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「作品としての写真」はみんなが違う思いを持っている


素晴らしいオンライン交流会だった!


「作品としての写真」を考える会 / オンライン交流会

動画はここから↓

https://youtu.be/lYYE9azPpE0


告知記事はこちら



今回は、参加者が、写真家やアーティスト、ギャラリー運営者など、そもそも「写真」や「作品」に関わる人がほとんどだったことで、かなり濃厚な時間が過ごせた。

「交流会」と言う形でやったので、1人ずついろんなシーンで発言があるのだけど、それぞれの思想や経験が圧縮されて、一言一言に深みがあり、情報の嵐だった。

本当すごい。

心地よい疲労感。(その後すぐ寝た)


今回、一番面白いなと思ったのは、「作品としての写真」と言うものの捉え方が本当に一人一人全く違うと言うことに気づいたこと。


・飾りたいから写真をプリントして「物」として存在させるものが作品

・「作品」を撮りたいと意識して撮るものが作品

・誰かのためでなく自らの衝動や思いから生まれるものが作品

・「結果」として作品となることもある

・展示などの目的のある時に作品を意識する

・商業写真もコミュニケーションを含めて作品になり得る

・作品としての写真は、デザインとファインアートの違い、そして近さにも似ている

・そもそも「作品」を意識したことがなかった

などなど。


こんな話も面白かった。

歴史を辿ると、写真はそもそもが、絵に変わる「記録媒体」であり、そして今は写真は「情報」である。

一般の認識として、世の中に存在する膨大な写真のほとんどが「情報」を担っていると言う考えも面白い。


写真は売れるか売れないか?自分だったら買うか買わないか?

額装まできちんとしてあり、飾る前提で完成系になっているものが「作品」として買いたくなる

と言う意見もあれば、

プリントしたものを自分で額装する楽しみもあるから、プリントだけでも買う

と言う意見もあったり、

そうは言っても「写真を買ったことがない」人が多かった印象。


今回は、「写真を展示販売するギャラリーを運営したい」と言う方が発起人となり企画したイベントだったので、実際にギャラリー運営している人の話を聞けたり、ギャラリーによくいくと言う人たちの話、逆に行かない人の話もバランスよく聞けて勉強になった。


個人的な「ギャラリー運営をしたい」と言う人に対しての、今回の1つのアンサーとしては、やっぱりご本人とも以前話していた内容に近いけれど、いかに「写真を飾る文化」をギャラリーを通して提案していけるか?と言う点がポイントになると思った。


写真やアートの知識のある人、「作品」を飾る感覚のある人、ギャラリーに興味がある人は、そもそもこの岐阜県の中でどれくらいの人数がいるんだろう。

すそのを広げると言う点では、「誰かの撮った作品としての写真をギャラリーで買う」と言うのはかなりハードルが高いのかも知れない。(写真家ですら買ったことがない、と言う話もあった)


もしかしたら邪道なのかも知れないけど、写真を思い切って「インテリア」と言う視点でまずはよく分解しないといけない。

まずそもそもが、写真をプリントしない人がかなり多い。

「自分がとった家族写真」とか「自分がとったお気に入りの写真」などを、飾るためにプリントする、その道筋を、楽しく、丁寧に提案できる方法がないものか。


プリントしたらただテープで貼るとかでもいいけど、額装することで「自分の作品」のように作り上げる。

それを難しくなく、誰かに教えてもらいながら作り上げる過程で、「写真ってこうやって作品になっていくんだ」と言う感覚を知る。


それを部屋にどう飾ろうか・・・

そこまで一緒に考えてくれる人がいることで、初めて「写真を飾る」ということを知り、実際にできるようになる。


「誰かの写真作品を買って飾る」のはその後からではないか・・・・・?


いや、でも待って。

それはそれで「素人である自分の写真」にそこまでの熱意で額装して飾ろうと思うのか?そちらの方がハードル高いのか?

もしかしたら全く逆で、「額装までしてある素敵な写真作品」に出会う、ただそれだけが、飾りたくなるきっかけ、写真を作品として購入するきっかけなのかもしれない。


でもどうやってそんな作品に出会えるんだろう。

ギャラリーはある、でもいく動機や個展を知るきっかけがないかもしれない。

作品は高いのか安いのか、それすらわからない。

知らないところに行く勇気がない人もいるかもしれない。


結局のところ、私の中で「作品としての写真」をどう自分に取り込めばいいのか・・・答えは今は出ていない。


ただこうやって、いろんな人と話して、いろんな方法や思いを知ることで、やはりギャラリーを運営する人、作品を作り上げる写真家が、どんな思いで個展を開催するのかは重要だし、それを広く知ってもらい、楽しみ、飾りたいな、素敵だな、と思えるまでのアプローチを一緒に考えるのが、私のように相談を受けた者の役割なのかな、と思う。


「作品としての写真」についてこんなにも考えたのは初めてだった。

これからもまだまだ、自分なりに考えて、実践できることをやりたいと思う。

全員が一致する正解のなさ、それは逆に、自分なりの正解を持つ、ということなのかもしれない。

それは、一種の救いだ。



発起人の沢田ひろみさん、

ゲストや参加者のみなさん、本当に濃厚な時間をありがとうございました!

(またやろうね)




自分が楽しいことをしてたらうっかり周りも楽しくならないかな?という気持ちで活動しています。応援してもらえるととても嬉しいです!