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昔から伝わる農の暦をまとめています

ライター業を本格的に開始するにあたって、今年いちばん大事にしようと思っているお仕事があります。

今後もライフワークのひとつにしていければいいなと思っているそのお仕事。

昔から私たちが住むこの地域に伝わる農事歴を聞き書きして、写真と合わせてアーカイブに残していくという、時間はかかるけれども、とてもとても大切な、今やらなければすぐに人の記憶から忘れ去られてしまうことに取り組みはじめています。

私はこの地域に嫁いで以来、要所要所で農家さんと関わるお仕事をして、そのときに知り合った農家さんとお付き合いさせていただいています。

私が畑をしたい!と言ったときに、いちばん最初に快く場所を貸してくれた農家さんはじめ、在来作物のレシピ本、PR冊子を製作していたときに出会った野菜、それらを栽培している農家さん、そして前職で出会った専業農家さんたち…。

彼らは、土地の気候・性質・歴史を生活の中から知りつくし、しかし誰かにそれを伝えることはなく、淡々と日々暮らしています。昔は誰もが肌で感じていたことだったから、あえて語りはしません。

「みんな知ってるでしょ?」彼らはにこやかに言います。

その圧倒的な経験を、ただ彼らの記憶の中だけに眠らせるのはほんとうに惜しい。

私以外にも、彼らの知識やことばを残そうという人たちがいて、彼らもまた、職人さんや、猟師さん、その他さまざまな商いをする人など個々の知り合いを通じて、地域の歴史を紐解き、彼らなりの方法でそれをのちの世に遺そうとしています。

それは歌であったり、写真であったり、絵本であったり、私ならそれが文章であったり。味であったり祭りであったり、形はさまざまです。

私はこの地域で生まれ育ったわけではないけれど、もう一生、この地で暮らすことになります。故郷で過ごしたよりも何倍も長い時間を、この土地で。

その場所から巣立っていく子どもたちを見守りながら、彼らに残せるものはなんだろうと考えてます。

子どもたちが懐かしむ故郷を、できるだけそのままの形で、上の世代の暮らしを知らない現代っ子にも、自然と染みこむような形で。

取材内容はどこまで詳しく載せられるかはわかりませんが、私が農家さんたちから受けとったメッセージを、この場所には私なりの言葉で、丁寧に綴っていけたらいいなと思っています。

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