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胡麻豆腐の聖地、高野山。6泊7日の滞在で”生胡麻豆腐”を8個食べたときの話。


高野山。
山深き胡麻豆腐の聖地。

胡麻豆腐を愛する者はすべからく高野山を目指し、
蓮華のごとく八つの山に囲まれた水の麗しき天空の聖地で、
白くてつめたい生まれたての生胡麻豆腐の魔性の前に、ただただひれ伏すという。

箸でそっと切ってよし。
匙でくいっとすくってよし。

ひとたび生胡麻豆腐を口に含めば、
胡麻の香り、
繊細な甘み、
そして葛のふるっとした舌触りに
極楽浄土の入り口を垣間見るという。

、、、

、、、


、、、「ていうか、仏教の聖地だよね?」

っていうツッコミを待っていましたが。
そうか。ここはnoteだから。
だれもつっこんではくれない。


2018年、8月。ひょんな(ひょんな?)いきさつから、
足踏みセラピー(正式名称を「楽健法」といいます)の高野山合宿に参加しました。
(楽健法の創始者の先生が、高野山真言宗のお坊さまなので)

高野山は3回目。
そしてわたしは生胡麻豆腐が好き。
白い魔性に触れ伏すよ!いとも簡単に!!魂も、売る!!

合宿の日程は7日間。
とにかく!生胡麻豆腐を食べまくる!!ということを裏目標に掲げて合宿に参加しました。

<胡麻豆腐とは>
胡麻豆腐は和歌山県・奈良県の郷土料理。
丹念に皮をむいた胡麻と葛粉を使い、滑らかになるまで練りあげ、冷やし固めた食品。
広く流通しているものは加熱処理されており、長期保存・輸送が可能。
加熱処理をしていない生胡麻豆腐は日持ちがしない。

もう一度言います。

「加熱処理していない生胡麻豆腐は日持ちがしない」
↑↑↑これです↑↑↑
生胡麻豆腐はだいたい当日か、遅くても翌日に食べなきゃだめ。
だから、生胡麻豆腐製造者は基本近隣の人にしか売ってくれない。

プレミアム感、半端なーーーい!!!

高野山で生胡麻豆腐を製造・販売しているお店
1)角濱ごまどうふ総本舗
2)森下商店総本舗
3)濱田屋
4)レストラン楊柳

このうち、4)のレストラン楊柳については食べたことがないので今回の記事では触れないことにします。
くやしい。こんど行ったらぜったい食べる!!

高野山1日目。

高野山の町。参拝者や観光客にとって、町の入り口である「大門」や「女人堂」。聖地「奥の院」の入り口「中の橋」までは徒歩で40分ほど。
そんな山に囲まれた小さな町に、100を超えるお寺があります。

「大門」に一番近い胡麻豆腐店が
1)角濱ごまどうふ総本舗 さん。
製造拠点と、お土産・レストランに分かれていて、レストランは広々と天井が高くてモダン。胡麻豆腐懐石が食べられます。
(写真がない!取っておけばよかった!)

高野山は標高が高くて涼しい。真夏でも過ごしやすい。

角濱さんの中庭テラスで初日に食べたのがこちら。

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左はスタンダードなわさび醤油。
右は黒蜜きな粉。

左の生胡麻豆腐、よく見てくださいね。
あたたかみとクールさ、両方をもちあわせた深みのある白。
四角く切り出された角のライン。醤油の赤茶色が染みる。

うつくしい。

右は黒蜜きな粉。
スイーツとしての食べ方は今っぽいですね。
同じ生胡麻豆腐なのに、形を丸く変えてくるあたり憎いです。
ブラマンジェとか、胡麻プリンとか、そんな風にしか見えません。
おしゃれか。
魔性の上におしゃれを纏うのか。
ファンを殺しにきてるのか。

口に含めば、イメージは一転。
角濱さんの生胡麻豆腐のお味は、たぶん万人に愛されるお味。
高野山に来てる時点で すでにThe非日常 なんですが、
この胡麻豆腐は毎日食べても飽きない。絶妙な濃さ。
非日常の世界から手招きする魔性が、すうっと日常に忍び込みそうな危うさ。

わたしの魂で、足りますか!?

静かでのんびりできるテラスも、
ナチュラルモダンのインテリアも安心感がある。

高野山でこんな風に生胡麻豆腐を食べられる空間を作った角濱さん。
これは胡麻豆腐界のパイオニアだな!

角濱さんはアルミパックの胡麻豆腐のお土産も有名ですが、
こちらもかなり生に近いお味だな、という印象です。
(しっかり買って帰ったからね)

※後日、角濱さんがnoteにアカウントを持ってらっしゃることを発見いたしました。何だろうか、、ちょっと恥ずかしくなってきた、、どきどき。
角濱さんのnote

高野山3日目。

わたしなんかより高野山経験値が高い先生が、
「一番人気だよ、混んでてなかなか入れないよ」と言っていて、
そんなの、行くにきまってるでしょ!と鼻息荒く訪れたのが
3)濱田屋さん。

細い細い道を車で進み(合宿参加者の方が載せてくれた)、
警備員さんの言うがままに駐車して、
(高野山で警備員さんがいるの、ここと奥の院の駐車場くらいw)
グッドタイミング!運よくすぐに入れた濱田屋さん。
さすが聖地。生胡麻豆腐原理主義者には優しいな。

こちらは販売メイン。
店内にいくつかあるベンチが空いていれば、その場で食べることができます。

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赤い毛氈のベンチ。
左は抹茶生胡麻豆腐にミルクと和三盆。
右はスタンダードなわさび醤油。

やはり、デザートタイプは丸、スタンダードは角、なのかよ!
暗黙知かよ!

抹茶のほう、ミルクは白い色を失って、透けてしまいそう。
口に運ぶと和三盆は見た目よりも軽い。
(きな粉と違って湿っているから荒い鼻息でも飛ばない)

わさび醤油のスタンダードタイプ、控えめなお醤油の量。
こちらもみずみずしさが際立つ。

濱田屋さんの生胡麻豆腐はとっても繊細。
きめの細かいのが生胡麻豆腐の身上だけれど。
生胡麻豆腐自体から「水の味」を感じるんじゃないかってくらいの繊細さでした。
味付けも淡い。
お茶じゃなくてお水がついてくるあたり、お茶だと強すぎるんだろうなあ。

そんな濱田屋さんはなんと、生胡麻豆腐の地方発送をしています。
え、いいの!?

どうやら、着いたその日に食べないとだめみたいだけど、これすごいよなあ。


高野山5日目。
休憩時間に、隣の部屋のYちゃんがやってきて「食べるの手伝ってください~!」って。

なんですと!?
Yちゃんが持っているのは、わたしが一番好きな 2)森下商店総本舗 さんの生胡麻豆腐!!
まじか!
Yちゃん、洗濯ものに囲まれて殺伐とした和室10帖に降り立った天使か!!?

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(箱から笹の葉に受けました)

森下商店総本舗さん、こちらは販売店舗のみ。賞味期限は当日。
ウェブサイトはありません。

生胡麻豆腐は入り数が6個と多いので、東京で一人暮らしのわたしは買って帰るのはちょっときつい。
(だって、せっかく来たら柿の葉寿司とかも食べたいから)
今回はあきらめていたのですが。

Yちゃんナイスう~!ありがとう!!まじ天使!!

森下商店総本舗さんの胡麻豆腐はお醤油もいらない。
食べたことのあるすべての生胡麻豆腐の中で、最も濃厚(わたししらべ)。
甘味がすごい。ねっちり感が絶妙。
それでいて、口当たりは軽くて後味はスッと消える。
ほんと、美味しい、、、しかもサプライズ。
幸せすぎる、、、。


聖地の中の聖地。の、ありがたい御影(みえい)。
みなさま、合掌ください。

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生胡麻豆腐をお店で食べることはできませんが、
森下商店さんから大門方面に150mほどのところにある料理店「丸万」さんで、食べることができます。

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味はストイックに、わさび醤油のみ。

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(写真は2018年4月のもの。)
「胡麻豆腐だけでもいいですか?」って聞いて、快く入れていただいたのでたぶん大丈夫!

さあ、皆さまも生胡麻豆腐のガンダーラこと森下商店総本舗を目指しましょう。行って功徳を積みましょう。


高野山7日目、最終日。
連日連夜、足踏みセラピー(正式名称は楽健法)のことだけ考え続けた日々が終わり、最後に
1)角濱ごまどうふ本舗 さん、再び。

昼食後に解散だったので、デザート!!

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抹茶の生胡麻豆腐。小倉クリーム。
アイスコーヒーと一緒に一息。

こうなるともはや、胡麻は胡麻ではなくではなくてセサミですね。
生胡麻豆腐は生胡麻豆腐っていうよりpuddingです。

はあー、嘆かわしい。
実にけしからん。

実に、、、

実に、、、

うまい、、、、

けしからん、、、、

うまい、、、、、。


7日の滞在で8個食べたはずの、胡麻豆腐。
紹介した胡麻豆腐をカウントすると、6個。

後の2個については、滞在した「西室院」さんの宿坊にて、
食事で頂きました。
(おいしかったなあ。西室院さんで出た胡麻豆腐はどこのなんだろう??聞いてくればよかった。ていうか、西室院さんで出た食事は全部おいしすぎた。余談。)


胡麻豆腐を愛するすべての人類へ。
一生のうち一度は、高野山を目指しましょう。
胡麻豆腐の聖地であらゆる生胡麻豆腐を心ゆくまで堪能し、
その魔性に溺れましょう。
魂を売り渡しましょう。
功徳を積みましょう。

わたしもまた、魂を売りに行く日を心待ちに、日々を過ごすこととします。


待ってろ! 4)レストラン楊柳!!
(くやしい)

気にかけてくださってありがとうございます! これからも記事更新がんばりますね。