ドラマー巡礼⑥ 屋敷豪太「Progress」
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ドラマー名: 屋敷豪太
曲名: 「Progress」
グループ名: スガ シカオ
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屋敷豪太さんは、世界をドラマーやプロデューサーとして渡り歩いて来た方。全楽器の演奏とプログラミングを担当したシニード・オコナー「愛の哀しみ(Nothing Compares 2 U)」は全英チャート1位と全米ビルボード1位を記録。その後も、ドラムや楽器の演奏、打ち込みプログラミング、アレンジ、リミックスと裏方の全てを担える特殊人材。
京都綾部の和太鼓をルーツに持ち、上京後はデジタルな打ち込みの最先端とアナログなドラムの両方を極めて行ったという。オンリーワンになっていった。
有名なのはシンプリー・レッドの「Stars」へのドラムスとしての参加。そこでは洗練されたキレッキレのドラムを見せてくれる。
そして僕が屋敷豪太さんで一番好きなのは、このProgressでのドラム演奏。誰でも聞いたことがあるはずの「NHK プロフェッショナル」の主題歌。
レニークラヴィッツ感と森高千里感の間の極上のヘタウマのリズム感と荒々しいフィルインは、ボブ・ディランの音楽に中々飽きることがないような、ザラザラとした手触りがする。予測可能なのに、聴くほどに味が出てくる燻銀(いぶしぎん)。
どんなアーティストの味も染み込ませて、その自分の独自な味わいをちゃんと付与する「高野豆腐」のようなドラマーさんです。決してド派手に表に出てこないのに必要不可欠な存在で、季節ごとの素材に変幻自在に合わせてくれるのです。
取り上げるべき真の「プロフェッショナル」はこの人の事だったのかも知れませんね。
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