産婦人科の_理学療法士って__3_

【産婦人科のリハビリ日記】#9. 産婦人科に入りたいと思った5年前の話

産婦人科でリハビリをしている理学療法士が
妊産婦さんとの関わりの中で思うことを綴っている

\産婦人科のリハビリ日記/

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私が産婦人科で理学療法士として
介入したいと初めて思ったのは5年前。

まだこんなに世の中では
「産前産後のリハビリ」「ウィメンズヘルスの理学療法」
なんて全然言われてもいなくて
そういう介入をしている人も全国に1人いるか2人いるか
っていう頃でした。


そんな頃に
なぜ産婦人科の理学療法に
興味を持ったかというと
単純に私自身が必要としていたんです...


妊娠中〜産後の状態

妊娠中ってこんなに体が重いんだな。
こういう風にすると楽かな。
と自分なりに試行錯誤した妊娠期間を経て

出産をして
驚くほど仙腸関節が痛い
会陰切開やら会陰裂傷やらで傷は痛い
尿もれはひどいわ...


っていう時にふと思ったんですよね。


これ、私だけじゃないんじゃない???


産後1ヶ月検診で

産後の1ヶ月検診で先生に何かないか
相談してみようかな...

そう思って意を決して聞いてみたら


うん、まぁ産後はそんなもんだよ。
大丈夫!傷もいいし!おめでとう!!
子育て頑張って!!!


という感じで
あっさり医療とは手が切れてしまったんですよね。


あぁ産婦人科って
こういう痛みに対するフォローはないものなのか。

ってなんか違和感をもったのを
今でも覚えているんですが
それより何より
やっぱりちょっと不安になってしまったんですよね。


別に産後うつではなかったんですが
この後私はどこを頼ればいいんだろう?



アフタービクスとかもやってるし
ベビーマッサージもあるよ。
お友達もできるから
よかったら通ってみてください

っていう案内はあったんですが


いや...


アフタービクス??

そりゃ痛くなけりゃ動けるだろうけど腰痛いし!
ちょっと振動があるだけで尿もれするのに
そんなバタバタ動けないんですけど...!?

その間のワンクッションはないものなのですか...!?


っていう感じだったんですよね。


腰の痛みはどこで取ってくれるの?
尿もれはどこで見てくれるの?

授乳は自治体の助産師さんが訪問してくれるから
聞けばいいとして
体のことはいったいどこで???????


産後は骨盤矯正か整体???

そうなると、民間を頼ることになるんだろうか?
って思って

なんとなく妊産婦さんを専門にしている
整体のホームページやブログを見ていると
どうやらマッサージ的な感じ...

仮に腰痛はそれでなんとかなったとしても
尿もれはそういうわけにはいかんだろう。


やっぱり産後の体をちゃんと見れるところって
ないんだろうか????
みんなどうしてるの?
しょうがないってことにしているの???


と思ったのが
産婦人科の理学療法の勉強がしたいと感じた
最初のきっかけです。


骨盤底筋に関しては少しずつ言われていた頃だったので
自分でそれなりにエクササイズしてみながら
産後をなんとか過ごして

息子が6ヶ月になったころから
子供が寝ている時間を使いながら
少しずつ勉強をはじめました。


産婦人科で切れないフォロー

リハビリがあったら
私はきっと行ってました。

お金を自費で払ってでも行ってました。


確かに傷も子宮の戻りもよければ
1ヶ月検診はそれでいいのかもしれないけど
産後の骨盤痛ある人が産後うつになりやすいのは
確かにそうなのかもしれないと思う。

それはデータからも言われているけど
私自身もそれに近い感じでした。


不安になります。


せめて

痛みがあるようなら
ここ受診してね。


と一言言ってもらえていたら、
きっともう少し楽だった気がします。


産婦人科のリハビリで私が心掛けていること

そんな実体験があるから
私はリハビリに来られる患者さんに



無理はしなくていいですよ。
別なところが痛くなったり
やっぱり痛みが変わらなかったりしたら
予約してくださいね。

って言うこともあります。


もちろん人にもよるので
みんなに言ってるってわけじゃないんですが


産後のリハビリって
子供のこともあるのでそう頻繁には来られないし

次にどうしたらいいのかわからないまま
野放しになってしまう不安よりは
いいかもしれないなって思う人に関しては
そんな声かけを最後にしたりします。


心掛けていることもう一つ

理学療法士っぽいことを言うならば
「こう言うことをすると痛みが出るね」と言う動作を
ちゃんと本人と確認します。

自分でどうやったら
痛みを回避しながら生活できるか
という部分はきちんと一緒に確認をして終わっています。


もちろんそれは根本的な解決にはならないので
原因のセルフケアも合わせてお伝えするんですが
「痛みがある」という不安を
「こうすれば痛みは回避できる」に変えられるっていうのでも
患者さんの表情はやっぱり違うなって感じるんですよね。

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