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Ⅱ期 RW 生徒リアクション〜生徒の「声」〜

2019年度 Ⅱ期 RW リーディングワークショップの振り返りで得られた生徒の「声」をご紹介します。教師の説明よりも、ワークショップを体験した生徒の「声」の方が何百倍も価値があると思います!どうぞ、リーディングワークショップをイメージする一助としていただければ幸いです。

◯は生徒の「声」。 

※は私がnoteに載せるにあたり加えたコメントです。

生徒の残したものは、全て私に著作権を預けてもらっています!


Ⅱ期を終えて気付いたことや考えたこと


◯主人公と一緒に私たち読者も成長する。様々な人物から学ぶ。


◯更に具体的に、自分の言葉で表現をする。

※これは読了した本から選んだ本で書くレターエッセイへのコメントです。「自分の言葉で」という意識をもてたことが嬉しかったです!


◯擬音を多く使い、五感で感じさせる。

※授業でおさえた知識を認知できています。

◯I期では、少し字の大きい読みやすい本を選んでいたけれど、II期では、戻って読み直さないと分からないことも出てくる本を何冊か読めた。絵本も、深く考えることができた。

※II期は「読み返し」を推奨してみました。行ったり来たりして読みながら意味を考えることもスキルとして教えないと分からない生徒がいます。教師は読める人なので、ここは盲点だと思います。


◯同じ本を読んだ人でも、違う目線がきっとあると思うので、そういう話をしたい。

※II期での失敗は、子ども同士が話しながら理解する場を持てなかったこと。次回への課題となりました。


◯レターエッセイ。1回目に書いてうまくいかなかったのを、そのまま終わらせずに、2回目にチャレンジしたのはよかったと思う。

※一度で満足なものを書ける人はいません。読み返して、書き直すことで、成長を実感できます!


◯次は、歴史小説か純文学を読んでみたい!
◯森鴎外「高瀬舟」、住野よる「君の膵臓を食べたい」など、一度読み終えた時に疑問が残り、何度も確認し、自分の中で考察するような本がとてもよかった。
◯自分が読んだ本で「これ面白いなー」と思うものがあれば、レターエッセイをまた書いてみたい。


◯同じ著者の本を5冊くらい読んだ後、違う著者の本を読んだら、話し方が(書き方が)全然違った。

※新しい感覚を手に入れた瞬間!嬉しかったです!


◯暗い雰囲気をもったような物語や、ハッピーエンドにはならない、中間ぐらいの終わり方で、人間の心理がわかるような本が好き。


◯人が読みたくなるようなレターエッセイを書きたい。

※更なる成長への欲と期待。もっと時間があれば!と思います。


◯絵本にはいろいろな意味が込められている。誰々が何をした、とはハッキリ書いていない。

※海外の絵本の深さに心を掴まれたようです。推測、関連づけ、比較、質問などのスキルを使うことで発見のある絵本は、RWにぴったりです!


◯前のレターエッセイの方がよく書けた。もっと励まなければいけぬ!と私は思った。
◯「あの時、彼は何を考えていたんだろう」という一文から、あえて何を考えていたのかを書かずに、読者に考えさせるような表現になっていて、面白いな、と思った。


◯メモを取るようにする(内容忘れがち)。内容が難しかったり、よく分からなくなったら、無理しないでやめる。

※自分に合わない本は、記録をとった上でやめる。合わない感覚も体験して理解するのがRWです。


◯A君も住野よるさんの本を多く読んでいたから、トークで内容を説明している時、共感してくれてうれしかった。
◯本を読む時に、自分の経験と比べる場面があったり、「なぜ」と疑問に思うことがある本が、とても面白いと感じた。

※共感してくれる人の存在や、自分との比較によって、自分以外の存在の必要性に気づきます。


◯レターエッセイは、難しく考えると分からなくなるので、思ったことは紙などに書いて整理してから書くとよいと思った。

※自分に有効な書き方を自分で見つけたり、仲間のマネをしたりして成長していきます。教師はガイド役、またはコーチ役です。

◯恩田陸「私の家では何も起こらない」色々な人の目線で書いていた。不思議と、自分がその本の中にいて、それを体験しているような感じにさせる本だった。


◯今回は同じ本で4回レターエッセイを書き直してみた。自分でも変わっていくことがわかった。
◯読む量は多く、ペースも速いが、深いところまで行けているかは微妙。
◯自分の意見の幅を広げて、文字に起こせるようにする。

※上記の3人はメタ認知ができるようになっています。


◯夏目漱石「こころ」=人間観察
◯もっと、こう、アウトプットを…ね、あの、出していけたらいいと、思います。はい。
◯小説は、一方の気持ちだけでなく、両方の気持ちが分かりやすく、どちらの視点で見ても共感できるようになっている。


◯あまり論説を読んだことがなくて、今回読んだら、その人の価値観などがあって、勉強になった。

※いつもと違うことへの挑戦も生まれました!


◯他の人がどう書いたかを参考にして、自分も良いと思ったところを使って、書けるようにする。

※マネは学習の第一歩!


◯物語は、本当にありそうでないこと。それを物語にしていて思わぬ展開になった時の緊張感が好き。
◯羽田圭介「スクラップ・アンド・ビルド」という本は、あまりよく読めなかった。とてもつまらなかった。いわゆる「難しい本」というものに初めて出会った。
◯豊島ミホ「檸檬のころ」では、疑問文をよく使っていた。まるで主人公から相談されているように感じ、臨場感があった。また、主人公の年齢に合った文章の書き方をしているので、共感できた場面がいくつかあった。

※読める範囲は、生徒によって本当に異なる。教科書だけの授業では生徒のニーズに応えられないと思います。また、教科書だけでは絶対的に読む量が少なすぎます!


◯I期と比較して、レターエッセイの内容が成長していてよかった。
◯自分であり続けて書いた。レターエッセイは俺そのもの。

※成長の自覚と、自己表現の楽しさを味わってくれたことが伝わってきます。


◯私は今回のRWで、これからの人生の生き方を見つけて参考にできたらいいなと考えながらいろいろ読みました。たくさんの本を読んで、参考にできる内容をたくさん集められてよかったし、将来についても少し見えた。

※キャリア教育とリンクさせて読んでいた様子です。


◯作者が常に被害者側の視点で書き、それによって加害者側について考えられるようにしていた。

※比較のスキルからの気づきです!かなりレベルの高い気づき!


◯レターエッセイを上手に書けるようになりたい。目指せ!令和の清少納言!

※雰囲気のある文章を書く生徒もいます。大切にしたい。未来のエッセイストを育てているのです。


◯乙一「暗いところで待ち合わせ」題名と内容のギャップがすごいと思った。ホラーのつもりで読んだけど、違った。違ったけれども読み続けようと思える本だった。出てくる人物を少なくして、主人公に注目させていると感じた。
◯読者も一緒に考えられるストーリーが面白く、映像化しやすかった。


◯文章を書くときは、ストーリーを説明するのではなく、自分が学んだことや言葉の意味を考えながら書くこと!

※意味を考え、作り出すこと!これを意識できたことが嬉しかったです。


◯色々な内容の本を読むことができた。こんなに集中してたくさんの本を読むのは初めてでした。

※やはり量!


◯辻村深月「かがみの孤城」は、セリフの書き方が自然だった。感情移入がしやすかった。
◯レターエッセイは書くのが難しかったけれど、書くことは楽しかった。
◯三浦しをん「愛なき世界」でたくさんの植物の用語を知った。
◯自分目線の考えや推測をもっと増やしていきたいと思った。
◯もっと自分の考えを表すための語彙がほしい。文章量を増やしたい。
◯会話の一つ一つを語りかけるように短くしていて、映像化がしやすい。登場人物の特徴が対象的で皮肉だった。ミステリーを多く読んでいたけど、日常的だったり、ホッとする本もいいなあと思った。レターエッセイは普段やっていないので難しかった。まだできていないので、気に入った本くらいは書いていきたい。

※書くことのよさ、語彙の必要性に気づくことで自分の課題を自分で設定できます。書けと言われて書く目標は意味がないと思います。


◯本はもう一生読まない。レターエッセイも書かない。

※この生徒は発達上の特性があり、中3までに自尊心を拗らせてしまいました。こうなる前の段階で、生徒のニーズに対応した授業が行われていたら、結果は違っただろうと思うのです。


◯主人公と他の物語を関連づけたり、文章の中で言葉選びがうまい。起承転結もうまい。


◯繰り返し読むのが好きだとわかりました。今後はいろんなスキルを使って書いてみたいです。あと、メモを上手にできるようにしたいです。

振り返りを振り返って


子ども達の「声」は、授業者に新たなる課題やチャレンジを与えてくれます。

知識、スキルを習得して、理解を深め、意味をつくりだしていくことを目指してやってきたRW。

テストって何だろう、点数の評価って何だろう、子ども達の未来には何が必要なんだろう。考えてしまいます。

ちなみに、この実践を行った学校は、全国学テでは平均以下(全国、県、市全てで!)の学校です。


最後までお読みくださってありがとうございます。

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