洋服で幸せになれる?

1980年代後半〜1990年代ごろ、
中学1年の時に、ちょうどファッションというか、
カッコつけることにすごく関心がで始めた頃、
仲の良い1つ上の先輩から、
Levi's 501のデニムパンツをもらった。
当時の現行モノ。
身近にいた仲の良い先輩や友達がお洒落だった環境もあってか?
とにかく洋服に夢中になった。

今はないけどBOONというファッション雑誌があってめっちゃ愛読してた記憶。
モデルや著名人の着用写真ばかりじゃなくて、
当時はアメカジ(アメリカンカジュアル)というスタイルの流行りの流れで、
デニムパンツに代表される、アメリカもののヴィンテージ古着の流行りがあったので、BOONではディテールの解説や年代判別の仕方とか、まるで辞書のような記事がよくあったので、読んで勉強して古着屋に行って、実物を見ては学んで値段感を覚えながら気に入ったヴィンテージ古着を買い集めてました。

人との巡り合わせと、もう1つ大きな影響があって、
当時住んでいた自宅から徒歩30秒〜1分ほどのところに、
古着屋があったというか、正確にいつだったか覚えてないけど、
中学1~2年生の頃に、
お客さん2~3人が入ったら動けないぐらい狭いスペースいっぱいに、
良質で渋谷や原宿の相場より安いラックにぎゅうぎゅう詰めの古着と、
物静かだけど優しいカッコいいお兄さんがカウンターにいる、
この古着屋さんの存在も大きかったと思う。
多分1,2ヶ月に1回ぐらいしか商品の入荷はなかったけど、
毎週何回かは行って、見て触れて見てるだけでも楽しかった。
欲しいものを手に入れた妄想をしてスタイリングしたり、
本で手に入れた知識を実物見ながら復習して楽しんでた。
今思えばよくそこまで夢中になってたな〜って不思議だけど、
明確なのはそれが幸せだったということ。

周りにいた人間関係や、
生活していた場所での偶然が重なりあった結果、
洋服に夢中になった。

高校生になるとアルバイトができるようになって、
まとまったお金を作っては洋服やスニーカー、アクセサリー、、
高校生とは思えないぐらいお金をかけていたし、
たくさんのモノを所有していた。

今、冷静に思い返すと、
カッコつけた自分を周りから認められたい承認欲求と、
たくさんのモノを所有している自己満足感、
この2つの欲を満たすことが快感だったんだと思う。

そして、
そんな愛するモノを身に付けて生活できるって、
こんな幸せなことはないと思った。

だから最初は漠然と洋服に携わる仕事をしたくて、
ファッション業界に入って、
自分が好きにデザインしたものを着れるようになって、
企画した商品がたくさん売れることで、
多くの人を幸せに出来ていることが僕の幸せにもなり、
商品を通じて多くの人達と見えない糸で繋がることで、
社会との関わりを保てていた気がする。

アパレルのメーカー(ブランド)だけで4社転職をしてきたけど、
全て就活ではなくて、誘われて転職を繰り返してきた。
お金も大事だけど、
その時の自分の成長に繋がるのか?学びはあるか?
そして、その人が好きか?を一番大事な基準に転職してた。

発達障害者と知った今、思い返すと、
変化する社内環境に適応できなかったり、人間関係がうまく築けなくて、
いつも人間関係に苦しんできた。
みんなが当たり前にできる会社員生活が、自分にはとても辛かったけど、
性格の問題で頑張り続ければ少しずつ治って、
そのうち自分もみんなと同じようになれると思っていた。

3回目に転職した職場から、次第にデザイン以外の業務が多くなり、
人間関係の立ち回りも上手く出来なくて、
最終的には心が壊れそうになって病院に行って
ASDと鬱病の診断をされた。

なんとなく、もうファッションに携わる仕事は辞めようと思ってた。
目まぐるしく変化が早い現代で、
僕からこれまでのファッション業界でのスキルを除いたら、
何も出来ない無能な人間になる怖さと、
ASDとわかったことで、
どこかの会社にまた転職するのも怖くて出来ない。
だから、フリーで生きていくための新たなスキル(武器)を、
手に入れるしかないと思った。

最近の1ヶ月は、
ノートやマインドマップで思考を整理しながら、
興味のあることの勉強を、
マイペースにしてきて少し思考に変化が出てきた。

最近、こういう服が欲しいなとか、
あの素材を使ってみたいな〜とか、
作りたい洋服のことが思い浮かぶようになってきた。

そして今更だけど、
なぜか白黒思考になっていた自分に気がついた。
100%、今後一切ファッションに携わらないって決める必要はなくて、
ゆるく何でも、やりたいことをやればいい。
ファッション関係のことでも、それ以外のことでも。
誰かの何かの役に立てて、自分も幸せを感じられる仕事を、
無理をしないで少しずつ作っていきたい。

洋服って自己表現する手段の1つだと思っています。
そして毎日着るから日常生活からは切り離せないですよね。
だからこそ、お気に入りのモノを着てほしいです。
どうでもよくて適当に選んだモノを着ていると、
自分に対して自分で、どうでもいい扱いをしていることになる。

好きな洋服を着ていると、
ただそれだけで幸せを感じることができる。
着飾るだけが洋服の楽しみ方じゃなくて、
日常着として、日々の生活で身に着ける洋服に少し気を使って楽しむだけで、
とても小っぽけな感情かもしれないけど、
幸せを感じることができるんです。

生きていく上で欠かせないのは衣、食、住ですよね。
そう考えると、やっぱり衣は大事だなって気がついたお話しでした。
少しでも洋服を通じて幸せになってくれる人が増えたら嬉しいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?