運動と、広義での運動環境について

週1回位はトレーニングジムに通うのが習慣だったのだが、ジムに行かなくなってから3ヶ月位になる。きっかけはジムが閉まってしまったことだが、自宅で定期的に運動するクセがつくようになると、別にジムで運動しなくても良いような気もしてくる。(負荷のかかりかたは少し違うので、体型は全く同じようにならない気はするけれど。)仕事で少し重い荷物を運ぶこともあるので、上半身の筋トレはお給料を頂きながらしている。わたしは右利きで、右ばかりに負荷がかかると嫌なので(身体のバランスが悪くなると実際に都合が悪くなることもあると思うので)、この荷物は身体の向きを変えてこう置くと、左側に効かせることができるなぁ~という工夫はする。ちょっと笑えるのだが、お得感のある考え方でモチベーションになるのなら、わたしはそれだけで少し幸せなのだ。

例えば、走ろう、と試みる意思みたいなものは、今のところわたしの中にあんまりないような気がする。村上春樹氏の『走ることについて語るときに僕の語ること』(文藝春秋 2007)を読んでいる最中なので、自分の運動習慣について考察することに、影響を受けまくっている。たまに全力疾走したくなったり、ちょっとゆっくりペースで走りたくなっても、またすぐに歩きだしてしまうのがわたしなのだ。歩くのは嫌いではないのだが、彼の本を読みながら考察していると、わたしが走る必要にカラレテイナイ理由は、わたしが自分自身に求めているものが緩いから、と言えなくない気がする。(これは、わたしがわたしの運動に対して考察し、わたし自身について述べた意見だ。)

歩くときは、自分の性格とこれまでの経験を考慮した結果、若干の傾斜が好きであるという傾向が顕れる。崖のようなところはもはや、手を岩肌に絡ませて登る場所なので歩くところではない。手を振って歩ける程度の傾斜が好きなのだ。多分、平坦な道と傾斜で同じ距離を歩いたときに、傾斜のときのほうが運動しました!心臓もいい感じで速くなってるし汗もでました!という、お値打ち感が好きに違いない。(わたしにはわかる。)富士山に登ってみたいというような野心は、今のところほとんどない人間なので、人生に求めるもの自体がそういう感じかもしれない。
300メートル位の山に週4日くらい登れたら丁度よい運動で(頑張って5日)、ひょっとしたら500メートルくらいなら行けそうかも、とは思う。(やっぱり5日は無理かな。)考察した結果、それが現バージョンのわたしだ。

ところで同い年の知人が以前、十年前よりもだいぶ自然が好きになった、と言っていたのを思い出す。そのときはピンと来なかったのだけれど、今まさにわたしもそんな気がしている。できるだけ多くの木々に紛れながら、人とすれ違うとき以外はマスクを剥ぎ取り、緑の香を嗅ぎながら歩くのが心の癒しになっている。(気候のよい5月はそうしながら、これが幸せでなければ何が幸せなんだとしみじみと思った。)緑の効果についてはメンタリストのDaiGoさんも著書で書かれていたり、Blogに書かれていたりするようですが、エセックス大学の研究で証明されているとのこと。緑や自然の中に行くと、ストレスが軽減されると分かっているそうだ。できれば続けていきたい習慣だ。

最近の著書で『シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成』(NewsPicksパブリッシング 2020)という本が売れているようだけれどわたしは読んでいなくて、YouTubeで中田敦彦氏がこの本について解説していたり、著者自身がこの本について対談しているのを拝見した安宅和人氏や(すっかりわかった気になってはいないけれど、つくづくお手頃好きの性格だと思う)、現代の魔法使いと呼ばれる落合陽一氏が言っている「開疎化」という言葉。AIやテクノロジーを上手く使うことができれば、大都市に一極集中しなくてもこれからの時代、地方で幸せにやっていけるということだと思うけれど、今の状況下でまさに密集しない地域に住んでいる者として、たしかに助かっている部分がある。

何もないなぁ~と思う20万人に満たない規模の町(主な収入源が観光ではない)ではそもそも(もちろん町の広さもあると思うけど)、普段外を歩いていて人が密になる場面がほぼない。地元のお祭り事以外のときは、なりそうになってもよけるスペースがある。ニュースで写し出されていたように上海の山に人が連なって並んでいるような状況はないし、例えば隣町の映画館に行ったって、平日の夕方以降はそもそも(元々)人がいないのだから密にならないことがわかっている。(だからって一番後ろの列の真ん中に座って、画面を我が物みたいに鼻を脹らませるのは気をつけよう。)
何にもないけどまぁ住むのには困らないところ(最近までスタバが一軒もないことが地元のネタだった)、も悪くないのかもしれないと、この状況下では思う。

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