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産科理学療法士のひとりごと

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まだまだ少ない「産婦人科でのリハビリ」を担当している理学療法士が綴る頭の中。
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#産前産後

【産婦人科のリハビリ日記】#29.インナーユニットの大切さを伝える

産婦人科で入院中の産後の方のところを回らせてもらっていたり、外来で産前産後の体のケアをさせてもらったりしています。 トラブルがある方は評価をした上で、必要なことを行うといういわゆる理学療法の対応をしています。が、中には特にトラブル的なものがない方もみえます。 じゃあそのままでいいかというとそういうわけではなく、産前産後に特有なのは、インナーユニットのエクササイズや再教育が必須な部分なので、ここをお伝えするようなことも合わせて行なっています。 インナーユニットのことを妊産婦

【産婦人科のリハビリ日記】#26. 産後の尾骨痛と骨盤のアライメント

あいかわらず産婦人科でリハビリしていても 「整体はどういうところに行ったらいいですか?」 「骨盤矯正は行かないとまずいですか?」と聞かれます。 みんな不安を抱えながら どこに行ったらいいのかわからず 迷っているんだなぁと思うと 情報発信ってやっぱり大事だなってますます感じる昨今です。 ■産後の尾骨痛の方が多い臨床の不思議なところなんですけど なんか同じような方がよく来るターンがあるんですよね。 これ、本当にただの偶然だと思うんですが すごくいつも不思議に感じています。

【産婦人科のリハビリ日記】#19. 妊産婦さんには「リハビリ」という言葉は馴染みがない

「産前産後リハビリ」と言う名称で 産婦人科の中に入らせてもらっているんですが 産後の患者さんからは と結構な割合で聞かれます。 「リハビリ」と言う言葉は 妊産婦さんには全く馴染みがないようです。 最初はママたちからのその言葉に 「いや、私ここにいるんだけどな...」って かなり戸惑っていましたが、 もう1年もやっていると 対応もできるようになってくるもので... と、 「骨盤矯正」とは何なのか? と言う部分を簡単にお伝えすると... と安心していただけることが増えま

【産婦人科のリハビリ日記】#15. 外来が中止になって思うこと

3月末までやっていたリハビリ外来が 4月から中止になっています。 当時はまだ緊急事態宣言も出ていなくて 「不要不急のものは極力避ける」 という感じの状況。 この時点で中止が決定してしまったので 正直、この決定を聞いたときは 「理学療法は不要不急だ」と言われた気がして すごくショックでした。 ●ショックだった理由産前産後の理学療法の必要性は いろんな文献からも言われていて 私も必要性をすごく感じながら 妊産婦さんと接していました。 でも、こうなったのは 他職種に理学療法

【産婦人科のリハビリ日記】#14. 痛みがあると何もできなくて...

産婦人科クリニックって スタジオも併設しているところも多く、 医師からの運動の許可が出ていれば いろんなコンテンツに参加できたりしますよね。 妊婦さんの場合、 医学的側面から見た妊娠経過そのものは良好でも 中には骨盤痛などで 歩くことも辛いという方もいらっしゃるのは現実。 これらはマイナートラブルという 言葉で一括りにされることが多いです。 ■骨盤痛のある妊婦さん骨盤痛によって実際の生活の中では ちょっと不自由するという方は 結構たくさんいらっしゃいます。 ADL障害

【産婦人科のリハビリ日記】#13. 骨盤痛のある妊婦さんが抱える不安

過去のお産にはなかったのに 今回初めてこんなに恥骨痛があって、 こんな状態でお産大丈夫かなって すごく不安で... と言う妊娠後期の方に出会いました。 ■妊娠中の骨盤痛妊娠中の恥骨結合痛や仙腸関節痛は 決して少なくはないです。 妊娠中の骨盤痛:75.8%(n=623) (初期:66.1% 中期:68.2% 後期:81.4%) https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjam/23/1/23_1_48/_pdf/-char/ja より

【産婦人科のリハビリ日記】#12. わずかな事も妊娠中には不調につながる

産婦人科でリハビリをしている理学療法士が 妊産婦さんとの関わりの中で思うことを綴っている \産婦人科のリハビリ日記/ —————————————————— 妊娠中ってホルモンの影響で 靭帯が弛緩するので ちょっと普段よりも体がデリケートなんですよね。 ●中手指節関節の弛緩は、妊娠初期から妊娠後期にかけて11%増加した ●Beightonスコアは妊娠後期に有意に高かった(p <0.05) ●股関節と腰椎の柔軟性は、妊娠後期に足底中指間距離の有意な増加を示した(p <0.

【産婦人科のリハビリ日記】#11. 抱っこはママにとっての日常生活動作

産婦人科でリハビリをしている理学療法士が 妊産婦さんとの関わりの中で思うことを綴っている \産婦人科のリハビリ日記/ —————————————————— 産後の方(第二子妊娠中の方なども) の評価の時は、 抱っこしている姿勢も見たりしています。 抱っこってママにとっての日常なんですよね。 しかも赤ちゃんの体重という負荷がかかっている。 ■抱っこの負担はどのくらい?乳児を腕に乗せる負担は、抱っこ紐を使用するよりも平均して16%大きい。 Wall-Scheffle

【産婦人科のリハビリ日記】#10. 授乳姿勢を伝えながら伝え方について考える

産婦人科でリハビリをしている理学療法士が 妊産婦さんとの関わりの中で思うことを綴っている \産婦人科のリハビリ日記/ —————————————————— 授乳中の肩こりとか腰痛がすごくて... っていう方がやたら多くみえる日があって なんか1日授乳の姿勢のことを お話していた日がありました。 授乳クッション使ってても...授乳クッション使っていても 気がつけば自分が赤ちゃんに合わせて 前傾して回旋して しかもちゃんと飲めてるか心配だから 覗き込むために結構胸椎も頸椎

【産婦人科のリハビリ日記】#7.結果を出すことで笑顔が出れば最高

産婦人科でリハビリをしている理学療法士が、 妊産婦さんとの関わりの中で思うことを綴っている \産婦人科のリハビリ日記/ ———————————————— 日々、人の体をみていてつくづく思うのは、 やっぱり人の体っていうのは、 毎日の生活の中で作られているものだということ。 ●食べたものでできている ●姿勢の取り方でできている ●運動量でできている などなど。 それと同時に思うことは 人の体は変わるということ。 今の自分と向き合うこと変わるには 今の自分の現状と向