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空手道と禅の共通の目的と空手道の起源

1. 空手道と禅の共通の目的

空手道と禅は、一見すると異なる伝統ですが、根本的な目的は同じです。それは心身の調和を追求し、自己を高めることです。本記事では、空手道と禅の歴史、哲学、実践方法を探り、両者の一致点を明らかにします。これにより、空手道を学ぶ者が禅の思想を取り入れることで、さらに深い修行と内面的成長を達成できることを示します。

2. 空手道の起源と禅との関係

空手道は、沖縄の民族武術「唐手」から発展した武道です。中国の武術が琉球王国(現沖縄)に伝わり、地元の武術と融合して発展しました。特に16世紀以降、沖縄では「唐手(からて)」として知られ、中国の拳法や武術の影響を受けました。さらに20世紀初頭、大正時代になって日本本土に普及しました。その際、空手道の名前や思想に、鎌倉の歴史的な寺院である円覚寺が大きな影響を与えました。

円覚寺は、鎌倉時代に建立された臨済宗の寺院で、禅の教えを伝える場所として知られています。円覚寺の元管長である古川堯道老師は、空手道の四大流派の一つである松濤館の初代館長船越義珍師と親交がありました。古川老師は、船越師に対して、唐手の「唐」の文字を「空」に変えることを提案しました。これは、般若心経の一説「色即是空、空即是色」の概念を取り入れたものでした。船越師はこの提案に賛同し、「空手」という名前を使うようになりました。

船越師は、円覚寺での禅の修行を通じて、空手の鍛錬方法の一つである「形稽古」に深い境地を見出しました。また、日本本土で発達した柔術などの他の武道とも交流し、空手の技術と思想を高めました。こうして、空手に「道」を加えた「空手道」が誕生しました。

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