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“Push the button to open the door.” 「ボタンを押してください。」

“Push the button to open the door.”

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いつか聞いた言葉が、なぜか今朝から頭に浮かんで離れない。

何で聞いたんだっけ。

映画?

ドラマ?

どちらにせよ、何かSFっぽいような、人間の内側の世界を描くような、少し不思議な感じの内容だったように思う。

あるいは、勝手に私の頭の中から湧いてきたのか?

その言葉が、男性の低い声で機械的に繰り返されるのだ。

たしか、映画だかドラマだかの主人公が目の前に起こっていることを理解できず混乱するシーンでその言葉が流れていたような、そんな気がする。

そして、実際になんらかの「ボタン」を押していたかどうかはわからないが、次の瞬間にはまったく違う世界にいる。

自分の身体はそのままなのに、まったく違う人生を生きているのだ。

ただ、その物語の結末は全然覚えていない。

問題は「その言葉が一体、私に何を伝えようとしているのか」ということだ。

“Push the button to open the door.”

確かに2日前、私は急に思いたってパソコンの描画ツールで絵を描き始めていた。ちゃんと絵を描くのは、もう1年ぶりになるだろうか。

「もう私には、絵を描くことなどできないかもしれない。」
実は、内心そんな不安もあったのだが、描き始めてみると意外にもどんどん絵が完成していく。
しかも描き始める前に「どんな絵を描こう」などとイメージするでもなく、何かを観察してスケッチするでもなく、ただ色と線を組み合わせ、重ね合わせていくうちにいつのまにか作品が出来上がっているのだ。

あまりにもスムーズにどんどん描けるので、私はすっかり嬉しくなって何時間も描き続けた。

🌛

初秋の日が暮れて、室内が暗くなるまで。
キラキラとした眼差しで、愛犬達にご飯をせかされるまで。

その夜にふと湧いたイメージが、「ボタン」だったのだ。

次は「ボタン」を描こう。

そう思うとなぜか、無性にワクワクしてきた。

♡♪︎♡♪︎♡♪︎

なんだかわからないけど、押したくなる「ボタン」。

それを押したら何が起こるのか?

もしかしたら、世界がくるりとひっくり返るのかもしれないし、「お笑いバトル」のように床がパカッと開いて「ひゅー!」とどこかに落ちていくのかもしれない。
いや、逆に「ばびゅーん!」とロケットのごとく、体が宇宙に向かって打ち上げられるのかもしれない。

あるいは、ただ洗面所の照明が付くだけかもしれないし、はたまた…

押すと同時に「ボタン」のついた壁の別の場所から、また同じ形の「ボタン」が現れるのかも。

あるいは、隣の家の犬が急に人間の言葉を喋り出すとか、「スマホ」という存在そのものが世界からも記憶からも消去されるとか。

あるいは、子どもを産み育てるのが男性の役割になるとか。

あるいは・・・あるいは・・・。

想像し始めると止まらなくなるので、このへんでやめておこう。

まぁ、とにかくワクワクするのである。

「ボタン」。

押したくないですか?

**

実は、私は今朝の瞑想の中で
「私は『ボタン』を押します。」と宣言してから、「エアボタン」を押してみたのだ。

だから既に何かが起こっているはずである。

隣の犬?🐶

それとも、うちの犬か?🐶🐶

いやいや、なぜ犬にこだわるのだ。

もしかしたら向かいのネパール料理店で何か起こっているかもしれないのだ。
なぜかわからないけど、急に行列ができているとか。

いやいや、もしかしたら大家さんのご夫婦に子どもができるとか。

いやいや、もしかしたら・・・。

私はここでふと気づいた。

「ボタンを押すと起こること」は、なぜか自分以外のものにしかイメージが湧かないことに。

なぜ?どうして?

「ボタン」を押したら、自分自身に何かが起こるかもしれないではないか。

っていうか~、

じゃあ何のために「ボタン」を押したのだ。

・・・えーと、ただ押したかったからです。

何が起きるかわからないのに?

・・・はい。

もし何かが起こったとしても、それに気づくことさえできないかもしれないのに?

・・・はい。

「自分という存在そのもの」が世界からも記憶からも消し去られるかもしれないのに?

・・・はい。

お前、さては・・・ふざけてるな?

・・・はい。ふざけてます。

おいおい、「ふざけてます」とは何だ。
そんな無責任なこと言って、許されるとでも思っているのか?
お前、一体「何様」だ?

・・・私は・・・「神様」です。

神様だ~?どの面下げて、よくもそんな。

えーと、こんな面です。

こんな手です。

こんなお尻です。

こんな足です。

こんな内臓です。

こんな骨です。
こんな・・・

わかった。もういいよ。

「ボタン」を押したがっているのは、私の中の「神様」だった。
神様はかなり好奇心が強くて、無邪気な子どものような性格なのだ。

無邪気だから、何をしても何を言っても結局は許されるのだ。

だって、子どもに向かって「責任をとれ!」なんて言えますか?

神様は私の中にだけいるのではない。

あなたの中にも、あなたの中にも、そして、

あなたの中にも。

さぁ、どうぞあなたの中の神様のために

「ボタン」を押してみてあげてください。

何が起こるかは、押してからのお楽しみ。


♡♡♡最後までお読みいただき、ありがとうございました。あなたの幸せのヒントが見つかると嬉しいです^^!いっっぱいの愛をこめて。♡♡♡

桑田華名

お読みいただきありがとうございます!いただいたサポートはクリエイターとしての活動に使わせていただきます。エッセイ、小説、イラスト、瞑想日記など…いろいろ投稿してますので、是非また遊びに来てくださいね!