに寝てしまひました。この前みたいに五月蝿いババアはゐませんでした。そして、コンセントも付いてゐます。今のうちに充電を完璧にします。
五時過ぎに目を覚ましました。そして、5:18。美濃太田駅に着きました。外はぬばたまの闇の中です。
ホームだけ明るく、なんだか幻想的な美濃太田駅。近いのファミマに行き、コーヒーと簡単な朝ご飯を買ひました。
少し早いですが、ホームに降りてみませう。始発列車は6:10に入線してくるはず。
空が明るくなつてきました。そろそろ来るでせう。
定刻通りに始発列車が来ました。ナガラ300形で307といふことは…。
食品サンプル列車でした。前に来た時はナガラ600形の601だつたので、密かに期待してゐたのですが、マアこれはこれでヨシとしませう。
素敵な椅子ですね。郡上本染といふさうです。
吊り革にも食品サンプルが飾られてゐます。郡上八幡に、食品サンプルを作る企業があることから、このやうな企画につながつたさうです。
先端にも食品サンプルが飾られてゐます。本物のやうなクロワッサン、こぼれたラーメン、食べたら胃もたれしさうな海老天の山ですね。
座席にも溢れた味噌汁が…。ちなみにこの食品サンプル列車ですが、近々生まれ変はるさうです。
6:26。始発列車が美濃太田駅を出発しました。車内はそれなりに乗客の姿があります。自転車と共に乗る人の姿も。写真は、戸籍で知られる富加駅です。
ここで列車交換。ネコロジーです。あの車両にはまだ乗ることができてゐません。
関市役所前駅のあたりです。けふは曇り空。重たい空気です。
列車は松森駅へ向かつて走つてゐます。
うだつの上がる街で知られる美濃市駅に着きました。玉川はうだつの上がらない女ですが。
今度はナガラ304とすれ違ひました。
湯の洞温泉口駅あたりから長良川が見えてきます。列車は母野駅から八坂駅へ向かつてゐます。
かつて半在駅と呼ばれた八坂駅。日本のド真ん中です。プロレス界のど真ん中はアレですが。なあ金沢。
八坂駅を出発すると、すぐに橋を渡ります。第二長良川橋梁です。水は透き通つてゐますが、流れが急です。
みなみ子宝温泉駅です。休業中の貼り紙が悲しい。イーロン・マスクのやうな金だけはある人が買つてくれたら良いのに。露天風呂が心地よく、サウナも私に合ふ素敵な施設でした。
円空の故郷、大矢駅に着きました。
列車を降りて撮影。向かうの野に立つけぶりは、なんでせう。

面白き 野をばな焼きそ 古草に 新草まじり 生ひば生ふるがに 『万葉集』巻十四・三四五二
ここで列車と交換しました。ナガラ306です。
美並苅安駅近く、長良川が大きく蛇行します。
第三長良川橋梁を渡ると、赤池駅です。
橋の上から見る長良川も見事です。
赤池駅に着きました。田舎の小さな駅です。
赤池駅を出て、すぐに第四長良川橋梁を渡ります。橋に柵がないとスリルと迫力がありますね。
間もなく長良川を渡り終へます。柵がないと、景色がよく見えるのが良いですね。
列車はトンネルを駆け抜けて行きます。
しばらく人の気配のない鉄路を進み…。
遠くに数軒の民家が見えてきました。
深戸駅に着きました。もの悲しい冬の駅、ホームには誰もゐませんし、ここで降りる人もゐませんでした。
駅舎には、当時の風情を伝へる趣が残つてゐます。木でできた改札に、都会の無機質な自動改札機にはない、素朴な何かが感じられないでせうか。
深戸駅を出て、しばらく川沿ひを走ります。流れは早く、しかし清い長良川。けふは魚を釣る人はまばらで、川の中に遊ぶ魚の姿は見えませんでした。
サア間もなく郡上八幡駅に着きます。
郡上八幡駅に着きました。ここで列車交換。パーシモン美濃里が来ました。玉川、一推しの車両です。
自然園前駅を出てすぐ、長良川の近くを走ります。よく見ると、左上にとんび?がゐますね。
列車は自然園前駅あたりを走つてゐます。まるで山が息をしてゐるかのやうに、白妙のもやがかかつてゐます。
郡上大和駅に着きました。ここでは列車交換することなく、すぐに発車しました。
美濃白鳥駅でも列車交換はありませんでした。
間もなく北濃駅です。72.1キロにわたる越美南線の終着駅に着きます。
私のやうな鉄ヲタおばさんお姉さん以外にも、それなりに終点まで乗る人がゐました。
八月の頃と違ふ景色、北濃駅は来るたびに異なる姿を私に見せてくれます。次に来る時は、花細し桜の咲の咲ける春の盛りでせうか。
転車台です。
今や使はれなくなつた転車台。往時は、活躍してゐたことでせう。さて、久し振りの北濃駅。もしかなふならば、いつか誰かの傷をかばふかも知れない布を織りなす縦糸となる方と来たいものです。

 最後までお読みいただき、ありがたうございました。次回に続きます。

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