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桜満開🌸高校入学式のミラクル

暗雲立ち込める、入学式前日
新生活の始まりの不安からか、繊細な娘の情緒は乱れていて、塞ぎ込んでいた。春休みにたくさん宿題が出ていたが、その中の高校生活の抱負を1200字以上書く宿題が少しも終わっていなかった。私も心配になって、書くためのヒントを伝えたりしたが、「無理!こんなメンタルでは何も書けない。」と泣きそうな声が返ってきた。思えばいつも手のかかる弟にばかり気を取られて、娘にはあまり手をかけてこなかった。ほっといても何でもキチンとできていたので、それが当たり前になっていた。本当はもっと気にかけて褒めるべきだった。それが原因で娘の自己肯定感が低く、自分の思いを語れないのかもしれないと、私の心にも暗雲が立ち込めている。ここは自分でやりなさいと突き放さないほうが良いと思った。でもどうしたもんか。ジリジリと春休みの最終日が終わっていく。頑張りたいことを質問をしても、無表情でうつむいて黙り込んでいる。このままでは入学式が黒歴史になってしまいそうだ…。仕方ない。私が書くことにした。作文以外はできているので、できることだけ頑張れば良いと割り切った。夜には完成した。私の作文の内容から、あなたの良いところはここだよ。こういう場合はこうしたらどうかな?こんな有意義な高校生活を送って欲しい。そんなことを母からのメッセージとして受け取ってくれたらいいな。制服、書類の準備も整えて今日を迎えることができた。

薄曇りだが桜は満開。入学式当日のミラクル
最寄り駅で大勢の新入生と保護者が降りて、その波に流されるように自分たちも学校の門をくぐった。ふと後ろを振り返ると、小学校の時に仲良くしていた友達がいた。思わず声を掛けた。小学校の時はその子と娘はよく気が合っていて、いつも一緒にいた。雰囲気も似ている。休日も家族で遊びに行ったり、食事に行ったりしたこともあった。中学で別々の学校に離れてからしばらく疎遠になっていたので、久しぶりの再会だった。娘は消極的なタイプなので友達ができにくい。その子との再会は親同士も興奮するくらい嬉しかった。再会に盛り上がって話しこんだせいで、正門で写真撮影をし忘れた…。不覚…。でも、前日からのモヤモヤとした気持ちが一気に吹き飛んだ。楽しくなる予感。さらに入学式では、隣りに見覚えのある人がいた。名簿を確認したら、やはり思い出した名前が載っていた。なんと娘の小学校時代の初恋の相手のお母さんだった。PTA役員を同じ時期にしたことがあったので、私のことも覚えていて「よろしくお願いします。」と挨拶をした。彼も中学は別の学校だったので久しぶりの再会。しかも同じクラスで出席番号が連番だった。ということは彼の後ろに娘が座っているのだろう。なんというミラクル!

教育とは人格の完成である。
高校自体は田舎にある学校なので、とても落ち着いた雰囲気。校長先生の言葉も「教育とは人格の完成である。」から始まって、その解釈を、できる人よりできた人になることだと語っていた。知識や技術を身につけ、それを社会で活用できるようにし、自分を磨き続け、決して謙虚さを忘れてはならない。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」のように「黄金に輝く稲穂になって欲しい。」と。多様性とか、個性を活かして活躍とか、今風のことを言われるより、「人格の完成」という言葉に時代を問わない普遍的な価値があるように思えて、堅実で説得力のあるいい言葉だなと思った。

何はともあれ、幸先の良いスタートが切れて、新しい学校生活に明るい兆しを感じた。

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