ここではない世界
夏のやったるぞ感が抜けて、廃人だったんですが、そろそろ自分を取り戻さないとあっという間に1年が終わってしまう!と目が覚めました。
なので今日は久々に本の感想を書こうと思います。
両手にトカレフ ブレイディみかこ 著
ブレイディみかこさんの長編小説。
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」には大々的には出てこなかった女の子の日常が小説として語られた作品。
出てこなかったというけど、2でカッコいいラップ歌う女の子出てきたような気がするので、その子のお話かな?
イギリスのミアと時を越えて繋がる日本のカネコフミコ
貧困な家庭で毎日ままならない生活を送っているミアが、図書館で出会った
1冊の本。それは100年も前の日本人女性が経験した幼少期の話。
読み始めからミアの生活に対しての不安が。
何より14歳の女の子がこんなにも生きることに対して絶望的なのが苦しい。
でもこれは遠く離れた国の話、、、で終わらないのがカネコフミコの存在。フミコは紛れもなく日本人で、日本と朝鮮で生きた人だから。
どうしてこんなに地獄みたいなことが毎日のようにミアには起こるのでしょうか。でも、生きる(食べていく)不安もなく真っ直ぐ歩めることは、当たり前のことではないのかもしれない。
それでも、どうにかそんな不安を感じないように過ごせたらとも強く思いましたね。
本と音楽は違う世界への入り口
なかなかにツライことがたくさん起こるんですが、ミアには文才があるし、リリックを書いて一緒に音楽やろうと誘ってくれる友達がいる。
そして何より寄り添ってくれる本がある。
ここではない世界を見せてくれるし、今いる場所から違う世界は繋がっているんだと希望を持たせてくれる。温かい気持ちになります。
同じ環境じゃなくても、同じ気持ちになったことはあるなぁと。
知らないふりはできない。
きっと日本でも似たようなことはある。そう思って自分で何ができるか考えてみようと思います。
余談ですが、金子文子を詳しく知らなかったんですが、
「金子文子と朴烈」という映画の文子だったんですね。
韓国映画の視点で鋭くて、すごいなー。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?