オタクが墜ちる過程をおみせします

当たり前だけど、どんなに熱狂的なオタクやファンにも、その推しを知らずに生きていた時代があります。
でも、大抵みなさんがオタクに出会うときって、既に、いや産まれた瞬間から推しているかのようにアツアツな状態ではないですか。

私は本当につい最近より、とある推しにゆっくりと堕ちていっている新米オタク。その過程を随時報告しているオタク仲間から「人が沼っていく様ってこんなに面白いんだなwwwwwwwwww」と草を100本くらい生やされ、確かに人が墜ちる過程はなかなかみれないのかも、と墜ちゆく自分を俯瞰して綴ってみることにしました。

私、というオタクについて

そもそも私には、オタクの素質があると思います。
何かに好きという感情が芽生えると、情報の底につくまであらゆる方向から掘り続け、勤勉に新しい情報をチェックし積極的に機会に参加し出来得る応援行為を実行する。小さな供給に湧き、同じコンテンツを繰り返し摂取し気持ちを満たすことができる。

ただ今回は、そんな素質を自認しているからこそ、しっかりと抗っている。
中2で推しに目覚め、10年間一筋で追い続けてきた歴史があるからだ。10年の間でちゃんとした大人になった私は、わかっている。
推しを好きでいる10年に後悔はないが、私が推すと、莫大なお金と時間を、推しに注ぐことになる。もう大人なんだから。人生は有限なんだから。

8月中旬 その存在をみる自分の感情に気づく

これまで認識はしていた程度の存在で、むしろ苦手意識すらあるタイプだった新たな刺客。きっかけは10年推してきた推しとの絡み。

なんて気の効くやつなんだ…
この人、人のことよくみてるなあ
振り切ることのできる知性のある人だ​

明確な瞬間があったわけではなく、ジワジワと自分の中でこういう感情が積み重なっていき、閾値に達する感覚である(オタク臭ッッ)。

9月上旬 「課金しない範囲で」と線を引く

今は無料コンテンツにあふれる時代。閾値に近づいている自覚のあった私は、「課金しない範囲で」と心に決め、掘り活動を続ける。

うんうん、これでいいんだ。十分楽しめてる。

9月中旬 周りのそそのかし

環境は人をつくる。これ本当です。
推しのいた10年の中でも、他に夢中になれる趣味があり周りにオタクらしき人がいない時代は、私も落ち着いていた。ところが今は不幸にも(いや幸せなことに)、推しのいる人が周りに多い環境。
ある日、その一人に親身に軽い気持ちで相談に乗ってもらっちゃったのです。

いつ、ファンクラブに入るべきなんですかね〜へへへ

この時の私はまだ覚悟がなく、冗談めかして口にしてるだけだ。
そんな私に、彼女は笑顔でこう言った。

正直、年間◯千円のファンクラブはある程度のハードルがある。でも、月額◯百円のウェブからまずははじめてみるってのもありだよね。

ありかも…と思ってしまった。
それぐらいだったら、音楽や映像のサブスク感覚でいけるじゃん…
ライトに好きなアーティストの音楽に課金してるんだから…

同日、夜 扉を開く

その日は仕事上のトラブルがあり、遅くまでその対応に追われていた。ひと段落つきLINEを開くと、由々しき事態を知っていたまた別のオタク仲間から連絡が。

仕事おつかれさま…!癒しに自分の写真載せてる◯◯のブログ送るね〜!

そこに写された推しの姿が、へとへとになった心と体にずぎゅーーーーんと染み渡った。
そのときの自分は疲れも相まって、完全に思考が中2レベルに戻っていたんだと思う。なんにも考えず、"月額◯百円"のウェブを開き、華麗なる指さばきで登録!

限定コンテンツを無事に見尽くして、ニヤニヤと眠りにつくのでした。

数日後 止まらない1日

予定のなかった休日。
私を課金の扉に導いたオタク仲間からの情報提供により、Netflixを再開させて(しれっと課金)、推しの出演するドラマ全8話と、推しがメインのスピンオフドラマ全4話、推しグループのドキュメンタリー全5話をイッキ見してしまったのである。

堕ちゆく私から

ここまでが、現状報告となります。

環境は人をつくる段で"落ち着いていた時代"の話をしましたが、元々の推しに対する私の態度は、もはや老夫婦のような感覚に近づいていたのだと思います。
スキャンダルがあっても、一瞬は落ち込むものの、とりたてて騒ぐこともなく、数時間後には「幸せでいてくれ」全部これにいきつく。

そんな私が、新たな推しをみて身体を熱くし悶えている。
今推しにスキャンダルがあろうものなら、さめざめと泣き続けると思う。
今のところお金はある程度セーブがきいている状態だが(秒読み)、感情や時間は完全にもってかれてる。楽しい。楽しすぎる。
こんな感情は10代ぶりだよ。

大きな声で叫びたい。推しのいる生活、最高!!!!!

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