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小沢健二さん『マイクロ魔法的・ミッドナイト』観ましたか♡

キツネノートを朗読するozkn

いつもながら小沢健二さんの配信を観ると
いいがたい独特の気分に誘われます。

「視覚情報が多すぎる!」
「新しすぎる!」
「全体を通して情報量が多すぎる!」

など。

それからそれへ話の筋を追いつつも
いつか心があらぬほうへ向かいはじめる、
ということになるのです。

まるで、小沢さんの大好きな
長編小説の世界のように。

長編小説は読む人の時間を
めちゃくちゃ邪魔する。

読むのに時間がかかるのはもちろん、
長編小説を読んでいる間は
並行世界というか別の世界が出現して
現実世界の邪魔をする。

はいはい、早く終わってではなく
逆に最後の方のページになると
なるべくなら終わらないで欲しい
となってくる。

階段、終わらなければ良いじゃん
君とこのまま登り続けられるじゃんて。
長編は良い。

小沢健二マイクロ魔法的より

マイクロ魔法的・ミッドナイト

キツネノートを朗読するozkn

今回の配信は12月24日-26日。
ロケ地は千葉の下河辺牧場です。

なんと、小沢さんの
千葉のおばあちゃんの家だった場所だそうです。

とても寒そうでした。
見ている、こちらまで震えるようした。
(『ある光』の演奏は、とても熱かったです!)

「ひんやりする空気の中で光きれいだな」とか、
「小沢さんの髪きれいだな」とか、
「息白いのに声きれいに出るのさすがプロだな」とか

そんなことに気を取られながら
頭には小沢さんが読み上げる
お話のピクチャが浮かびます。

心ここにあらずの状態?

毎回、配信で
物語の世界のような
別の世界に入り込みます。

いつもの家のパソコンの前に
居るはずなのに。

M Vのこと

小沢さんは髪が最近、薄紫になって
ますます人間離れというか、
妖精?(天使?宇宙人?)という
愛らしい髪型になっています。

この日は新曲 M V
『運命、というかUFOに(ドゥイ、ドゥイ)』
の衣装を着て
可愛い可愛いとtweetが飛び交っていました。

毎回、MVで違う顔を見せる小沢さんに、
しばしばあわてます。

「大宇宙へ! と手を取り 飛びたいのだ」

『運命、というかUFOに(ドゥイ、ドゥイ)』より

手を取り 飛びたい!
小沢さんに二本の白い羽が生えても
きっと似合います。

ドゥイ、ドゥイ、
頭から離れない楽曲のリズム。

小沢さんの作品、言葉には
見る人の感覚を直接に刺激するなにものかが
いつも介在します。

小沢さんがつむぎ出す言葉のチカラに加えて
音、リズム、文字、色、匂い・・・など
なんらかの五感に作用するものが
動画から湧きだしてくるのです。

言葉で言ってみても、この感覚を
つかまえることはできません。

音楽を言葉で愛でるのは、難しい。
感性に響く言葉がそこにあると
そんな外見上の特徴を書くのも
むなしい気がします。

小沢さんの作品の多くが
見る人の共感を得ている事実を、
SNSを通して伝わる空気を、
いつも本当にすごいなと思います。

魔法的なこと

それにしても
小沢健二さんの『マイクロ魔法的・ミッドナイト』が
本当に『魔法的』と感じるのは
いったいなぜでしょう・・・。

今回も美しくチャーミングな
非日常の短編だと
思わずにいられません。

サラブレッドな育ちが滲み出てしまう
王子さま的な小沢さんと自分が向き合い
フラットな関係でそこに存在するような
夢のような時間を過ごしました。

全体にちりばめられた数々の
小沢さんの生活シーンとエピソードから
小沢家の雰囲気が詳細に伝えられます。

いわゆる一般家庭ではなく
本当に王子のような華やかな生活と
真面目で素朴な小沢さんの日常が
物語のように展開していきます。

下河辺敏子さんのこと

印象に残ったお話の一つは
小沢さんのおばあちゃんのお話です。

お味噌汁を作ってくれるおばあちゃん

・・・というと
お味噌汁を作ってくれるおばあちゃんだと思うだろうが
そこに住んでいた祖母、下河辺敏子さんが作ってくれた
お味噌汁を飲んだ記憶が全くない・・・。

祖母は水色のベンツに乗り
颯爽と渋谷の帝国ホテルに向かい
友人たちとアフタヌーンティーを楽しむような
享楽的な人であった。

めっちゃくちゃ洋風で
家の食器も壊れそうな高級品ばかりで
子供の僕から見るとトラップにしか見えなかった。

元々は馬用品を作っていたとかいう
フランスのエルメスの品物がよく似合っていた。

静かな祖父と違って
健ちゃん、あれはどうでこれはどうで
と色々教えてくれた。

しかし祖母はある意味、世間離れしていて
水色のベンツはうちの国産車と違って
でっかいエンジンの音がするから苦手だったし
なんか色々、圧倒された・・・。

そこである時
もう、こういう派手なおばあちゃんじゃなくて
味噌汁を作ってくれるようなおばあちゃんが良いんだよ
と思ったのを覚えている。

が、祖母は最高であった。
明るく楽しく颯爽と
日比谷、銀座、日本橋と三越、高島屋、伊勢丹、
キラキラした東京、そしてこの静けさの中に帰ってくる・・・。

今思えばカッコいい。
が当時は時々、思った。
味噌汁を作ってくれるようなおばあちゃんが良いんだよと。

小沢健二マイクロ魔法的より

・・・という非日常的な
小沢さんの日常場面に出くわします。

我が家は味噌汁もエルメスもなかったけれど
味噌汁もエルメスの良さもわかる今、
とてもワクワクする
心愉しいエピソードでした。

良いなあ、エスメスの似合うおばあちゃん。

小沢家の家庭の、むつみ合いの物語は
やっぱり王子的で、非日常的な世界だけれど
どこか日常に感じる
とんでもなくおもしろい
心理小説だと思いました。

静けさのこと

もう一つ、印象的だったのは

静けさは大好きだ。
静けさ、好きじゃないですか?

思う。
僕のリスナーは多分、都会に住んでいても
きっと静けさが好きだ。

小沢健二マイクロ魔法的より

私も静けさは、好きです。
大抵の人は、静けさが好きだと思います。
私の兄も静かに暮らしたい、と私に言ったし
父も母も静かに暮らしていたことを思い出します。
(なぜか、少し反省)

デザインのこと

興味深かったのは
運命、というかUFOに(ドゥイ、ドゥイ)M Vの
具象詩のデザインのお話です。

人のデザインのプレゼンを聞くのは
デザイナーという職業柄
ワクワクします。

運命、というかUFOに(ドゥイ、ドゥイ)MVより

具象詩のコレクションは
イエール大学にすごく大きなのがあるので
よくそこに行って見ていました。

それでいつか具象詩をやろうと思ってたんですけど
♪ 防御する壁、いっぺんに壊れ 
♪ 目眩がするんだ
 
っていうやつ。
これは壁っていう字をいっぱい並べて壁にしようって。

もちろん壁っていう字が壁っぽいから良いんですが
よく見てたら壁の下の土がスペースインベーダーの
チューンって打つやつみたいに見えてきて
じゃあスペースインベーダーの打つやつみたいにしたら
すごく良いじゃないのって
それでこんなデザインにしました。

小沢健二マイクロ魔法的より
運命、というかUFOに(ドゥイ、ドゥイ)MVより

あとは読むパズルっていうのがあって
♪ あなたから来る文字列は 
♪ 不思議の国の読むパズルパズルパズル・・
 
パってできた気持ちみたいな
気持ち良さみたいなものをやろうと思ったんです。

それでバラにした時にゲシュタルト崩壊するっていうか
一瞬アラビア語を読んでるみたいな
そういうふうになるのもすごく好きで。

小沢健二マイクロ魔法的より

まだまだ引用したい部分は
たくさんあるけれど
これは有料コンテンツ。

全てを書くことはできませんが
内容ぎっしり密度の
大満足時間でした。

盗撮文化について

ゴシップ(盗撮文化)への憤りについて触れたのは驚きでした。
まさか、そんな話をすると思っていなかったので。

小沢さんの口から直接聞けるのは
とても貴重なんじゃないかしら。

ご夫婦のことについても
触れていました。
とても美しい表現だと思いました。

普通にある、日常の暮らしと
芸能人としての悪夢。
「静けさ」への願い。

心がゆれ動き
浮き沈みしている様子に
外の寒さを忘れて
熱を感じられるようでした。

言葉の意味と、その真意を想像し
自分も何かこのネット社会で
やらかしてしまっていないかしら、、、と、
なんだか急に恥ずかしくなりました(*﹏*)。

言葉のチカラ

話の間じゅう思っていたのは、小沢さんの
「言葉の並べ方の美しさ」と
「事象と感情のバランス」です。
兎に角、事象の解像度の細やか!

小沢さんにあって自分に
決定的に足りないものは
事象の解像度、
リズムだと、
ずっと考えてました。

話から伝わる、人生に役立つ視点。
それを文脈の中でユニークに
小沢さんにしかない経験と言葉で
詳細に表現するチカラ。

日本とアメリカの文化の違い。
小沢さんのシンデレラストーリーならぬ
王子的ストーリー。
対して、軽薄で興味を駆り立ててしまう
俗な文化のことも。

小沢さんのおかげで
たくさんの非日常を味わいました。

配信を見なければ知り得ない小沢さんの日常に接すると
自分の生活にも思いを巡らせてみたくなります。

すぐにでもやってみたいのは
りーりー君オススメの本を読むこと。
#いえめぐり #魚社会

もう1つは、小沢さん的に
静けさの中で集中してみることです。

静けさの話。
時々、携帯の使用を最低限にする期間を持ったりする。
首の後ろに刺さっているプラグを抜くのだ。
今年の夏もアメリカの家でプラグを抜いて過ごしていた。

小沢健二マイクロ魔法的より

首の後ろに刺さっているプラグを抜く(笑)
やります!

「好き」について

ozknファンの皆さまのこと

小沢さんのファンの皆さまが
「ozkn 大好きーーー♡」
「ケンジーーー♡」

と叫ぶなか
私はなんて愛が足りないのだろう・・・
と愕然とします。

「×100くらい好きになった」
なんて言ってみたいです。
言われることはないだろうから・・・。

みんな、小沢さんのことをとても褒めていて
知性、表現のカタチ、
文化、多様性についての理解、
言葉、楽曲、デザインのセンス、
みんな本当に小沢さんが大好きなんだな〜と
改めて確認します。

旦那さまと好きを共有できるなんて
とても素敵だなあ。

小沢さん、たくさんの人に愛されて
しあわせだろうなあ。

私も皆さまと同じように
小沢さんの考え、感じ方、言葉を聞くのが好きで
小沢さんの視点を知りたいと思います。

「白鳥は黒い」って小沢さんが言うなら
白鳥も黒く見える気がします。

驚くのは
(他を良く知らないだけかもしれないけれど)
小沢さんのファンは全員、家族みたいで
愛を身近な人たちに
さらにその周囲に
広げているように感じます。

小沢さんが与えれば与えるほど
ファンから与えられて豊かになる感じです。

かといって内輪で入りにくいわけでもない。
ウェルカムな感じ。
安心な場所である感じ。

ファンの人がグッズ提案しているのも時々見かけて
クオリティが高くてびっくりします。
カルタとか。
ステッカー的なものとか。

「ケンジーーー🐰♡」
と叫ぶファンの声も微笑ましく思うし
ファンが毎日、小沢さんのことを気にかけていることに
びっくりします。

小沢さんが
首の後ろに刺さっているプラグを抜いて
世間と断絶している時でさえも。

感謝の言葉や愛の言葉を頻繁に伝えているの、すごいです。

幸せの鍵は『つながり』っていうことが感じられて
本当にすごい。
幸せに人と、つながることができているの
本当にすごい。

だから、私も遠慮なく
ファンの方にはファン心を伝えたいです。

それでも小沢さんファンの
100分の1くらいの熱量だと思うのです。

「好き」について

どなたか配信後
ドキっとしたことを書いている方(女性)がいました。

小沢健二さんの異性的な部分じゃなくて
同性性に惹かれる、
みたいなこと。

あまり他では見ない言葉で
とてもおもしろいなあ、と思いました。

確かに、小沢さんは
両面性があるかもしれません。

女の子みたいに可愛い表情があるし
女の子みたいに可愛い髪色、髪型だし
女の子みたいに可愛い服装をしていたりします。

可愛らしいozkn

対して
誰より先陣切って新しい世界を見せてくれる姿は
とても男性っぽいなあ、と思います。

私は「好き」という気持ちについて
なぜだろう?と考えるのが好きです。

好きなことや楽しいことをやってる人は
強そうだからです。
敵わないからです。

「なぜか分からないけど好き!」
というのがきっと一番、強いのに
なぜ、みんな一生懸命、言語化して
感情を分かち合って
味わったり楽しんだりするのだろう・・。

「好き」みたいな
「愛」みたいなものを伝える文化を
おもしろく愛おしいなあと思います。

自分の「好き」はどういう好きなんだろう・・・。
「好き」の解像度を高めるために
たまに「好意尺度と恋愛尺度」を見たりします。
自分でも、よく分からないので。

ルビンの好意尺度と恋愛尺度(ルビン1970:藤原ら1983)


小沢健二さんという人は私にとって
左の好意尺度(特に1〜4)が
とっっっても高いのです。
(慕う方、尊敬する方は大抵、「好意尺度」が高い)

たまに、右の恋愛尺度に含まれる
「助けてあげたい」という
おこがましい気持ちになることがあるのですが
それはそれで大事にしています。
恋とか愛とかじゃないとしても。

ちなみに、私事で恐縮ですが
「○○さんへ愛を込めて」的なタイトルの note 記事を書いて
後日、見返して自分の勇気にびっくりします。

後のことを考えていない、というより
後に何もない、と考えているから
そんなタイトルをつけられるのです。
およそ、芸能人の方と
対面で会うことなんて無いですし。

もしかしたら
「記事の内容、届け(> <)!」
という強い気持ちがあるかもしれません。

だから、もし、どこかで
「好き好きオーラ」を発している投稿を見かけたら、どうか
ファンなんだな、たんなる好意の好きなんだな、と思って
あたたかく見守っていただければ幸いです(^-^)。

配信、見ることができて、しみじみ、とても幸せです。
最後の演奏は、『ある光』。

静けさへ向かって爆音を鳴らす!ということで
寒い中の小沢さんの熱情。
すごかったです。
(あなたも、その目で確認したでしょうか)

こんな小沢さん、見たことなかったなあ・・・
『ある光』、とんでもなく良かったなあ・・・

***

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