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青野くんに触りたいから死にたい に出てきたロエベのバッグのどうでもいい考察

「青野くんに触りたいから死にたい」とは

1巻が発売されてからずっとマンガ読み界に衝撃を与え続けている、2010年代めちゃくちゃ面白いマンガ代表、「青野くんに触りたいから死にたい」。私も大好きです。
とにかく怖い。ちゃんと、本当に怖い。背中からゾクッとくる。少女マンガのあっさりした線なのに、ちょっとした表情の変化や背景などに引き込まれます。
あとこの漫画の魅力は、人と人との関係性(家族とか友人とか恋人とか)や気持ちについて、キャラクターが言葉にするところ。心臓を鷲掴みにされるみたいなセリフが、必ず1冊にひとつはある。
そうそう、たしかにそうだ、その通りだった。と、今まで心当たりはあっても言語化出来ていなかった思いを、キャラが(主に主人公が)全部言葉にして教えてくれる。ありがとう。マンガでそう言ってくれてありがとう。という気持ちになる。

ロエベのバッグ発見と考察

10巻と11巻で、青野くんのお母さんと弟との、哀しくて苦しいリアルな家族生活の回想が、まるまる1冊分以上かけて丁寧に描写されている。精神的に成熟していない大人によるリアルな虐待の描写がしんどい巻。

この回想の中にこんなシーンがある。

カバンに注目

女性は青野くんの母。この人が持ってるバッグ、薄く描かれたロゴや片方のベルトが長いことから、間違いなくロエベのバスケット。2017年、パウラズイビザとのコラボコレクションで発表されてからロエベの定番となった有名バッグです。

loewe バスケットバッグ

「青野くんに触りたいから死にたい」が始まったのが2016年か2017年、青野くんが17歳になる直前のこと。マンガ世界では主人公も進級してないので回想が始まった時点でも2017年時点だと考える。
お母さんとの回想は青野くんが小学4年のとき。10歳、というと7年前で2010年か。ロエベはパウラズイビザコレクションを始めてないからこのバッグもまだないので、ここでこのバッグが出てくるのは時間的におかしい。

LINEぽいものも出てくる

もっと言うと小学4年生の青野くんはシングルマザーのお母さんとLINEらしきメッセージアプリでやり取りしてる。(既読つかない…というセリフがある)
LINEが出てきたのも2011年か2012年あたりだから、2010年と想定される時期に、これも本当はおかしい。

LINEらしき画面

主人公の追体験に現在が混ざってる説

しかしここらへんの話は単なる過去話ではなく、「主人公が幽霊の青野くんの過去を時空を超えて追体験してる描写」なので、主人公がどこかで見たことのあるブランドバッグとして頭に残っていたものが、イメージとして現れたとも解釈できる。(2017年当時、ロエベのバスケットバッグが大流行してた…と思う)

ついでに青野くんのシングルマザーの母親はこういうバッグを買うような女性だった、アパートは片付いてなくてゴミだらけ、でもブランドバッグは持ってる女性という、そういう見方を青野くんがしていたってことかな。それとも主人公による見方だろうか。

マンガ世界の時点が単行本発売時点説

作品が始まったのが2016か2017年だから、マンガ世界の時点もずーっとその年、という認識だったけど、そうじゃない前提も有り得る。
マンガ世界では2017年からずっと高校2年生でも、10巻11巻のキャラクターたちは単行本発売と同じ年に生きている、つまり10巻11巻のキャラクターは高校2年生のまま2023年とか2024年を生きている。と考えることもできる。

そうすると青野くんの小学4年生のときはちょうど2017年あたり、ロエベのバスケットもLINEもあるよね。ということになる。
こっちの考え方のがしっくり来るかな〜。

まとめ

ということで、ロエベのバッグに違和感を覚えたことから超どうでもいい考察をしました。
「青野くんに触りたいから死にたい」は超絶面白いので皆さんに読んでほしい。
的外れかもしれないけど、作者の人は、人が普通はあまり見ないで片付けておこうとするものを、正面から逃げずに描こうとしてる…っぽい覚悟みたいのを感じる。
この辺、壮大なポエムを読まされたみたいと思ってしまった違国日記とは別格の力量を感じちゃいますね。(個人の感想です)

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