未来の君へ

誰に向けて書くか。恥ずかしながら私が読みたいので、私自身に向けて書いている。

なぜ私が書いたものを、私が読みたいのか。
思考の整理のため、自分が書けるものは何かを知るため、で書いている一方で。若い時分にこんな物語を読みたかったな、こんな物語を空想してたな、というお話を形にしたくて書き出している。

十代の時にしか書けないもの、二十代の時にしか書けないものがある。今の私にしか書けない、その年齢の熱量がこもった文章がある。それを書き留めておきたい。

時間が経ってから読み返すと、あの時はこんなふうに思っていたなと懐かしい。そして自分の文章に赤面する。十代の頃に書きなぐったお話は、今読めば顔から火が出るほど恥ずかしい。あの頃は、こういうの好きだったよな、と十代の過去の自分が他人のように遠い。

過去の自分から、未来の自分へ向けた手紙のような。今の私が過去の私へ向けて、当時自分が読みたかったものを送るような。そんな気持ちで物語を書いている。

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