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55歳の地図

つい先日、55歳になった。
過ぎたことを振り返るのはあまり好きじゃないのだけれど、軽く振り返りながら
今感じていることを書き出してみたいと思う。
何も考えずに文章を書くのは本当に久しぶりである。さて、どうなることか。

とにもかくにも55年もの間、よく生きてきたと思う。
あんなにちっちゃかった赤ん坊が2本足で歩き始め、本を読み、ピアノなぞを弾いたり歌なぞを歌ったり、男の子を好きになったり、お化粧をしたり、絵を描いたり、「生きるとは」と悩んだりしながら、恋愛と結婚と離婚を繰り返したあげくに「楽しけりゃなんでもいいや」と思えるところまで成長したのだ。考えてみれば、とんでもない成長ではないか。

私だって、10代や20代の頃はまさかこんなふうになるとは1ミリも思っていなかった。
まさか、こんなふうに納得いく結果になるとは。

だって2回も結婚に失敗した上、子どももいなければ恋人もいない、キャリアも収入もほとんどない「55歳の孤独なおばさん」が幸せであるはずがない、とあの頃の青々しい自分が考えただろうことは十分に想像がつくからだ。

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今、はっきり言えることは「気が済むまでやるしかないのだ」ということ。

私はものごころついてからの約50年を通して、興味をもったことを気が済むまでやってきたのだと思う。死ぬほど勉強したり、死ぬほど人に媚びたり、死ぬほど働いたり、死ぬほど恋したり、死ぬほど悩んだり、死ぬほど傷ついたり・・・。

だから、何も後悔はしていない。
やりたいことを死ぬほどやって気が済んだので、基本的にはいつ死んでもいいと思っている。


日向ぼっこする愛犬サクラと至福の時間


できれば「ご褒美のような人生」が少しでも長く続いてほしいとは思っている。が、そんなふうに思えるようになっただけで、私にとってはもう十分にご褒美なのだ。

もしかしたら、私と同じような経験をしてきた人もいるかもしれない。でも、同じ結果にはなっていないはずだ。なぜなら、すべての人はたった一人のオリジナルな存在だから。


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私の人生に関わってくれた、すべての人たちに感謝したい。
なぜなら、すべての人が、私が唯一無二の「私」として成長するために、あらゆる協力を惜しみなく提供してくれていたからだ。

私をこの世に生まれさせてくれた両親をはじめとして、学校や職場、趣味や地域のコミュニティで、街角で、旅行先で、SNSで、私が様々な経験をすることをサポートしてくれた皆さんに、心から感謝申し上げたい。

「様々な経験」とは履歴書に書けるようなものだけではない。というか、むしろそれよりもずっと多くの「どんなときに何を感じたか」という「思い」は何にも代えがたい宝物であり、これこそが唯一無二の経験である。

ちなみに、わたし自身もまたその人たちの協力者である。

私は、私に関わった人々から「経験の機会」を与えられたと同時に、その人たちに与えてもいたのだ。つまり、受け取りながら与えていたということ。
だから、すべての恩返しは済んでいる。「はやく返さなければ」などと思わなくていいのだ。

というわけで、私はいつでも心置きなくこの世を去る準備ができている。

「この世」でも「あの世」でも自分という存在は同じだと気づいたから、どちらでもいいのだが。

今の私の興味は「夢と現実はどこまで溶け合えるか」ということ。
言ってみれば、「この世」と「あの世」の融合である。

そして、自分だけの世界に生きていることを自覚している私が、他者と交流することを通して、何が生まれるのかということ(実はすべての人は自分だけの世界に生きている)。



自分だけの世界に生きていることを日々実感しはじめた私は、最近、「地に足をつける」という言葉が以前ほど嫌いではなくなった。

以前はこの世界はほかの誰かのものであって、私は隅っこを借りて「生きさせてもらっている」という感覚があったからだ。この地球は、本当は私そのものだったのに。
それに気づいた、というか「私はそういう世界に住んでいる」と設定することで、誰にも遠慮せずに生きられるようになった。
これもまた、最近のことである。


🌿🌿

・・・とまぁ、55歳になって思うことはこんな感じである。
意外とたくさん書けて、ちょっと驚き、ちょっと嬉しい。

さて、これを読んでくれているあなたは今何歳で、何を感じているだろうか。
何歳だろうと、どんな経歴だろうと関係なく、「今感じていることがすべて」である。

あなたが今、幸せを感じていることを心から願いつつ。


桑田華名


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