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Hello April

April foolですね。何か、嘘はつきましたか?
大人になってからは、全く縁がない生活をしているけれど、子どもの頃は異常にApril foolを楽しみにしていた。

記憶に残っている4/1の思い出を少し書いてみようと思う。

手当たり次第にApril fool

幼稚園の年長の頃だったと思う。
当時はまだ携帯も普及していない。一家に一台電話が置いてあるのが一般的で、友達と遊ぶときなどはその電話でアポをとって出掛けていたように記憶している。まだ連絡網というものがあったので、同じクラスの友達と連絡を取るのも簡単だった。

とあるApril fool、その連絡網を片手に、何を思ったか片っ端から嘘をつくためだけに電話をかけまくった記憶がある。
春休みがよっぽど暇だったのだろう。
どんな嘘をついたかなんて全く記憶にはないが、電話の最後に「嘘でしたー!」というのが楽しかったのではないかと思う。
今考えたら迷惑極まりない行為であるが、とにかくウキウキしていた。
さらに、嘘をつかねばならぬ!と半ば使命感にも似た気持ちもあった気がする。

普段、大して遊ばないような子、言ってしまえばあまり仲良くない子にも電話をかけた。
おそらく、この子にはかけたけど、この子にはかけてない、という線引きがうまくできず、結局手当たり次第クラスの女子全員にかけまくる、という事態となったのだと思う。
少し話は逸れるが、この「線引きできない問題」と私は長年付き合ってきた。年賀状もどこまで出せばいいかわからず同じクラスの女の子に出しまくったり、旅行に行っても誰にまでお土産を渡せばいいかわからず買いまくったりしていた。(旅行中は気が大きくなっているので余計にそうなりやすい。帰宅後、冷静になるととても渡せず、自分で使うということも何度かあった。)

電話に話を戻そう。と言っても大したオチもないのだが。
子どものすることだからか、春の浮かれた陽気のおかげか、電話で嘘をつきまくるという迷惑行為も、誰に咎められることもなく、(母も把握していたはずである)無事ミッションを終えた。当たり前だが、数人は留守で嘘をつけなかったことが残念だったほどである。

さて、大人になった私は電話があまり好きではない。予約の電話も緊張するし、友達を誘うのも苦手である。
当時を振り返って、一体あの時の自分は何を考えていたんだと呆れつつも、本来の私はそれくらいおバカで積極的なのかもしれない、と思ってみる。

空港からのApril fool

今度は小学生から中学生にあがる春休みだったと思う。
祖母が私含む孫たちをグアム旅行に連れて行ってくれた。初めての海外である。
現地を満喫して、名残惜しく日本に戻ってきたのが、4月1日。

空港から、祖父に無事を知らせる電話をかけた。
そこで祖母がいたずらをしかけた。
「香奈がパスポートを無くしたから帰れない!」と。
旅行が楽しくて、もっとグアムに居たかったー!という気持ちの表れでもあったと思う。

この時もまだ携帯電話はない。空港の公衆電話である。ナンバーディスプレイなんてものもまだなかったので、祖父は国際電話なのか、国内からの電話なのか判別できなかったのだろう。
そして、私ならパスポートを無くしかねない、と思われていたのかもしれない。電話越しに「おじいちゃん、ごめんね。」なんて言ったような気もする。

祖父はまんまと引っかかって、大いに慌てふためいた。
その後どうしたかはあまり覚えてないが、もう一度電話をかけて種明かしをしたのだったと思う。
「ちょっとやり過ぎたかな?おじいちゃんごめん。」なんて思いつつ、しばらくは集まる度にこの時のことを笑い話にしていた。

これを上回る嘘は正直記憶にない。
私の人生最大のApril foolである。

笑って済ませる余裕はあるか。

さて、どちらも全く褒められたもんじゃないApril fool  の思い出を綴ってみた。

どちらの記憶もなんとなく同じ「ゆるさ」のようなものを纏っている。
その「ゆるさ」を果たして私は今持ち合わせているだろうか、とふと思う。

April foolだから!と張り切ることがなくなって久しいが、こういう笑えるイタズラを考えたり、楽しめる余裕は持っていたいな、と思うのであった。

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