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ペルソナの女たち

こんにちは。きっかけアクセサリーのお店カナ・ノワール堂、店主の音海奏乃です。

タイトルだけ見ると、すごく素敵な小説が始まりそうな予感や、社会問題に関する記事になりそうな雰囲気がありますが、そういう話ではありません。

では、いったい何の話なのか。それは、これからのお楽しみ……。

わからなかった、ペルソナの意味

学生時代、経営学を学んできたのですが、それがきちんと身についているかは、残念なことに別のお話。マーケティングについては学科が違ったため、学ぶことはなく、卒業しました。

ハンドメイドを販売しようとしたときに、「顧客を仮定しよう」とか「ペルソナを用意しよう」とか書かれていて、どうにか頑張って理解しようとしたものの、全く理解できずにいました。書かれていること一つ一つは理解できるのですが、全体としてどういうことなのか、どうしてそのペルソナさんのためにアクセサリー作りをしないといけないのかがわかっていませんでした

売るためには、作りたいものだけではなく、売れるものを作ることが必要、と大体書かれています。もちろん、売れるものと作りたいものが一致していれば問題ありませんが、そういった例は少ないですよね。なので、私もペルソナさんを、つまり購入してくれそうな人を仮定してみようと思ったのですが、うまくいっていませんでした

時間をおいて何度か再考してみても、なんかしっくりこない。それならば、考えることをやめよう。そう思って、完全にペルソナさんのことは忘れて日々を過ごしていたある日、1冊のカタログを見つけます。家にあったけれど、埋もれてしまっていた、そのカタログ。そのカタログこそ、私のもやもやを解消してくれる偉大なアイテムだったのです。

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2人の女、その名は

そのカタログは、素敵な海辺でおしゃれな生活を送っている女性と、同じ海辺でもアクティブに、スポーティーに過ごしている女性が載っていました。それだけ見たら、「で?」という感じで終わってしまいそうなものですが、何気なく読み進めていくうちに、はっと気が付きました。

この人たちに、買ってもらいたい!

何言ってるんだ、この人は、と思ったかもしれませんが、瞬間的にそう思ったのです。同じ海辺の町でも、2人の女性は生活スタイル(この場合は写真のテーマですが)が全く違います

おしゃれなカフェに行ったり、ゆったりと自分だけの時間を持っている(であろう)写真の女性。この人には、あのイヤリングやネックレスが似合うんじゃないかな。

ウエットスーツを着て、マリンスポーツをして、自転車で買い物に行くもう一人のアクティブな女性。この人には、こういうネックレスやブレスレットがいいかな。

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そんな風に考えているうちに、「あぁ、ペルソナってそういうことか」と納得がいったのです。なにも、買ってくれそうな人を1から作り出す必要はない。こういう人に使ってほしいな、というイメージから入ってもいいんだ、と。買ってほしい人、というとどうしても肩ひじ張って考えてしまいます。けれど、使ってほしいな、というイメージを写真などから持てたら、なんだかふんわり軽く、捉えらえそうな気がしてきたのです。

そうこうしているうちに、そのカタログから誕生したのが、押谷姉妹です。実在する人物ではありませんが、雰囲気を出すために名前を付けてみました。

姉妹とアクセサリー

こんな感じかな、という想像から誕生した、押谷姉妹。あくまで想像ですが、彼女たちのプロフィールはこんな感じになっています。

押谷レイコ(おしやれいこ)

海辺の町で暮らす独身女性。のんびりとしている空気感が好き。リラックス・ゆったりといったワードが好きで、自分らしくありたいと思っている。

無理せず、等身大のおしゃれを楽しむのが上手で、普段着はワンピースが多い。

自然と自分を大切にしながら、健康に、長く幸せな生活を送れるように心がけている。ナチュラルテイストが好き。

自然を感じるアクセサリーや、着け心地のいいアクセサリーを選ぶことが多い。

押谷レイカ(おしやれいか)

海辺の町で暮らす主婦。常に動いているタイプで、じっとしている瞬間があまりない。アクティブ・スポーツ・アウトドアという言葉が似合う。運動が大好きで、週末や早朝は必ずスポーツの時間にあてている。

夫と子供がおり、いつまでも健康でアクティブな女性でありたいと思っている。特に、子供にはかっこいい姿を見せたいと思っている。

普段着ももちろん、動きやすい服装が第一。おしゃれさよりも動きやすさや色味を重視する。アクセサリーはスポーツの時に邪魔にならない程度のものをつける。

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……といった具合でしょうか。ここに書いたのは一部なのですが、本当はもっと生活スタイルなど細かに決めるのでしょう。けれど私は考えすぎると動けなくなるヤドカリ。せっかく歩いたのに、壁にぶつかって引っ込んでしまっては意味がないので、自分なりに、いいと感じたこの方法でしばらくは様子を見てみます

ちなみに、姉妹の名前は「おしゃれか?」「おしゃれな子」をもじって作りました。夫の名前は押谷れい(おしゃれ)、子供の名前はれい太(おしゃれだ)です。まぁ、ここへのこだわりはあまり発揮しても仕方ないので割愛しましょう。

わかったら、わかってきた

はじめは、全くもってペルソナさんたちのことは、わかりませんでした。けれど、突然現れた1冊のカタログのおかげで、だいぶわかってきたことで、ペルソナを作る意味のほうも分かりかけてきました。

ここまでくるには、ずいぶん長い時間がかかってしまいましたが、わからなかったことが一つ、分かったという事実だけで、だいぶすごいのです。それが分かったおかげで、次のわからないを解決しに行ける。そうやって、ほかの人とは比べようにならないくらい遠回りでも、自分の中のモヤモヤした部分が晴れていくことは、とても嬉しいことです。

ハンドメイド作家は、自営業と同じで、自分ででやっていくか、得意な人を見つけて依頼していくしかありません。だから、できないことが多ければ多いほど、増えれば増えるほど、正解がないのかと焦ってしまいがちですよね。私もそうでした。でも、人間、生きていればわかるタイミングが来ます。そのタイミングが来てほしい時に来ないのは苦しいですが、わかる時が来れば、安心して次に進めます。

だから、ほかの人とは比べ物にならないほどマイペース&スローペースですが、音海奏乃は、カナ・ノワール堂は少しずつ前に進んでいきます。皆さんのもとに素敵な情報を届けるまでに時間がかかるかもしれませんが、これからも、よろしくお願いしますね。

きっかけアクセサリーのお店カナ・ノワール堂

音海奏乃

お試しさん


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