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社会人から伝えたい“学生のうちにしておくべきこと”

一生に一度は、映画館でジブリを。
コロナの社会問題が続く中、東宝が企画した粋なイベント。
先日、千と千尋の神隠しを鑑賞でき、心から震えた。
一緒に観に行けた人と、「映画館でみるからこその良さがたくさんあったね」と笑いあった。
「この日のために仕事がんばってよかった」と心から思った。

3日前に予約がとれたときからワクワクしていた。
その間に日勤と夜勤があったけれど
「私には千と千尋をみる時間が待っている」という気持ちが
忙しい病棟業務でも、自分の心のどこかにあることが、ほっとさせてくれていた。

「次はナウシカともののけ姫も観ちゃう?」なんて話をして、
自分の勤務表と相手の勤務をみながら、予定をたてる時間も、うれしい。

テレビやネットのニュースがコロナばかりになり始めた2月後半から、3月。
そして外出自粛や緊急事態宣言の動向が、生活にいやおうなしに変化を求め始めた4月。
コロナへの感染予防対策に、日々翻弄され、緊張感をもって業務にあたり、
体調不良になることも、休むことも許されない病棟勤務も数か月続いている。

明確に言葉にできなくても、確実に、私たちの生活や価値観を変えた、
コロナとコロナに関連する社会の動き。

外出制限がいわれ、不要不急の外出を避け、生活に必要なものへの買い物だけが
許される、という“異常事態”のなかで、
一人暮らしの私は、今まで楽しんでいた趣味もできず、
友達や家族と会う予定もすべてキャンセル、できなくなって、
カフェで勉強する時間も、
図書館で本を探すことも、
気晴らしのための買い物もできなくなった。

仕事と、家の往復だけ。
仕事も休むことはできなくて。
でも休みの日に気晴らしもできなく。
看護師の友達が、「休みの日はなにもできないから寝てる。体は休まってるかもしれない、でも心が全然休まらないしリフレッシュできない」と嘆いていたが、その通りだと思う。

休みの日に何を考えていたんだっけ?
どんな予定を、誰とたてようってワクワクしてたんだっけ?
私は今までどうやって生きていたんだっけ?
全部が土台から揺れるようになった。

息苦しく非日常がつづく生活のなかで、私を助けてくれたものは、
連絡をとってくれた友達と、
これをしているときは自分は楽しい、という趣味や好きなものだった。

そしてこれは、コロナの社会問題が大きくなってから、
新しく作り出せないものだった。
私が学生時代までに、自分のなかに積み上げてきた
人との関係だったり、自分の好きなものに打ち込んでみた経験だった。

友達は、中高や大学の友達と、近況を嘆いたり励ましあえて
すごく助かった。
いつもTwitterやInstagramの投稿でしか状況を知らなかった人にも、
直接連絡をしてみたり、オンラインで会話をすることもあった。

この友達と連絡とりたいな、話をしたいな、って人に連絡をするようになった。
オンラインで話をしてみると、気づくと2時間があっという間に過ぎることもあった。
この友人とは、直接会っていなくても、こんなに話がもりあがるんだ、って気付いた。
彼氏には会いたくてたまらくなった。
会えるようになってから、会える時間の大切さに気付いた。
家族とは会えずに、日々LINEでの連絡になった。
会ってはいけない、と2か月が過ぎることなんて、今まで経験したことがなかった。

人との時間って、有限なんだなと身に染みた。
今まで、ご飯を食べに行く予定をたてたり、一緒に買い物に行こうなんて言えてたのは
すごく貴重なことで
だれと、どんなふうに過ごしたいか、もっとこれからは
ありがとうって気持ちをもって過ごせたらいいと思う。

そして、好きなこと、趣味のこと。
コロナの影響でできなくなった趣味も、もちろんあったけれど、
“何をしたら自分が楽しいのか、ワクワクするのか”
考え直すことになった。

自分へ奮発して、ipadとapple pencilを購入した。
高校生ぶりに、好きなように絵を描いた。
うまいか下手かは別として、あっという間に時間が過ぎたし、
こんなふうに好きなように絵を描いて、友達と交換してたな、と思い出した。

映画鑑賞が好きだったが、映画館にでかけられるわけもなく、
テレビで放送される洋画を録画しまくった。
ひたすらBGMのように流しているうちに、知らなかった洋画たちに出会えた。
名映画の“天使にラブソングを”を、恥ずかしながら初めて観て、
めちゃくちゃ感動した。

中高生ではまっていた、ボーカロイドを改めて聴きなおした。
そのときに大興奮して聴いていた気持ちも思い出し、
そして改めて歌詞にハッとさせられたり。

自分のなかに秘めていた、好きなもの、ワクワクしていたものを発掘すると
一人の自粛期間も、少しだけ色づいた。

日本にとって、世界にとって、未曽有の体験となったコロナ。

コロナの前は“なんとなく誘われた遊びに参加して”とか
“なんとなく連絡をとっていて”とか
“なんとなくみんなしてるからこれしようかな”とか
曖昧にしていた【自分の生活】を
くっきりと浮き彫りにして、

大切な友人や、
自分だけが知ってたらそれでいいや、みたいな自分の好きなことを
気付くきっかけになった。

不要不急と言われて、今まで経験したことない事態にストレスばかりで
不安で、心配なときに、
適当につきあってきた人や、関係の浅い人には
連絡しづらいし、連絡できないと思う。

私がコロナの渦中で気づいたものは、
正直、全部、学生自体までに築いたものだった。

社会人になって、職場での付き合いはもちろんあるけれど、
あの息詰まる状況で、職場と行き来しなくてはならないなかで、
職場の方に、頼りすぎることはないくらい必死だった。

学生っていいなって思うのは、
クラスや部活やサークルといった、グループがあり
イベントがある中で、自然と友人ができやすいこと。
社会人になると、学生時代のような友人って、なかなかできない。

社会人になっても好きなものはみつけられるし、
趣味も広げられると思うけれど、
急には作れないから、学生のうちに自分はこれが好き、とか、
時間を忘れて打ち込んだものがあるのは、いいのかもと思う。
社会人の今になって、振り返って、また取り組んでみると
懐かしい気持ちとともに、また新鮮に向き合える。

社会人になって、そしてコロナの渦中に放り込まれた医療者として、
学生のうちに、いろんな相談が気軽にできる友達と、
自分が好きなもの、はまったものに出会っておいたほうがいいよ、と
今の学生さんに伝えたい。

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