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受け止める|キャリコン受験記_vol.2

キャリコン受験記vol.1

2019年7月に初めて受けた第12回国家資格キャリアコンサルタント試験は残念ながら不合格

学科は78点でなんとか合格。
実技は87点であと3点だった。

論述:35点
面接:52点
主訴・問題の把握: A
具体的展開:B
傾聴:B
振り返り:A
将来展望:A

ダメだろうと思ってはいたけれども、いざ不合格通知が届くと落ち込んだ。
論述がダメだったと思い込んでいたので、面接の点数の悪さが悔しい。

みんなの言葉に耳を傾けて、論述と面接は切り替えて挑むべきだったのだ。

みんなあんなに応援してくれたのに。

同じ養成クラスのグループLINEでは合格した人たちの「なんとかギリギリ」や「自分はラッキーだった」という言葉が添えられた通知が届き、心の中では「おめでとう」と言いつつも、それすらも見たくなかった。

育休あけすぐに挑んでしまった自分の環境を悔やんだりした。

と言いつつも、いつまでもウジウジしていても仕方がない。
自分の中で合格できなかった理由を内省した。

直前のロープレで上手くいき、どこか「これならイケる!」という驕りはなかったか?
目の前のクライエント(役)に向き合うことよりも、上手にできることを意識していなかったか?
育児と仕事と勉強を「両立している割にはがんばっている」と甘えていなかったか?
自分がキャリコンになるということに、まだ役不足だと自信を持てない自分がいなかったか?

結果を受け止めるまで

振り返るほど自分の甘さが結果に現れていると思った。

それが分かると、基本である「傾聴」がBの私が、まだキャリコンにはなってはいけなかったのだ、という必然の結果に思えてきた。

そこを認めることができると、落ち込むだけ落ち込んだ後は「次の試験を受けたい」という気持ちに切り替わっていた。

同時に、勉強の自体がとても有益だったので、
「次回もダメなら自分にはキャリコンは向いていないかもしれないけど、勉強したことは無駄ではない。仕事、人生、子育てに活かせるはず。」
「(名称独占なので)資格がなければ仕事ができないというわけではないし、資格があるから仕事が得られるわけでもない。次回ダメだったらどうするかはその時に考えよう。」
と思えるようになった。

とにかくこれからは実技(面接)に集中すればいい。

出会いと気づき

学科は合格できたので、全力で実技に向き合う。

ほぼボランティアでロールプレイングをしてくださっている先輩にも出会え、毎週その勉強会に参加させてもらうことができた。
参加者はほぼリベンジ組。みなさん年上で、素敵な人たちばかりだった。
誰かと比べてうまくやろう、という肩の力が抜けたような気がする。

「伝え返し」のコツをは、本当に目から鱗だった。

・最後の言葉を的確に拾い
・言葉を変えずに返す
・その後の間(待つ!)と相槌

クライエントから自然に言葉が出てくる、そこまで待てるようになった。

もうひとつ感動したのはロープレ練習会を主催してくれている方のフィードバックだ。
的確に、でもこちらのテンションを下げないようにフィードバックをくれる。
決めつけもない。

直前にはとにかく自信を持って試験に挑める気持ち作りをしてくれた。

試験2週間前、私は90%くらいの高いテンションで本番を迎えようとしていた。

しかしこの後、他の方のフィードバックをもらおうと、1回目の試験でお世話になった先輩の勉強会にも参加したのだ。
前回たいへんお世話になったので、成長した姿を見せたいという思いもあった。
(2回目はスケジュールを合わせられず追い込みまで参加できなかった)

そこで私は久しぶりにネガティブなフィードバックを受ける。

また同じ事を繰り返すの?

自分はまたダメかもしれない。
そんな悪い想像が頭のなかに広がって、目の前が真っ暗になった。

私は動揺していた。

振り返りで、自分の課題と一緒に、ネガティブな気持ちになってしまったことも伝えた。
でも、そこでどんなフォローをもらっても、一度落ちた私のテンションは戻らないのだ。

「またダメかもしれない」そればかりが頭を過り、また「上手くやろうとする私」が現れだした。

それはすぐに結果に表れる。
いつもの練習チームでロープレをしたときに、私は泣いてしまった。
「今日はどうしたの?」と思っていたようだ。切れ味が違うと。

「またダメかもしれない」と怖くなって、突っ込んだ質問ができなくなっていた私にいつも通りで大丈夫と言ってくれた。

私はこのロープレのおかげで少し浮上できた。
そしてもう一度、1回目の試験でお世話になった先輩のロープレ勉強会にも参加することができ、そこで(気を遣わせたのかもしれないが)なんとかいつも通りに近い形で向き合うことができた。

まだ不安は消えない。
でも、失敗を引きずり不安になることはなにもいい結果を生まないことは1回目の試験が証明している。

だからとにかく、私は目の前のクライエントに向き合うしかない。

試練は乗り越えない限り繰り返す

本番当日、なんと試験官のキャリアコンサルタントは前回と同じ人だったのだ。
何人の試験官がいるのかわからないが、かなりの人数がいるはずだ。同じ人に当たる確率はどれくらいなのだろう。
(今まで「私も」という人に会ったことがない)
まして、1回目の口頭試問ときに「この人苦手だな」と思った人だ。

動揺しながらも、「いつも通りの自分」で目の前の人に向き合う。
それしかない。

やっぱり、試練というのは自分の力で乗り越えない限り繰り返すものなのかもしれない。

実技の結果は……

99点

論述:41点
面接:58点
主訴・問題の把握: A
具体的展開:B
傾聴:B
振り返り:A
将来展望:A

合格だった。

同時に、課題と強みも明確になった。
たぶん私は主訴を捉えるのが得意だ。これは今後も伸ばしていこう。
でも、たぶんこの強みが傾聴の邪魔をしている。
だから、私は意識的に、傾聴力を育てる必要がある。

具体的展開の弱さは私の勉強、知識不足だ。「具体的展開を提示できるほど自分には知識がない」そう思ってアクションの邪魔をしている。
これはとにかく資格をとっても勉強を続けるしかない。

合格が分かった瞬間に思ったこと、それは
「やっと試験合格のためじゃない勉強ができる!」
だった。

ビジョンの言語化

今目の前にいるあなただけを見る

それが、私がキャリコンとしてありたい姿だ。
私は、この2回目の試験がなければ、ここまで明確なキャリコンとしてのビジョンは持てなかったかもしれない。

そう思うと、きっと私には必要な経験だったのだ。

しっかりと結果を受け止め、受け入れた先にだけ、見えるものがあるのかもしれない。

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