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大五郎、セラピードッグへの道【5】

【前回までのあらすじ】セラピードッグになるための第1トレーニングをほぼ、お情けレベルで終了大五郎(ヨークシャーテリア、雄、1歳)ここで第2トレーニングに行く前に問題犬コースを薦められ、がっくり肩を落とした私なのであった。セラピードッグへの道は遠い。前回の話↓↓

問題児コース。かろうじて最初の訓練をクリアしたものの、次に勧められたのは他の犬や人に吠える犬たちへの特別クラスでがっくり力を落とす私。いやだがしかし、大五郎の悪五郎ぶりを鑑みるに妥当な提案である。

何だって大五郎が他の犬にぎゃんぎゃん吠えるようになったのか。タイミングも動機もまったく不明であり、また我が家の他の犬たちはそんなことをすることがなかったので頭をひねるしかない。

他の犬への興奮っぷりもそうだが、大五郎は他の犬と同じように飼育しているのだが、父犬リンゴと母犬まめが幼い頃にはしでかさなかったことをする。これを我々は、「大五郎パーティ」もしくは、「大五郎ナイト☆フィーバー」と呼んでいるのだが。まずはこちら。

大五郎パーティその1:ティッシュ、トイレマットで遊ぶ

何が楽しいのか、ティッシュやトイレマットを食いちぎり、散らかし遊ぶ。ちなみにおもちゃの綿抜き作業も大好きである。

そしてこちら☟☟。これは現行犯を捕まえた瞬間。表情に注目していただきたい。この「しくった……」という表情。貴様……

大五郎ナイト☆フィーバー。テーブルの上にのっかりウロウロして遊ぶ。

ダイニングテーブル、コーヒーテーブルの上に乗り、ウロウロする。これは、人間のいるところでは怒られるのがわかっているのでしでかさないのだが。まず椅子を動かす椅子に乗るテーブルに乗るという3コンボ。こんな時だけ「賢い悪五郎さん」なのである。

そもそも私が、あれ?こいつ、ダイニングテーブルに乗ってるんじゃね?と思い始めたきっかけは、齧られた木製のコースターを発見したからである。

無残に齧られた木製コースター

出かける時は必ず、危険なもの、齧られそうなものなどは犬たちの届かないダイニングテーブルの上や棚などに収納する。このコースターだってダイニングテーブルの上においてあり、そもそもダイニングテーブル自体、結構な高さがあるので、まさかね……?と思いつつ、お留守番カメラをダイニングに仕掛けたところ、まさかだったよ!(叫)慣れた様子で椅子を動かし、椅子にのり、テーブルに乗り、テーブルの上で嬉しそうに尻尾を振り、ぐるぐる回って遊ぶ「大五郎ナイト☆フィーバー」具合を確認したのである。大五郎ナイト☆フィーバーは15分ほど繰り広げられていた。

繰り返すがこれは、人間が家にいる時はしでかさない。怒られるのを知っているからである。リンゴ、まめが良い子すぎたのかもしれないが、大五郎はなぜか悪なのである。Natural Born 悪五郎さんなのである。どこで知ったのか、何がきっかけなのかまったく不明。楽しいのは大五郎だけ。

で、話を問題児コースに戻そう。何が特別かって、まずお値段が特別。少数人数、トレーナーが常に1匹、1匹に注意を払いまくりで徹底指導されるコースなため、お値段約2倍。そしてセットが特殊。他の犬などに吠える犬たちの視界を遮るため、個々に大きな目隠しとベッドのセットが用意される。

トレーニングクラスの写真より

このセットに犬を落ち着いた状況で連れていきたいため、学校に到着したら車の中で待機。一匹、一匹が呼ばれ、クラスの中に入るのである。勝手にクラスに行くのは厳禁。ちなみに☟こちらが大五郎 in the set

クラス初日。おりこうさんに見えるが、全然違う。10分ほどの格闘のすえ、ようやく落ち着き(=ご褒美肉をたらふく食べ)ようやくベッドに座ることにした大五郎。

そして上記の写真でお分かりいただけるかもしれないが、クラスは6匹限定で、ほぼほぼ大型犬である。大五郎のクラスオリエンテーション(飼い主のみ、必須)でも他の犬たちはシェパード、ピットブル、ピットブルミックスなどで「あ、うちはヨークシャーテリア1歳です」と言ったら爆笑された。

確かに、大型犬の場合、攻撃性の強い🐶であると、小型犬に比べて、人にも他の犬にも多くの危険があるわけで、このクラスへの必要率も高い。けれど上の私の可哀そうなコースター写真をみていただきたいが、ヨークシャーテリアとて結構な力で噛みついたり、齧ったりするので万が一、人やよその犬に噛みつくようなことがあったら怪我は確実にする。

同時に、大五郎は家の3匹の中で一番大きいため、自分の事を『世界一大きい🐶』と思っているようであるが(アホ五郎ゆえに)他の犬に攻撃して、やり返されるのは何をどう考えても小型犬である大五郎なのである。その辺を理解させねば大変なことになってしまう。

そもそも大五郎はセラピードッグを目指しているため、他の犬や人間、動物等に興奮してはいけないのだ。だがもう、こうして「セラピードッグに!」などと書いている時点で「大五郎、僕はもう疲れたよ」などと言いたくなる私である。かの名犬パトラッシュとネロ少年に失礼であるが終わりの見えない大五郎、セラピードッグへの訓練に眩暈を覚えるのである。

第1クラスでもオリエンテーションはあったのだが、そこでは特別に飼い主同士のコミュニケーションや会話などは無く、ただただトレーナーさんの話を聞くだけであった。だが、問題児クラスは違った。なんせ皆が、同じ問題で日々、大変な思い、かつ、恥ずかしい思いをしているのである。みんなが共感しまくりで、一気に仲良く話すことになる。結束力、団結力のようなものまで感じてしまう始末。

スティーブンキングの小説で映画化もされた『クジョー』(Cujo)なる狂犬病になったセントバーナード犬がそれはそれは恐ろしい勢いで涎をダラダラたらし、吠え捲りながら、そして時にはとても賢いやり方で、じゃんじゃん人々を殺していくという作品があるのであるが。

映画のパッケージだけでもこわいわ。クジョー

私以外の5人の飼い主はすべて口をそろえて「うちの犬は人間には良いのだが、他の犬を見るとクジョーになる。まさしくクジョーであり、クジョー以外の何物でもなく、困っている」と言っていて、原作を読んだ・見た私はひぃぃぃっとなった。大五郎なんてアッと言う間にやられてしまう!ひとくち、がぶり、である。ヤツ(大五郎)には身の程、身の丈を知らせねばならぬ、と私は強く決心した。

因みに攻撃性のひどすぎる犬については、クラスに来るにあたり、マズルという口枷の装着が要求される。今回のクラスでは2匹がマズル着用であった。

そのオリエンテーションで第1トレーニングで申し込んだのだがあまりの興奮ぶりに第1トレーニングは無理と判断されこのクラスに来た、と言っていた飼い主さんがおられたので、とりあえずお情けとはいえ、大五郎は第1トレーニングを終了しているので、アホアホと言ってもそこまででもなく、悪ワルといっても小物なのである。言うなればタイムリープ前のタケミチ君(漫画・アニメ:東京リベンジャーズに出てくるへなちょこヤンキー君)のようなものなのだ、と思い、私はにちゃっと気持ちの悪い笑みを浮かべた。

これを夫アルゴに伝えたところ、「ふふ、始まる前から退学になる子もおるなら大五郎はまぁまぁだな」と同じようなにちゃっとキモい笑みを浮かべていた。比べるのは良くないが、でもやっぱり少しだけホッとした。

トレーナーさんは、「おやつはトップレベル、レベル4のものだけ。つまりチキンかステーキのみ(おいしいおやつをあげて行動させ、褒めるため)そしてリードは 4ft (120cm)のみ、ご褒美方式をとるので夕飯は抜きでクラスにくるように」と限定。ちなみにクラスは夜の8時開始である。ここでは少しばかり私に有利である。なんせ大五郎はチビなので、他の飼い主さんほどに肉おやつの準備をしなくていいのである。ふふふ。

第1クラスではおやつは、レベル3(チーズとか)~4(肉類)のもの、リードは6 ft(180cm)だったので、ここいらからもがっつりとトレーニングをするぞ!という意気込みが激しい。短いリードの方が犬のコントロールがしやすく、また、トレーニングにおいては「いう事を聞くのは犬」であることを理解させなばならないからである。

更には、クラスに行く前は散歩などをしてエネルギーを消費させ、できるだけ落ち着いたリラックスした状態で来るようにと指導される。犬を落ち着けるためのグッズの紹介もあった。

興奮を抑えるスプレー

その3でも書いたのだが、なんとなくではあるが私は大五郎がトレーニングにくると異様に興奮する理由に、車に乗せられること、りんご・まめと離れる分離不安も一部であろうと思っていたので、このスプレーを試してみた。これは母犬のホルモンの匂いらしく、分離不安や車での移動などでの不安を軽減させるのだという。クラスに行く30分ほど前に車のシートに吹きかけ、大五郎にもバンダナや服に吹きかけて着用させた。これはほどほどに効いたような気がする。ついでにまめこ(母犬)さんの着用したシャツも一緒にいれた。

ペット産業は巨大であるので今や色んな種類のペット用品があるのであるが、この「ペットを落ち着かせるグッズ」も諸々ある。ちなみに我が家ではこのスプレー以外には、おやつと水に入れるオイル?的なものを使っている。

カモミール、ラベンダー風味っていったい何なのか謎。効いているのかは謎だけど我が家の犬たちはここのシリーズの噛みかみおやつを非常に好んで食べる。
こちらは自然素材由来のレメディ。人間用もあり私が使用し、効いた気がするので購入。これを飲み水に数滴いれて、飲ませる。

何が効くかはわからないけれど、これらのグッズはいくらかの助けにはなるので、分離不安や興奮しやすい🐶たちに試す価値はあるなぁと私は思う。実際のところ、このクラスで紹介される前は、色々あるのは知っていたけど、眉唾やな!高いし!という理由で試したことはなかった。

この気持ちを落ち着かせる犬グッズであるが。私が毎週、月曜日夜に大五郎のみを連れてどこかに行くことに大層な嫉妬心と夜に私がいないという事実に大絶望するリンゴにも大層、効果があった。リンゴにはスプレー、おかしの他に私の来ていた服を与えた。リンゴはもうただ、ただ、私と一緒にいたい犬であるので私がいないとそれだけでしょんぼりなのである。ちなみに、気高き賢きまめこさんは、私が帰ってくることを承知しているので、あ、そ、またね、程度のものである。

オリエンテーションでも宿題をだされた。宿題は、犬ができるだけ飼い主に注目するようにクセをつけさせること。おやつを目の前にして、言う事を聞いたらクリッカーという道具で音を鳴らしてからやつをあげることを学ばせること。そして、おとなしい状態である時、例えば、ただ床にリラックスして寝そべっている状態など、それを褒め、それがCalm、落ち着いている状態であることを学ばせること、もちろんここでもクリッカーの音とおやつのセット。

大五郎は第1トレーニングでこれらのことをやっていたため、これはかなりのイージートレーニングである。ただうちの場合は3匹いるため、皆を同じようにトレーニングすることになる。これがなかなかに難しい。だが同時に、「1匹だけお金を出してトレーニングに行っているが、同時に他の2匹にもトレーニングができるようになるわけで」と考えれば、手間暇はかかるがこれは有利なポイントでもある。

こうして様々な心構えをし、私と大五郎はいよいよ問題児クラスに行き始めたわけである。

To be continued……

タイトル:絶望のリンゴ
大五郎のトレーニングに行く準備を見つめ、絶望するリンゴと。クラスに行くのだというのに暢気に寝る大五郎と、どうでもよさげなまめこさん。
実際の問題児クラス第1回目。車の中待機。落ち着きのない大五郎。

そのほかの我が家の犬の話(別名:私の犬バカNote)


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